堀米雄斗、西矢椛、小野寺吟雲、中山楓奈…スケートボードWST: ローマ・ストリート2023の見どころ

パリ 2024

スケートボード・ストリート種目のオリンピック予選が再びイタリア・ローマで開催される。そして9月にスイス、12月には日本へ! スイス、日本へと続く、6月18日〜25日のローマ大会の見どころを紹介しよう。準決勝・決勝はOlympics.comでライブ配信予定。

1 執筆者 Chiaki Nishimura
Japan street skaters
(Getty Images)

昨年夏のストリート・スケートボード・ローマ2022、1月のUAEでの世界選手権に続き、スケートボード・ストリート種目のオリンピック予選第3戦「スケートボードWST: ローマ・ストリート2023」が、再びイタリア・ローマで実施される。

オリンピック予選第4戦は9月にスイス・ローザンヌで予定され、これに続く予選大会として12月に世界選手権の日本開催が決定しているだけに、日本のスケートボード・ファンにとって今回の大会とローザンヌでの大会は、12月の世界選手権をより楽しむための注目の戦いとなるだろう。

パリ2024オリンピックの出場権を獲得できるのは、開催国枠などを除いてオリンピック世界スケートボードランキングで上位にランクインした20選手(1カ国最大3人まで)。スケーターたちは毎日の練習で技の精度を上げ、クリエイティブで難易度の高い新たな技に挑戦しながら自分のスタイルを確立し、その上でオリンピック予選大会で成績を残してランキングを上げていく。

このローマ大会でその成果を発揮するのは一体誰なのか? スケートボードWSTローマ・ストリート2023の見どころを紹介しよう。

スケートボードWST: ローマ・ストリート2023の見どころ

昨年のローマ大会では表彰台を独占するなど、圧倒的な存在感を見せた日本女子。東京2020銅メダリストの中山楓奈が優勝し、東京2020金メダリストの西矢椛が2位、織田夢海(ゆめか)が3位でローマの熱い1週間を締め括った。

今回の大会は昨年と同じコースで行われるため、選手たちが今年の大会で自分の技を新たにどうつないでいくかは見どころのひとつだろう。昨年のローマで表彰台に立った3選手が出場するほか、ローマで好成績を残して以降、さまざまな舞台で活躍する赤間凛音(りず)、織田、吉沢恋(ここ)、上村葵らにとってもこの1年間の進化を実感・披露する絶好の機会となる。

日本以外のスケーターでは、昨年ローマで表彰台を逃した世界ランキング1位で15歳のライッサ・レアウ(ブラジル)や、昨年このパークでその存在を多くの人に知らしめた13歳のクロエ・コベル(オーストラリア)が会場を沸かすことだろう。

一方、男子では世界ランキング上位20人に小野寺吟雲(ぎんう)、白井空良(そら)、松本浬璃(かいり)、佐々木音憧(とあ)、堀米雄斗が現在ランクイン。小野寺以外はローマのコースを経験済で、堀米は昨年の大会で決勝8位で戦いを終えた。

東京2020金メダリストの堀米は、オリンピック予選2大会で自身が満足のいく成績を残せていないが、5月に行われた日本発の国際スケートボード・イベント「UPRISING TOKYO」に参加した際には「(オリンピック予選で)今、出だしがあんまり良くないので、ここからまた切り替えて、オリンピックの予選をちゃんとクリアして、オリンピックのチケットを確実に掴みたい」と報道陣に語った。

彗星の如く現れた13歳の小野寺は、1月にUAEで行われた世界選手権で東京2020銅メダルのジャガー・イートン(アメリカ合衆国)や銀メダルのケウビン・ホフラー(ブラジル)をおさえて堂々の3位に入り、話題をさらった。日本で2度目の開催となったエクストリーム・スポーツの祭典「エックスゲームズ」での優勝を経験し、さらに成長した姿をローマで見せつけることだろう。

昨年のローマ大会で観客を魅了して戦いを制したのは、ナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)。その後、秋に膝前十字靱帯(ACL)を負傷してシーズン後半を休養にあてたが、4月に行われた世界最高峰のストリート・リーグSLSの今季第1戦では復活の滑りをファンの前で披露した(SLS第2戦は8月に日本で開催される)。

2位となったのはフランスのオーレリアン・ジローで、彼はUAEでの世界選手権を制して、母国開催のパリ2024に向けて好位置につける。また、ポルトガルのグスタボ・リベイロもオリンピック予選2大会で好調ぶりを発揮しており、今年のローマでも表彰台の上位争いを繰り広げることになるだろう。

WST: ローマ・ストリート2023のフォーマット・日程・ライブ配信

スケートボードWSTローマ・ストリート2023は6月18日〜25日の日程で、イタリア・ローマのコロッセオに隣接するコレオピオ公園で行われる。

最初の3日間(6月18日〜20日)で公式練習が行われたのち、21日に女子オープン予選、22日に男子オープン予選が実施され、上位27選手とシード5選手(世界ランキングの上位5選手)の合計32選手が23日の準々決勝に進出する。ここでスケーターの数が半分に絞られ、上位16人が24日の準決勝を競い、男女それぞれ8人が25日の決勝に進む。

準決勝・決勝の模様はOlympics.comでライブ配信予定

2023年6月18日(日)、19日(月)

  • 9:00〜18:55(日本時間16:00〜翌1:55)女子&男子公式練習

2023年6月20日(火)

  • 9:00〜18:55(日本時間16:00〜翌1:55)女子&男子公式練習
  • 19:00〜20:35(日本時間 翌2:00〜4:35)シード選手公式練習

2023年6月21日(水)

  • 9:00〜14:35(日本時間16:00〜21:35)女子オープン予選
  • 15:30〜17:05(日本時間22:30〜翌0:05)シード選手公式練習

2023年6月22日(木)

  • 9:00〜20:15(日本時間16:00〜翌3:15)男子オープン予選
  • 20:20〜21:55(日本時間20:20〜翌4:55)シード選手公式練習

2023年6月23日(金)

  • 11:00〜12:35(日本時間18:00〜19:35)女子準々決勝公式練習
  • 12:45〜15:40(日本時間19:45〜22:40)女子準々決勝
  • 16:30〜18:05(日本時間23:30〜翌1:05)男子準々決勝公式練習
  • 18:15〜21:10(日本時間 翌1:15〜4:10)男子準々決勝

2023年6月24日(土)

  • 12:15〜13:50(日本時間19:15〜20:50)女子準決勝公式練習
  • 13:55〜15:30(日本時間20:55〜22:30)男子準決勝公式練習
  • 15:55〜18:40(日本時間22:55〜翌1:40)女子準決勝 Olympics.comでライブ配信
  • 19:25〜22:10(日本時間 翌2:25〜5:10)男子準決勝 Olympics.comでライブ配信

2023年6月25日(日)

  • 17:00〜18:00(日本時間24:00〜翌1:00)女子決勝公式練習
  • 18:05〜19:05(日本時間 翌1:05〜2:05)男子決勝公式練習
  • 19:25〜20:45(日本時間 翌2:25〜3:45)女子決勝 Olympics.comでライブ配信
  • 20:55〜22:15(日本時間 翌3:55〜5:15)男子決勝 Olympics.comでライブ配信
  • 22:25〜22:35(日本時間 翌5:25〜5:35)表彰式

スケートボードWST: ローマ・ストリート2023日本人選手

国内競技連盟のワールドスケートジャパンは6月15日、日本人エントリー選手を発表。このうち世界ランキング上位5人に入る西矢椛、中山楓奈、赤間凛音、小野寺吟雲の4選手はオープン予選が免除され、準々決勝から戦いを始める。

国際連盟シード選手(ランキング上位30選手)

女子

  • 西矢椛
  • 中山楓奈
  • 赤間凛音
  • 織田夢海
  • 吉沢恋
  • 上村葵
  • 中島野々花
  • 伊藤美優

男子

  • 小野寺吟雲
  • 白井空良
  • 松本浬璃
  • 佐々木音憧
  • 堀米雄斗
  • 青木勇貴斗(ゆきと)
  • 根附海龍(ねつけ・かいり)

ワールドスケートジャパン(国内競技連盟)枠

女子

  • 藤澤虹々可(ななか)

男子

  • 長井太雅(たいが)
  • 池慧野巨(いけ・けやき)

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