スピードスケート、2021/2022注目のポイントは?

北京冬季オリンピック選考対象大会となる注目のワールドカップ4戦を前に、オランダのスベン・クラマーとイレイン・ブスト、スウェーデンのニルス・ファン・デル・プールなど、優勝争いをリードしていくであろう有力選手と今季の見どころをチェックしよう。

文: Nicolas Kohlhuber
写真: Getty Images

パンデミックにより中断された2020/2021シーズンの後、いよいよ世界のトップスピードスケーターたちの北京2022をかけた本格的な戦いが再開される。来年2月に迫った冬季オリンピックまでに予定されている4つのワールドカップが、出場権をかけた重要な選考大会となる。

欧州選手権は北京大会前に開催されるが、世界選手権とワールドカップファイナルは北京大会後に予定されている。

11月12日から開幕するワールドカップで最も注目すべき2選手は、オランダのスター選手、スベン・クラマーイレイン・ブストだ。アジア選手は新型コロナウィルスの影響で昨シーズンのワールドカップに参加できなかったが、北京2022の出場権獲得のためカムバックしてくる今シーズンの活躍に注目が集まる。

今回は、オリンピックシーズンのスピードスケートをより楽しむための見どころを紹介する。

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オランダ女子勢の完全制覇なるか?

スピードスケート女子では、以前からオランダが圧倒的な強さを誇っているが、オリンピックシーズンも引き続き彼女たちのパフォーマンスから目が離せない。前回の世界選手権でも、21個のメダルのうち9個を獲得するなど、強豪国として圧巻の選手層を誇る。

その世界選手権では、オリンピックを5回制覇し、全11個のメダルを獲得している35歳のブストが個人種目のメダルを逃してしまったが、北京2022で現役引退の意向を示している彼女が再びオリンピックで表彰台にのぼることが有力視されている。

また、アントワネット・デ・ヨング(3000m)、イレーネ・シャウテン(5000m)、マレイケ・グレーンアウト(マススタート)は、それぞれの種目で世界チャンピオンに輝いており、北京でもさらなる活躍が期待される。

前回の世界選手権で、オランダ選手が金メダルを獲得できなかった個人種目は、500mと1000mの2種目だけだった。500mではロシアスケート連盟のアンジェリーナ・ゴリコワが金メダルを獲得し、1000mでは米国のブリタニー・ボウがタイトルを獲得した。平昌2018の米国パシュートリレーチームのメンバーとして銅メダルを獲得したボウは、現在の1000mスピードスケート女子において最も成功している選手だ。

ワールドカップで最も多くの勝利(60勝)を収めているマルティナ・サブリコバ(34歳、チェコ)は3000mで銀メダルを獲得し、トップレベルの実力が健在であることを証明した。

マススタートのスペシャリストであるカナダのイバニー・ブロンディンは、すでに世界選手権で5つのメダルを獲得している。

また、シーズンを通して国際大会でメダルを獲得できなかった日本の小平奈緒(500m)と、韓国のキム・ボルム(マススタート)は、今季復活を目指す。

ロシアスケート連盟の選手たちも、今シーズン活躍のチャンスがあるだろう。現役世界チャンピオンであるゴリコワ(500m)、2020年の世界チャンピオンであるナタリア・ボロニナ(5000m)をはじめ、2021年の世界選手権で銅メダルを獲得したオルガ・ファトクリナ(500m)、エリザベータ・ゴルベワ(1000m)、エフゲニア・ラレンコワ(1500m)などが候補に挙げられる。

オランダ男子チームは女子に匹敵する活躍ができるか?

オランダ男子勢のダイダイ・ヌタブ(500m)、カイ・フェルバイ(1000m)、トマス・クロル(1500m)、パトリック・ルスト(5000m)が、2020/2021シーズンのワールドカップで首位を獲得し、チームの持つポテンシャルの高さを証明したことは記憶に新しい。注目すべきところは、この快挙がオランダチームを牽引するクラマーなしで達成されたということだ。

9回の世界チャンピオンに輝いたクラマーは、ワールドカップ史上最も成功したスケーターのひとりで、スピードスケート界の真のレジェンドだ。今シーズンは、個人戦50勝という驚異的な記録をさらに伸ばすことが期待される。

そのクラマーの行く手を阻むのは、スウェーデンのニルス・ファン・デル・プールになるだろう。長距離のスペシャリストである彼は、2021年の世界選手権10000mで世界新記録を樹立し、5000mと10000mの2冠世界チャンピオンとして今シーズンを迎える。

短距離は、500mと1000mの世界記録保持者で、ワールドカップで30以上のタイトルを獲得しているパベル・クリズニコフ(27歳、ロシアスケート連盟)に注目したい。

平昌2018の銀メダリストであるベルギーのバート・スウィングスは、マススタートの注目スケーターだ。昨シーズンはワールドカップの総合優勝を果たし、今季4度目のタイトルを目指す。

また、国際大会のないシーズンを過ごした日本の新濱立也、韓国のチョン・ジェウォン、中国のニン・ジョンヤンのアジア勢の復帰にも期待したい。リレー種目では、1500mのスペシャリストであるスヴェレ・ルンデ・ペデルセンを中心に、ノルウェーが有力な候補となるだろう。

活躍が期待される若手アスリート

次世代アスリートとしては、フェムケ・コック(オランダ)が最も有望株といえる。若干21歳の彼女は、すでに国際大会で2つのメダルを獲得し、昨シーズンのワールドカップ500m総合ランキングでも優勝している。世界ジュニア選手権で10回のメダルを獲得しているコックは、来年の冬季オリンピックにピークを迎えるように準備している。

現在、オランダ選手がスピードスケート界を席巻しているが、数年後には他国の才能あるスケーターの台頭によって、この独占が難しくなってくるだろう。

日本の久保向希は、2018年と2019年のジュニア世界選手権で優勝し、2020年の四大陸スピードスケート選手権1000mで金メダルを獲得した。今シーズンは、ワールドカップでその力が発揮されることに期待がかかる。

2020年ローザンヌ冬季ユースオリンピックでは、ディエゴ・アマジャがマススタートでコロンビア出身選手として史上初の銀メダルを獲得した。

また、カナダチームメンバーとして世界選手権パシュートリレーで2位に輝いたコナー・ハウも、今シーズンのワールドカップで初の表彰台が期待される。

2021/2022スピードスケート日程

  • 2021年11月12-14日:トマショフマゾウィエツキ(ポーランド)ワールドカップ(北京2022選考大会 #1)
  • 2021年11月19-21日:スタヴァンゲル(ノルウェー)ワールドカップ(北京2022選考大会 #2)
  • 2021年12月3-5日:ソルトレークシティ(アメリカ)ワールドカップ(北京2022選考大会 #3)
  • 2021年12月10-12日:カルガリー(カナダ)ワールドカップ(北京2022選考大会 #4)
  • 2022年1月7-9日:ヘーレンフェーン(オランダ)ヨーロッパ選手権
  • 2022年3月3-6日: ハーマル(ノルウェー)世界選手権
  • 2022年3月12-13日: ヘーレンフェーン(オランダ)ワールドカップファイナル

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