来年に迫るパリ2024オリンピック・バドミントン競技の出場権獲得のための予選期間となるランキングポイント獲得期間が、2023年5月1日にいよいよ始まった。
予選期間は2023年5月1日〜2024年4月28日。この期間に行われた試合の結果がランキングに反映され、2024年4月30日に世界バドミントン連盟(BWF)が発表する「Road to Paris Ranking Lists」をもとに、パリ2024オリンピックの出場者が決定する。最初の大会として5月14日〜21日の日程でスディルマンカップ2023が予定され、舞台となる中華人民共和国で世界各地のトップ選手たちが戦いの幕を切って落とす。
パリ2024オリンピックのバドミントン競技では、男子・女子シングルス、男子・女子・混合ダブルスの合計5種目が実施され、シングルスには男女それぞれ35選手、ダブルスには男女それぞれ16組、混合ダブルスも16組が出場する。
出場枠はランキングリストをもとに、選手名で割り当てられるが、各国が得られる出場枠には上限があり、男女それぞれ最大8枠。種目別の上限は、シングルスでは、ランキングリストの1位から16位までに2選手以上がランクインする国は最大2枠(2選手)、それ以外は最大1枠(1選手)となる。ダブルスでは、1位から8位までに2組以上入っている国が最大2組(4選手)、それ以外は最大1組となる。
ランキングポイントの対象となる大会
パリ2024オリンピック出場をかけたランキンポイント獲得の対象となる大会は以下の通り。
■ トマス・ユーバー杯…国別対抗の世界選手権。男子がトマス杯、女子がユーバー杯で、2年毎に開催される。次回は2024年
■ スディルマンカップ…男女混合の国別対抗戦。2年毎に開催される。次回は2023年
■ 世界選手権…オリンピック開催年を除いて毎年行われる世界選手権
■ グレード2:BWFツアー(レベル1~6)…世界バドミントン連盟(BWF)が主催するツアーのレベル1〜6
- レベル1:BWFワールドツアー・ファイナル
- レベル2:BWFワールドツアー・スーパー1000
- レベル3:BWFワールドツアー・スーパー750
- レベル4:BWFワールドツアー・スーパー500
- レベル5:BWFワールドツアー・スーパー300
- レベル6:BWFツアー・スーパー100
■ グレード3:BWF大陸ツアー…インターナショナルチャレンジ、インターナショナルシリーズ、フューチャーシリーズ
■ 大陸別選手権(個人戦、団体戦)
■ 大陸別・総合競技大会 …パンアメリカン競技大会、ヨーロッパ競技大会、アフリカ競技大会(予選期間中に公認された場合)
■ そのほか…ランキング対象として世界バドミントン連盟の公認・承認を受けた大会
2023年の主要国際大会の日程
ランキングポイントの対象となる大会のうち、2023年の主要な国際大会(スディルマン杯、世界選手権、グレード2の大会)の日程は以下の通り。そのほかのランキング対象大会の日程は世界バドミントン連盟のウェブサイトにて。
- 2023年5月14日〜21日:スディルマンカップ2023(中華人民共和国)
- 2023年5月23日〜28日:マレーシア・マスターズ(スーパー500)
- 2023年5月30日〜6月4日:タイ・オープン(スーパー500)
- 2023年6月6日〜11日:シンガポール・オープン(スーパー750)
- 2023年6月13日〜18日:インドネシア・オープン(スーパー1000)
- 2023年6月20日〜25日:台北オープン(スーパー300)
- 2023年7月4日〜9日:カナダ・オープン(スーパー500)
- 2023年7月11日〜16日:USオープン(スーパー300)
- 2023年7月18日〜23日:韓国オープン(スーパー500)
- 2023年7月25日〜30日:日本オープン(スーパー750)
- 2023年8月1日〜6日:オーストラリア・オープン(スーパー500)
- 2023年8月21日〜27日:世界選手権(デンマーク・コペンハーゲン)
- 2023年9月5日〜10日:中国オープン(スーパー1000)
- 2023年9月5日〜10日:インドネシア・スーパー100
- 2023年9月12日〜17日:香港オープン(スーパー500)
- 2023年9月12日〜17日:ベトナム・オープン(スーパー100)
- 2023年9月26日〜10月1日:高雄オープン・スーパー100
- 2023年10月10日〜15日:アークティック・オープン(スーパー500)
- 2023年10月17日〜22日:デンマーク・オープン(スーパー750)
- 2023年10月17日〜22日:アブダビ・マスターズ・スーパー100
- 2023年10月24日〜29日:フレンチ・オープン(スーパー750)
- 2023年10月24日〜29日:インドネシア・スーパー100
- 2023年10月31日〜11月5日:ハイロ・オープン(スーパー300)
- 2023年10月31日〜11月5日:マレーシア・スーパー100
- 2023年11月7日〜12日:韓国マスターズ(スーパー300)
- 2023年11月14日〜19日:熊本マスターズ日本(スーパー500)
- 2023年11月21日〜26日:中国マスターズ(スーパー750)
- 2023年11月28日〜12月3日:インド・シドモディ国際(スーパー300)
- 2023年12月5日〜10日:インド・スーパー100
- 2023年12月12日〜17日:インド・スーパー100
- 2023年12月13日〜17日:ワールドツアー・ファイナル
注目の日本人・バドミントン選手
女子シングルス
女子シングルスでは、世界選手権2連覇中の山口茜が安定した成績を残しており、世界ランキングでは2022年9月5日以降、首位の座をキープする。そのほか、奥原希望や大堀彩、川上紗恵奈、20歳の郡司莉子(ぐんじ・りこ)らが山口の背中を追う。
男子シングルス
男子シングルスでは、4月25日付けの世界ランキングで5位に浮上した2001年6月生まれの21歳・奈良岡功大が日本勢トップ。そして西本拳太(同12位)、常山幹太(同15位)が奈良岡に続く。2022年末の全日本選手権で2年ぶり5度目の優勝を果たした、桃田賢斗(同21位)の復活も楽しみにしたい。
また、3月のスイス・オープンでリー・ジジャ(マレーシア)やチョウ・ティエンチェン(周天成/Chinese Taipei)などの世界トップレベルの選手を倒してワールドツアー初優勝を飾ったB代表の24歳、渡邉航貴にも注目だ。
女子ダブルス
女子ダブルスでは、アジア選手権で優勝したばかりの「フクヒロ」ペアこと福島由紀&廣田彩花(さやか)組のほか、この数年で急成長を遂げた志田千陽&松山奈未組(シダマツ) 、「マツナガ」の愛称で知られる永原和可那&松本麻佑組といったペアが、2023年4月末時点での世界ランキングでトップ10に入っている。パリ・オリンピック出場権を獲得できるのは最大2組。激しい戦いが繰り広げられることになるだろう。
男子ダブルス
男子ダブルスで活躍が期待されるのは、昨年秋に世界ランキング1位を経験した保木卓朗&小林優吾ペア。日本勢が同種目の世界ランキング1位を獲得したのは初めてで、パリ2024オリンピックに向けて「ホキコバ」のさらなる飛躍が予想される。
混合ダブルス
混合ダブルスでは、東京2020オリンピックで銅メダルを獲得した渡辺勇大&東野有紗組がさらに高みを目指して邁進中。今年は1月のインド・オープン(スーパー750)で優勝を飾り、5月のスディルマンカップ2023にも出場を予定している。