東京2020を盛り上げたオリンピック新競技のひとつ、スポーツクライミング。その主要国際大会が、2019年の世界選手権(東京都八王子市)以来3年ぶりに日本で行われる。
東京2020のスポーツクライミング競技は、ボルダリング&リード&スピードの成績を合わせたコンバインド(複合)1種目で競われたが、パリ2024ではフォーマットが変更になり、コンバインド(ボルダリング&リードの複合)、スピードの2種目でそれぞれメダリストが確定する。
10月20日〜22日に盛岡市の県営運動公園で行われるIFSCクライミングワールドカップB&Lコンバインドいわて盛岡2022では、パリ2024と同じコンバインド(ボルダリング&リードの複合)が初めてW杯で実施される。パリオリンピックまで2年を切った今、各選手らの現在の立ち位置を知る上で注目の一戦となるだろう。
男子複合(ボルダリング&リード)
日本からは男子8選手がエントリー(緒方良行、川又玲瑛、楢󠄀﨑智亜、樋口純裕、藤井快、本間大晴、百合草碧皇、吉田智音)。
直近のアジア選手権のコンバインド(ボルダリング&リード)では、決勝に進出した8選手のうち日本人選手が5人。戦いを制したのは東京2020で4位だった楢󠄀﨑智亜で、2位に藤井快が続き、日本勢がワンツーフィニッシュを飾った。
今季W杯のボルダリングで好成績を残しているのは24歳の緒方良行で、2年連続の年間1位(リードでは年間9位)。一方、リードで日本人トップの年間2位となったのは23歳の本間大晴。それぞれアジア選手権のコンバインドでは6位、4位でともに表彰台を逃しており、W杯ではさらなる高みを目指す。
一方、国外の選手に目を向けてみると、東京2020で金メダルを獲得した、アルベルト・ヒネス・ロペスが日本に再び戻ってくる。スペイン出身で19歳のロペスは、8月に行われたヨーロッパ選手権のボルダリング&リードで銅メダルを獲得した。
またアジア選手権のコンバインドで3位となった20歳のリ・ドヒュン(大韓民国)、W杯リードで年間優勝を果たしたルカ・ポトカ(スロベニア)も注目の選手のひとりだ。
女子複合(ボルダリング&リード)
日本からは女子8選手がエントリー(青栁未愛、伊藤ふたば、大田理裟、倉菜々子、谷井菜月、中川瑠、野中生萌、森秋彩)。
なかでも、岩手県盛岡市出身の伊藤ふたばにとっては地元開催となるだけに、特に気合の入る戦いとなるだろう。20歳の伊藤は今季W杯のボルダリングで年間4位。リードでは年間18位だったものの、アジア選手権のコンバインドでは銅メダルに輝き、その勢いをW杯いわて盛岡大会につなげる。
東京2020で銀メダルを獲得した野中生萌は、今季W杯のボルダリングで年間2位。リードの大会には出場していない。一方、リードで好成績を残しているのが19歳の森秋彩。今季W杯では2戦に出場し、2連覇を達成した。
国外からは、アジア選手権のコンバインドで優勝したソ・チェヒョン(大韓民国)が出場する。ソは今季のボルダリングで年間10位、リード年間2位の成績を残している。そのさらに上をいくのがナタリア・グロスマン(アメリカ合衆国)で、W杯ボルダリングで年間1位、リードで年間3位となり、今大会でもその存在感を発揮することが予想される。
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