北京2022冬季オリンピックのフィギュアスケート・エキシビションが2月20日、首都体育館で行われた。日本からは鍵山優真、宇野昌磨、羽生結弦、坂本花織、樋口新葉が参加。プロジェクションマッピングも用いられた舞台で美しい演技を披露し、会場を魅了した。
最後の演技を終えた選手たちはフィナーレに再び登場し、北京のリンクに別れを告げた。エキシビションを締めくくるフィナーレにはビンドゥンドゥンも登場。転倒してしまったシーンでは、羽生らが即座に駆け寄って起こすと大きな歓声が上がった。
鍵山優真
「『明日へ』というプログラムは明日への希望を持つというもの。それをしっかりと表現でき、なにも思い残すことのない演技ができた。この舞台に立たせていただけることが貴重な機会。1分1秒、すべての経験がこれからの自分の成長の糧になっていくと思う。忘れずに、またイチから頑張っていきたい。もっともっと自分を磨き上げて、自分にしかできない表現、滑りがあると思う。それを貫いていけるように頑張っていきたい」
宇野昌磨
「ステファン(・ランビエール)コーチがボレロと同様に振り付けをしてくれた。ステファンコーチがいいと思えるものをやろうと思っていたが、気持ちと体が噛み合っていなかった。感触としては良くなかったが、オリンピック2大会に出場して、成績も残せて、こうやって最後にエキシビションに出させてもらえたことを誇りに思う。
僕にとって、この大会がスタートになるようにと考えていた。まだまだ続けていくというのは変わらない。4年間でいろいろなことを考えさせられ、いろいろな道に行き、再びこの場に戻ってきた。今はやっと戻ってきた状態なので、ここからは先に行けるように日々を過ごしていきたい」
羽生結弦
「皆さんに見ていただけるからこそ、こうやって僕は滑ってこれた。見ていただけるからこそ、僕の演技になにかしらの意味が生まれると思うので、皆さんに感謝したい。とにかく自分がやりたいことを、見ていただける今だからこそできるすべてを、オリンピックという舞台でやっていきたいという気持ちが強くあった。本当に幸せな時間だった。
いろいろなことを深く考えさせられた大会だった。今まで、努力してもどうしようもない時期もあった。皆さんの記憶の中にある羽生結弦はソチオリンピックや平昌オリンピックの成功している自分が多いのかもしれない。僕がここまで競技を続けるにあたって、自分のどん底を何回も見てきた。今回、大人になって、人生って報われることがすべてではないんだなと。報われなかった今は、報われなかった今として幸せだなと。不条理なことはたくさんあるが、少しでも前を向いて歩いていけるように頑張っていこうと思います」
坂本花織
「(オリンピックメダリストとして出るエキシビションについて)4年前(平昌2018)は出れず見ているだけだったので、今回は出れて嬉しいし、今まで以上に楽しく滑れた。とにかく最後まで自分らしく滑りたいと思ったので、今ある力をすべて出し切った。
(北京2022を振り返り)この4年間出来栄えで勝負してきたことを証明できた。次の4年後(ミラノ・コルティナ2026)に向けてパワーアップしたいという気持ちも出てきたので、収穫が多かった試合になった。オリンピックは特別だし、誰もが経験できることじゃないので、(代表の)3枠に常に入っていたいと思う」
樋口新葉
「(エキシビションでは)ちょっと失敗してしまったが、メインのリンクで滑れる楽しさを感じられた。(北京2022は)オリンピックに挑戦する最後の大会になると思っていたが、もう1回出たいと思えた。(今後は)今より成績も良くなり、いろいろな人の心に残るようなスケーターになりたい」