パリ2024 ブレイキン観戦ガイド! 注目ポイント・日本代表・試合日程 

執筆者 Olympics.com
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写真: Handout image supplied by OIS/IOC. Olympic Information Services OIS.

ブレイクダンスの名で知られるダンススポーツのブレイキンが、パリ2024で新たにオリンピック競技に加わる。オリンピック最後の週末となる8月9日(金)、10日(土)にコンコルド広場で実施され、この両日でオリンピック初代王者となるBガール、Bボーイが決定する。

パリ2024の出場枠は、2023年に行われた世界選手権とアジア競技大会などの大陸別選考指定大会、そして2024年5月と6月に開催されたオリンピック予選シリーズで獲得され、史上初となるブレイキンのオリンピック出場選手男女32名が選出された。

日本勢は2018年にブエノスアイレスで開かれたユースオリンピックのブレイキンで銅メダルを獲得したBボーイShigekix(半井重幸=なからい・しげゆき)、この1年で急速な成長を見せ、オリンピック予選シリーズで日本代表の切符を勝ち取ったHiro10(大能寛飛=おおの・ひろと)、2019年と2022年の世界選手権を制したBガールAmi(湯浅亜実)、2021年の世界選手権、2023年・2024年の全日本選手権を制したBガールAyumi(福島あゆみ)に注目が集まる。

ここではパリ2024ブレイキン競技の注目ポイント、試合日程などを紹介する。

パリ2024 ブレイキンの観戦ポイント・注目選手

Bガール

女子種目で長年世界のトップクラスに君臨する日本のAmiとAyumiが、オリンピック初代女王の座を掴むことができるかに注目が集まる。流れるようなフローと、個性あふれるフットワークや数々のトリック、細かいディテールで魅了する唯一無二のパフォーマンスが光る2人のスタイルはパリでも見逃せない。

その2人に対抗すのがブレイキン界の新鋭たちだ。中華人民共和国のBガール671(リウ・チンギ、18歳)は、2022年の世界選手権でAmiに次いで準優勝した後、2023年はAmiを破ってBfGワールドシリーズ初戦の北九州とモンペリエでも優勝、アジア競技大会で金メダルを獲得しパリ出場を決めた。17歳のリトアニア代表Nickaは、2022年に初登場して以来、2023年の世界選手権でAyumiを決勝で2‐1で破るなど、勢いを見せている。この他には、イタリアのBガールAntiや、フランス代表のSyssyなどがライバルになるだろう。

Bボーイ

世界最高峰の国際大会を18歳で制し、全日本選手権で3連覇の実績を持つメダル有力候補に挙げられるShigekix(22)と、その背中を追って日本代表を目指し、キレのあるパワームーブでオリンピックの夢を掴み取ったHiro10(19)が、世界の強豪にどのようなダンスで挑むのか、そのパフォーマンスに期待が高まる。

ブレイキンの数々のタイトルを獲得している2021年・2023年世界王者のVictor(アメリカ合衆国)、2022年の世界チャンピオンであり、過去3年間の世界選手権すべてで決勝に進出しているPhil Wizard(カナダ)、オリンピック予選シリーズ第2戦の準々決勝でHiro10との激闘を制したLee(オランダ)や、Hongten(大韓民国)、Lithe-ing(中国)なども、日本勢が表彰台を目指す上で侮れない存在となるだろう。

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パリ2024 ブレイキン競技日本代表選手

日本のブレイキンシーンを長年牽引しているShigekixは、2023年のアジア競技大会で金メダルを獲得し、大陸別枠でパリ2024ブレイキン日本代表の内定第1号を決めた。各国最大男女各2枠の出場枠を巡り、2024年5月と6月に開催されたオリンピック予選シリーズで、AmiとAyumiが優勝・準優勝を飾り、Hiro10が2大会合計で総合3位、日本勢首位の結果を残したことでTEAM JAPANは4人がオリンピック出場枠を獲得した。

  • 女子:Ayumi(福島あゆみ)、Ami(湯浅亜実)
  • 男子:Shigekix(半井重幸)、Hiro10(大能寛飛)

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パリ2024 ブレイキン競技形式

パリ大会で実施されるのはBボーイ(男子種目)とBガール(女子種目)の2種目。それぞれ16人のダンサーが予選グループで4人ずつに分かれて1対1のダンスバトル(総当たり戦)を繰り広げ、各グループ上位2人の計8人が決勝トーナメントに進出しオリンピック初代王者の座をかけて競う。

ブレイキンが他のダンススポーツと異なるのは、DJが音楽を担当し、MCが進行を盛り上げるところだろう。DJがその場で選曲しミックスした音楽に、選手たちは即興で高度なトリック(技)やアクロバティックな要素を交えながら、オリジナリティ溢れるダンスを披露する。ムーブの構成はブレイカー(選手)の自由で、そこにルールはない。ブレイカーたちは曲を事前に知らされていないため、流れる音楽に合わせて瞬時にリズムや音色に乗り、トップロック(フロア系ムーブに入る前に立った状態で踊る導入のダンス)やフットワーク(手で身体を支えながら両脚を使ってメイクする多様な脚さばき)、フリーズ(体の動きを数秒間止めるムーブ)やパワームーブ(両手や肘、頭、背中、肩を使って連続回転するムーブ)を取り入れたダンスで魅せる。

パリ2024では、以下5つの基準に則って評価が行われる。

  • ミュージカリティ:音楽との融合性
  • ボキャブラリー:スタイルの多様性とその豊富さ
  • オリジナリティ:独自性や創造性
  • テクニック:技の完成度や難易度、スキルの高さ
  • エグゼキューション:動きの完遂度と全体的なパフォーマンスの完成度

ブレイカーは1度のダンスバトルで対戦相手と交互に3回のダンスを披露し、ジャッジ(審査員)が各ダンスを評価して優れていると思う選手に投票、多数決でその勝敗を決める。

パリ2024 ブレイキンの競技日程

以下、現地時間と括弧内が日本時間。日本はパリより7時間進んでいる。※日程は変更になる可能性もある。

8月9日(金)

  • 16:00(23:00)Bガール予選
  • 20:00(翌3:00)Bガール準々決勝 第1試合
  • 20:07(翌3:07)Bガール準々決勝 第2試合
  • 20:14(翌3:14)Bガール準々決勝 第3試合
  • 20:21(翌3:21)Bガール準々決勝 第4試合
  • 20:45(翌3:45)Bガール準決勝 第1試合
  • 20:52(翌3:52)Bガール準決勝 第2試合
  • 21:14(翌4:14)Bガール3位決定戦
  • 21:23(翌4:23)Bガール決勝戦

8月10日(土)

  • 16:00(23:00)Bボーイ予選
  • 20:00(翌3:00)Bボーイ準々決勝 第1試合
  • 20:07(翌3:07)Bボーイ準々決勝 第2試合
  • 20:14(翌3:14)Bボーイ準々決勝 第3試合
  • 20:21(翌3:21)Bボーイ準々決勝 第4試合
  • 20:45(翌3:45)Bボーイ準決勝 第1試合
  • 20:52(翌3:52)Bボーイ準決勝 第2試合
  • 21:14(翌4:14)Bボーイ3位決定戦

パリ2024 ブレイキンの競技会場

コンコルド広場

パリ2024オリンピックのブレイキンは、パリ中心部のコンコルド広場で実施される。パリを代表する観光地のひとつとされるコンコルド広場はルーブル美術館と凱旋門の間に位置し、同広場から凱旋門に向かって高級ショップが立ち並ぶシャンゼリゼ通りが伸びる。

パリ最大とされるコンコルド広場の中心にオベリスク(塔)がそびえ、大会期間中はそれを囲むようにブレイキン、スケートボードBMXフリースタイル3x3バスケットボールといったアーバンスポーツの会場が仮説され、賑やかな雰囲気に包まれることになる。

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