(2022 Getty Images)
ネイサン・チェンが "ロケット" のような勢いで金メダルを獲得し、スイ・ウェンジン/**ハン・ツォンのペアが、開催国全員の心を掴んだフィギュアスケートは、北京2022**冬季オリンピックで記憶に残るものとなった。
男子シングルのアメリカ合衆国(アメリカ)代表のチェンは、ペア選手のスイ/ハン、アイスダンスデュオの**ガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロンのように、平昌2018**での悔しさと失望から4年後のリベンジに燃え、見事にその目標を北京の首都体育館で果たした。
女子シングルでは、驚異的な5回の4回転ジャンプをフリースケーティング(FS)で披露し、銀メダルを獲得した**アレクサンドラ・トルソワを抑えて優勝したのは、チームメイトのアンナ・シェルバコワ**で、こちらはFSで2度の4回転を成功させた。優勝後も、自分がオリンピックチャンピオンになったことを信じられずにいた。
ROCは、冬季オリンピックで3度目の実施となるフィギュアスケート団体戦で、2位のアメリカと3位の日本を抑えて1位になる。ただし、団体戦と女子シングルの成績は、暫定の扱いとなっている。
いま一度、中華人民共和国(中国)の首都で2週間以上にわたって行なわれた、オリンピックタメダルを懸けたスケーターたちの戦いを振り返ろう。
平昌2018の苦い記憶から4年、チェンは男子スケート界のトップに立つ準備ができていた。3度の世界チャンピオンに輝いたことのあるチェンは、エルトン・ジョンの "ロケットマン" に合わせて滑ったFSで、ローザンヌ2020冬季ユースオリンピックのチャンピオンである鍵山優真(銀)と、宇野昌磨(銅)とのスコア差をさらに引き離し、ショートプログラム(SP)からの完全優勝を果たす。
日本勢は2位、3位、4位となり、3連覇のかかっていた**羽生結弦がFSで前人未到の4回転アクセルに挑戦。羽生の信念を引き継ぐ宇野は2大会連続でメダルを獲得し、チェンはバンクーバー2010でのエヴァン・ライサチェク**以来、アメリカでは7人目の男子金メダリストになった。
ドーピング問題の渦中にいたカミラ・ワリエワは、SPで首位に立つも、FSでは2度転倒。一方、チームメイトである17歳の世界チャンピオン、シェルバコワは、ほぼ完璧な演技をSPとFSで滑り、オリンピックの栄冠を手にした。
日本の**坂本花織**は、平昌2018で6位入賞したことのある豊富な経験を生かして、トリプルジャンプを次々と成功させ、オリンピック女子シングルでは日本史上4人目となるメダルを獲得した。
また、坂本と同級生の**樋口新葉**は、SPとFSの両方でトリプルアクセルを成功させ、5位入賞を果たし、また、オリンピックでトリプルアクセルを成功させた5人目の女子選手になった。
4年前、中国のペアチームのスイ/ハンは悔し涙を流したが、今大会は全く異なる結果になった。平昌2018では、アルヨナ・サフチェンコ/**ブルーノ・マッソ**にわずか0.43点差で敗れて銀メダルに終わっていた。
しかし、開催国の希望のふたりは、北京2022フィギュアスケート最後の種目で、FSでは珍しい4回転を成功させ、1点未満の差でトップに立ち、前回とは全く異なる結末を迎えた。エフゲーニヤ・タラソワ/ウラジミール・モロゾフが銀、同じチーム所属のアナスタシヤ・ミーシナ/**アレクサンドル・ガリアモフ**が銅を獲得した。
スケートでパパダキス/シゼロン以上に観客を魅了する選手がいるだろうか? 4度の世界チャンピオンに輝いたフランスのペアは、パンデミックが始まって以降、ほぼ大会に出場していなかったが、オリンピックでのスケーティングは別格だった。そして、現世界チャンピオンの**ヴィクトリヤ・シニツィナ/ニキータ・カツァラポフ、そしてトレーニング仲間のマディソン・ハベル/ザカリー・ダナヒュー**(アメリカ合衆国)を上回り、金メダルを獲得した。
スイ/ハンのように、パパダキス/シゼロンは、4年前の平昌2018表彰台から1つ順位を上げた。これは、とても大きな一歩だ。
スイ/ハンのペアの金メダル獲得は記念すべきものだった。中国にとって過去20年間のオリンピックのペア種目で獲得した6個目のメダルであり、中国にとっては2個目の金メダルである。2人とも小柄な体格のため、多くの人から夢を追うことを断念するように言われたと、ハンが明かした。しかし、バンクーバー2010で優勝したコーチの**ツァオ・ホンボー**に支えられ、ここまで辿り着いた。
「幼い頃、体格のせいで誰もペアスケートができると信じてもらえなかった私たちが、今ではオリンピックチャンピオンになりました」と、ハンは優勝後に記者団に語った。「これは素晴らしい道のりです。僕たちは、『どんなことがあってもできるんだ』ということを人々に示したかったのです。勇気をもって一歩踏み出せばいいのです」
スイとハンが世間と戦っている間、パパダキス/シゼロンは現実を理解しようとしていた。「自分の人生を描いた映画を見ているような気分です」と、パパダキスはアイスダンスの勝利後に語った。
やる気になればできる。2人はOlympics.comのOn Edgeという全12回のドキュメントシリーズに出演しており、北京2022までの道のりを追いかけている。2022年3月中旬には、13話目のエピソードが放送される予定だ。
オリンピックを目指すなかでのストレスは、何年も一緒に過ごしてきたチームメイトであっても感じるもの。シゼロンはフランスのテレビ番組で、「人生であんなにストレスを感じたことはないと思いますが、ある種、落ち着いてもいました」と語った。「私たちは、練習を通じて信頼できること、氷上で自分たちを信じることができることを知っています。この18年近いパートナーシップがある。この関係を頼りにできるとしても、やはりストレスは感じていました」
次の目標は? パパダキスには金色しか見えていない。シゼロンは「先のことはわかりません」と答えた。
金メダル - ROC
銀メダル - アメリカ合衆国
銅メダル - 日本
金メダル - ネイサン・チェン(アメリカ合衆国)
銀メダル - 鍵山優真(日本)
銅メダル - 宇野昌磨(日本)
金メダル - アンナ・シェルバコワ(ROC)
銀メダル - アレクサンドラ・トルソワ(ROC)
銅メダル - 坂本花織(日本)
金メダル - スイ・ウェンジン/ハン・ツォン(中華人民共和国)
銀メダル - エフゲーニヤ・タラソワ/ウラジミール・モロゾフ(ROC)
銅メダル - アナスタシヤ・ミーシナ/アレクサンドル・ガリアモフ(ROC)
金メダル - ガブリエラ・パパダキス/ギョーム・シゼロン(フランス)
銀メダル - ヴィクトリヤ・シニツィナ/ニキータ・カツァラポフ(ROC)
銅メダル:マディソン・ハベル/ザカリー・ダナヒュー(アメリカ合衆国)