競泳・瀬戸大也の新たな出発

世界水泳の400m個人メドレーで3度の優勝を誇る瀬戸大也が、東京2020での予選敗退を経て、再び世界水泳に戻ってくる。

文: Chiaki Nishimura
写真: 2021 Getty Images

「オリンピックは自分にとって夢にみる素晴らしい舞台には変わりありませんでした」

メダル候補として3種目に出場した東京2020オリンピックの舞台。競泳界のエース・瀬戸大也を「悪い流れ」が襲った。

瀬戸にとって最初の種目となったのは、開会式翌日の7月24日に行われた400m個人メドレーだ。世界選手権を制し、大本命ともいえたこの種目で、本人も衝撃の予選敗退。3日後には世界選手権で銀メダルを獲得していた200mバタフライの準決勝で姿を消し、3種目となった7月30日の200m個人メドレー決勝では、表彰台まで0.05秒及ばず4位。瀬戸の東京2020は不本意な結果で終わった。

瀬戸大也、プロスイマーとして

「夢を叶えることはできませんでした」

東京オリンピックが閉会した8月8日、その思いを自身のソーシャルメディアに綴った瀬戸は、「パリ五輪までの3年間で今回足りなかった所を補って次こそは夢を叶えたい」と決意を表明した。

長年競い合った同年齢の萩野公介さんが東京オリンピック後に引退したのとは対照的に、瀬戸は8月のうちにイタリアへと発ち、国際競泳リーグ(ISL)に参戦した。

10月には、日本競泳選手4人目となるプロスイマーに転向。それは瀬戸の覚悟の表れと言えるだろう。

プロになることで、これまで援助を受けていた日本水泳連盟からの遠征費や合宿費の補助が原則自費となる一方、商業活動の制限が緩和される。その分、すべてが自分の責任で行われ、海外のレースで賞金を得て活動資金に充てることにもなる。少しの甘えや管理不足がすべて自分にのしかかってくるのだ。

その覚悟の上でプロ転向を決めた瀬戸は、水泳界への貢献も誓う。

「今後は積極的に海外での大会に参加するなどして強化を行っていきます。競技面だけでなく、水泳界の発展・普及に貢献していけるように日本水泳連盟と今後も協力をさせてもらいながら活動していきたいと思います」(Twitterより)

瀬戸大也、過去の世界水泳での成績

2022年3月からは、リオ2016オリンピックの女子200m平泳ぎ金メダリストの金藤理絵さんを育てた加藤健志コーチに指導を仰いでいる。

3月に行われた国際大会日本代表選考会で、瀬戸は200m個人メドレーで1分57秒09で優勝。400mでは4分10秒75の本多灯(ともる)に敗れたものの、4分10秒82で2位となり、世界水泳への出場を決めた。

4月末の日本選手権では男子400m個人メドレーで優勝。同大会で瀬戸が記録した4分9秒07は、東京オリンピックで金メダリストのチェイス・カリシュ(アメリカ合衆国)がマークした4分9秒42を上回り、加藤コーチとの練習が順調に進んでいることを思わせる好タイムだ。

6月18日〜7月3日の日程で開催される世界水泳選手権(ハンガリー・ブダペスト)で、瀬戸は男子200m個人メドレーおよび400m個人メドレーに出場する。

現在28歳の瀬戸はこれまでの世界水泳で7つのメダルを獲得している。2019年に大韓民国で行われた前回大会の個人メドレーでは200mと400mで2冠を達成し、200mバタフライでは2位。400m個人メドレーだけで見てみると、2013年からの過去4大会で優勝3回、3位1回とすべてで表彰台に立っている。

失意の東京2020を経て、再び瀬戸が表彰台に立つことができるのか。男子400m個人メドレーは6月18日に予選および決勝が行われ、200m個人メドレーは6月21日に予選および準決勝が行われ、翌22日が決勝となる。

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