北京オリンピックシーズン、主なスピードスケーターをチェック! 

スピードスケートのワールドカップ・シーズンが11月12日、ポーランド・トマシュフマゾビエツキで開幕する。冬季オリンピックシーズンを盛り上げるのは誰か!? 主な選手をご紹介しよう。 

1 執筆者 Chiaki Nishimura
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オリンピックでのスピードスケートといえば、日本では1980年代以降、男子選手らの活躍が目立ってきたが、2018年の平昌大会ではその状況が一変した。同大会では女子選手らが、スピードスケート日本女子初となる金メダル(3個)を含む合計6個のメダルを獲得。男女ともにメダルなしに終わったソチ2014からの復活を、女子選手らが引っ張る形で成し遂げた。

とはいえ、男子選手も黙ってはいない。世界を舞台に実力を発揮する選手が台頭しており、**北京オリンピック**では男女ともにスケートを盛り上げてくれることが予想される。

北京オリンピックの代表選手については、ワールドカップ前半戦(4戦)の成績により各国・地域の出場枠が割り振られ(最大で男女各9)、日本スケート連盟が定めた基準を満たせば代表に内定。12月末のスピードスケート日本代表選手選考会を経て、最終的に確定する。ワールドカップが行われる中、注目の選手を追ってみよう。

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小平奈緒、500mのスペシャリスト

平昌2018では日本代表チームの主将を務め、500mで金メダル、1000mで銀メダルを獲得した**小平奈緒(35)。平昌以降、股関節に違和感を覚えていたという小平は、昨シーズンの11月に行われた全日本選抜競技会帯広大会の500mで郷亜里砂**(33)に敗れ、国内で5シーズンぶりに負けを味わった。一旦リンクから離れ、体作りに励むと、今年10月の全日本距離別選手権500mで7年連続12度目の優勝を飾った。

ワールドカップ開幕を前に、自身のインスタグラムで「学び続けてきたカラダは、その上を行こうと氷とのやりとりを愉しんでいるようにも感じます」と、小平らしい言葉選びで気持ちを綴った。

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高木美帆、日本スピードスケート界を切り拓く

中学生だった当時15歳でバンクーバー2010に出場し、日本人スピードスケート選手として最年少オリンピック出場記録を更新した**高木美帆**(27)。団体パシュートで金、1500mで銀、1000mで銅メダルを獲得した平昌大会以降、世界オールラウンド選手権(2018年)と世界スプリント選手権(2020年)の両方で総合優勝を果たすという日本人初の快挙を成し遂げた。さらに、2019年には1500mで世界新記録を樹立。この記録はまだ破られていない。

日本のスピードスケート史を次々と塗り替える存在の高木だが、シーズン中に我慢している食べ物を聞かれ、「チョコアイス」と答えるキュートな一面も。

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高木菜那、マススタートの初代女王

高木美帆の2歳上の姉・高木菜那(29)は、平昌2018の団体パシュートおよびマススタートで2冠を達成。平昌大会ではマススタート種目が初採用されたことで、初代女王となった。

日本女子団体パシュートは平昌以降、着実に力をつけており、高木菜那は妹・美帆、佐藤綾乃(24)とともに2019年および2020年の世界距離別選手権で2大会連続優勝を果たし、2020年には自らが作った世界記録を更新した。

今季開幕戦の全日本距離別選手権では1000m、1500m、3000mの3種目に出場し、1500mと3000mで3位。ワールドカップ初戦は欠場するが、2戦目以降の活躍を楽しみにしたい。

山田梨央、小平を目標に

ベテラン勢が活躍する女子スピードスケート界において、期待の若手スケーターとして注目されるのが山田梨央(24)。高校、大学と小平と同じ道を歩み、現在も結城匡啓(ゆうき・まさひろ)コーチの下、共に練習に励むなど、偉大なる先輩の背中を追いながら成長してきた。

全日本距離別選手権では500m、1000m、1500mに出場し、1000mで、高木美帆、小平奈緒に続き、3位。一方、2020年の四大陸選手権大会の1000mでは2位となるなど国際舞台でも好成績を残している。山田も高木菜那同様にワールドカップ第1戦を欠場する。

新濱立也&村上右磨、500mの二枚看板

(2019 Getty Images)

平昌大会への出場を逃して以来、着実に成長するのが新濱立也(しんはま・たつや/25)。2018/2019シーズンからワールドカップに参戦し、翌シーズンには世界スプリント選手権で総合優勝、ワールドカップの500mで総合優勝を果たし、日本男子を牽引する存在だ。

新濱と並んで日本男子復活を担うのが村上右磨(ゆうま/28)。ふたりはともに500mで互いを高め合う良きライバル。村上もオリンピックは未経験で、27歳で初めてワールドカップで優勝(2019年12月長野大会)するなど遅咲きの選手だが、昨季はシーズンを通して安定した滑りをみせ、最後の国内大会・長根ファイナル競技会では、国内記録を更新する34秒44で優勝し、シーズンを終えた。

日本男子はサラエボ1984からソルトレークシティ2002までの6大会連続で、500m種目でメダルを獲得したが、過去2大会では表彰台を逃している。女子の勢いに圧倒される中、北京大会では男子復活を目指す。

森重航、500mの新星

「新濱と村上が北京オリンピックの表彰台の高い位置にのぼってくれるに違いない」。そんな思いで胸を膨らませていたファンの前に、さらに頼もしい存在が登場した。国内でのシーズン初戦となった10月の全日本距離別選手権の500mで、新濱、村上を破って優勝した森重航(21)だ。

レース後、「優勝できると思っていなかったので、びっくりしてます」と喜びを語ったが、今シーズンからナショナルチームに入った森重は、トップ選手らとともに練習を重ねることで成長してきたことは間違いない。この大会の成績を受けてワールドカップメンバーにも選出され、これからの1戦1戦で多くを学ぶことだろう。

ワールドカップの日程

以下の日程でワールドカップが行われる。この4戦で平均的に3位以内となれば、北京オリンピックの代表に内定する。選手たちの戦いをチェックしよう!

  • ワールドカップ第1戦:2021年11月12〜14日 トマショフマゾウィエツキ(ポーランド)
  • ワールドカップ第2戦:2021年11月19〜21日 スタヴァンゲル(ノルウェー)
  • ワールドカップ第3戦:2021年12月3〜5日 ソルトレークシティ(米国)
  • ワールドカップ第4戦:2021年12月10〜12日 カルガリー(カナダ)
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