ブレイキン Shigekix、パリ2024出場枠獲得! アジア競技大会・杭州

パリ 2024

激しいダンスバトルを制してBボーイShigekixが優勝し、パリ2024オリンピック出場枠を確保。BガールAmiは準優勝、Ayumiは3位となり、日本女子のパリ2024出場枠獲得は次の予選大会に持ち越された。

1 執筆者 Chiaki Nishimura
Shigekix

アジア選手権、世界選手権では頂点に近づきながらも、届かずにいたShigekixこと半井重幸(なからい・しげゆき)が、パリ2024オリンピック出場枠がかかった重要なアジア競技大会で10月7日、見事表彰台の頂点に上り詰めた。

優勝そしてパリ2024日本代表内定を決めると、Shigekixはチームをサポートする石川勝之(Katsu One)さんや決勝トーナメントに進出していたIssin(菱川一心)らと抱き合って弾ける笑顔で喜びを分かち合った。

ブレイクダンスの名で知られる「ブレイキン」競技はパリ2024オリンピックで初めてオリンピック競技として導入される。男女それぞれ16人(各国2人まで)のみが参加して行われる予定で、Shigekixはその1枠をつかみ、ブレイキン日本代表内定第1号となった。

オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会(NOC)が責任を持っており、パリ2024への選手の参加は、選手が属するNOCがパリ2024代表選手団を選出することにより確定する。

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21歳のShigekixの決勝の相手は、7月に杭州で行われたアジア選手権の準々決勝でShigekixが敗れた大韓民国のレジェンドで38歳のHongten(キム・ホンリュ)。司会者らが会場を盛り上げる中、ファイナリストそれぞれの名前が呼ばれるとShigekixは笑顔でステージに登場し、対照的にHongtenは威厳を漂わせるような表情で現れバトルは始まった。

パワームーブで会場を魅了しながらも要所要所で自身が得意とするフリーズと呼ばれる静止技で決めるShigekix。一方のHongtenは柔軟性のある体を生かした独創性のあるムーブでバトルを展開。3ラウンドが行われた決勝はどちらが勝ってもおかしくないパフォーマンスの応酬で、最終的に2-1(14-13)でShigekixの評価がわずかに高く、Shigekixが勝利をつかんだ。

決勝後に取材陣の前に姿を現して戦いを振り返ったShigekixは、「メンタルの状態が一番良かったのが決勝だと感じている。アートであり芸術であるブレイキンは、技だけじゃなくて気持ちや内側から出るエネルギーが影響してくるものだと思ってくるので、それが顕著に出たのが決勝だったのかなと思います」と語った。

重要な局面で精神面が安定していた理由について問われると、「自分を大事にこのシーズンを過ごしてこれたことがひとつの要因だと思います」とShigekix。「応援してくださる人が多かったり、注目度が上がれば上がるほど、その人たちにいい結果を伝えたいとか、いい自分を見せたいという自然な気持ちはプレーヤーとして、日本を背負っている身として生まれてくるんですけど、それはありつつも、それ以上に、自分自身が自分のキャリアを積み上げていくことを楽しめるのか(ということを考えていた)。人のために頑張る前に、まず自分のために頑張れているのかというのを大事にしながら、このシーズン、『Road to Paris』が始まってから過ごしてきた。そういった気持ちで大会に挑めていることが大きな要因のひとつ」と続けた。

また、同じく日本代表のBボーイIssinは、3位決定戦でLithe-ing(キ・シャンユー/中華人民共和国)敗れて4位となった。

BガールはAmiが銀メダル、Ayumiが銅メダル

Bボーイ決勝の後に行われたBガール決勝は、Amiのダンサー名で活躍する湯浅亜実、そして地元期待の671(リウ・キンジー)という世界トップレベルの2人によるライバル対決。先攻のAmiがスピード感のあるフットワークやバラエティに富んだムーブで671を挑発すれば、671が迫力のあるパワームーブで応えるといった具合にバトルが展開されると、審査員の評価は1-2(11-16)で671に軍配があがり、最後はふたり抱き合って戦いを終えた。

また、BガールのAyumiこと福島あゆみは3位決定戦でYing Zi(ゼン・インイン/中華人民共和国)を下して銅メダルを獲得した。

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