北京2022スピードスケート: 知っておくべき5つのこと

注目選手、会場情報、日程など、2022年の北京冬季オリンピック競技大会ガイド!

1 執筆者 Will Imbo
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(2018 Getty Images)

スピードスケートは、フィギュアスケート、ショートトラックと並ぶ、冬季オリンピックの3つのスケート競技のひとつ。全14種目で構成され、種目数で見ると**2022年の北京オリンピック**における最大の競技となる。

数多くのアスリートが参加する中、注目すべき選手は誰なのか? また、オリンピックでの歴史は? ここでは、オリンピックのスピードスケートについて知っておくべき5つのことを紹介しよう。

北京2022スピードスケートのトップ選手

男子でトップの座に君臨するのは、スベン・クラマー(オランダ)。オランダのこのスーパースターは、世界オールラウンド選手権で4連覇した史上初のスピードスケーターであり、オリンピックでは9個のメダルに輝いている(バンクーバー2010、ソチ2014、平昌2018での5000m金メダル、ソチ2014での団体追い抜き[チームパシュート]金メダルを含む)。クラマーは、5大会連続となるオリンピック出場を目指す。

クラマーの活躍は目覚ましいが、オリンピックでのメダル獲得数で伝説の**イレイン・ブスト**(オランダ)に勝る者はいない。ブストは冬季オリンピックの現役選手として、最多となる11個のメダルを獲得。冬季オリンピック4大会にわたり個人種目で金メダルを獲得した史上初のアスリートとなったことで、すでに冬季オリンピックの歴史にその名を刻んでいる。

この偉業を達成したのは夏季オリンピックでは6人しかおらず、もしブストが北京で再び金メダルを手にすれば、5大会で金メダルを獲得した唯一の選手になる。1500mでオリンピックおよび世界オールラウンド選手権の現チャンピオンであるブストは、2022年の北京冬季オリンピックをもって、現役引退の意向を示している。

その他、北京2022での表彰台候補は、平昌2018の1000mと1500mで金メダルを獲得した**キエルド・ナウシュ(オランダ)、平昌2018の3000mで銅メダルを獲得し、3000mの現世界チャンピオンでもあるアントワネット・デ・ヨング(オランダ)、平昌2018のマススタートで銅メダルに輝き、5000mの現世界王者でもあるイレーネ・スハウテン(オランダ)、10000mの世界記録保持者で現世界王者、5000m世界王者・ニルス・ファン・デル・プール**(スウェーデン)。もちろん、チームパシュートにも男女オランダ選手は出場する。

北京2022スピードスケート日程

**スピードスケート競技**は、**2022年2月5日(土)〜19日(土)**の日程で行われる。

北京2022スピードスケート会場

スピードスケートの全種目は、2008年の北京夏季オリンピックで使用されたオリンピック・グリーンホッケーフィールドとオリンピック・グリーンアーチェリーフィールドの跡地に建設された国家速滑館(ナショナルスピードスケートオーバル)、通称アイスリボン(氷絲帯)で行われる。

アイスリボンは、二酸化炭素による遷臨界直接冷却技術を採用した世界初の冬季オリンピック会場であり、アジア最大の面積を誇る12,000平方メートルの氷面を作り出す。招致提案書によると、大会期間中、12,000人の観客(常設席6,800人、臨時席5,200人)を収容することができるという。

この施設では、さまざまなスポーツの多様なニーズとその基準に合わせて氷を作ることができる。

北京2022スピードスケート競技フォーマット

冬季オリンピックでのスピードスケートは、男子7種目、女子7種目の計14種目が行われる。

男子

  • 500m
  • 1000m
  • 1500m
  • 5000m
  • 10000m
  • マススタート
  • 団体追い抜き(チームパシュート)

女子

  • 500m
  • 1000m
  • 1500m
  • 3000m
  • 5000m
  • マススタート
  • 団体追い抜き(チームパシュート)

合計112の出場枠が用意されている。

オリンピック競技としての歴史

1924年にフランスのシャモニーで開催された第1回冬季オリンピックで、スピードスケートはオリンピックデビューを果たした。女子選手の出場が認められたのは1932年のレークプラシッド大会のみで、当時は公開競技にしか過ぎなかった。女子スピードスケートが正式にオリンピック種目化されたのは、1960年のスコーバレー大会からだった。

ほぼすべてのスピードスケート種目は、2人のスケーターが並んで競い合い、対戦するスケーターだけでなく、全スケーターの中で最速のタイムを出すことを目指す(2018年と2006年にそれぞれオリンピック種目に加わったマススタートとチームパシュートを除く)。

しかし、アメリカのレークプラシッドで1932年に行われた冬季オリンピックでは、一般的な対人形式ではなくマススタートを用いたアメリカ式のレースが取り入れられた。その結果、ヨーロッパの多くの競技者がボイコットし、アメリカは4つの金メダルを獲得。アメリカ式のこのシステムがショートトラック種目の誕生につながり、アルベールビル1992で種目として追加された。

オランダは、オリンピックのスピードスケートで合計121個(金メダルは42個)を獲得し、圧倒的な結果を残している。イレイン・ブストは、そのうち5つの金メダルを含む11個のメダルでオランダに貢献し、冬季オリンピック史上、最も多くのメダルを獲得しているスピードスケート選手だ。男子スピードスケーターとして最も成功しているスベン・クラマーは、オリンピックで9個のメダル(4個の金メダル)を獲得している。

アメリカは歴代の金メダル獲得数で2位(金メダル29個、合計68個)、ノルウェーは3位(金メダル27個、合計84個)。アメリカのエリック・ハイデンは、1980年のレークプラシッド冬季オリンピックで、男子スピードスケートの全種目で金メダル(5個)を獲得。冬季オリンピック1大会で獲得したメダルの数としては過去最多となる。

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