**北京2022冬季オリンピックのフィギュアスケート男子の金メダル争いには、羽生結弦とネイサン・チェン**の2大スター選手に注目が集まる一方で、他のスケーターたちも表彰台候補として注目されている。
男子シングルは、2月8日(火)の午前中に首都体育館で行われる個人4種目のうちの最初の種目だ。フリーは2月10日(木)に開催される。(スケジュールはこちら)
2月7日(月)の団体戦では、ROCがアメリカ合衆国を抑えて金メダルを獲得し、日本はこの種目で初めて銅メダルを手にした。
チェンがチームUSAの一員としてふたつ目のメダルを獲得した一方で、羽生は団体戦出場を見送り、2月6日(日)に北京に到着し、月曜日に初めて練習を行った。
代わりに、平昌2018銀メダリストの**宇野昌磨とユースオリンピックチャンピオンの鍵山優真**が日本代表として出場し、チームの銅メダルに貢献した。このふたりは、羽生とチェンの最も有力なライバルとなるだろう。彼らはそれぞれ4回転ジャンプを武器とし、さらに観客を引き込む芸術的な要素も併せ持っている。
しかし、現在27歳の羽生だけが前人未到の4回転アクセルに挑戦する。
彼は月曜日に何度もこのジャンプを試みたが、着地することができなかった。このジャンプはショートプログラムでは認められていないため、フリーでのみ挑戦する。羽生は12月の全日本選手権で着氷したが、両足で着地し、氷上で回転(空中で行う動作)を完成させたため、ダウングレードの判定となった。
すでにオリンピックでふたつの金メダルを獲得している羽生は、4回転アクセルに焦点を当て、今大会での挑戦を優先している。
「夢の金メダルへ」チェン、羽生、宇野、鍵山
4回転アクセルが羽生にとって一番重要な目標であることに変わりはないが、つい数週間前の全日本選手権で6度目の全日本タイトルを獲得した彼のスケーティングは、約100年ぶりにオリンピック3連覇を果たすシングルスケーターとなる可能性を感じさせるものだった。
足首の負傷により、羽生は今シーズン初めにグランプリへの出場を断念したが、それは、2度目の金メダルを獲得した平昌2018のオリンピック前に直面したケガと不気味なほど似ていて、同様にオリンピックに間に合うように調子を取り戻している。
羽生はこの2年間の大半を、練習拠点であるトロントから離れ、埼玉でひとりトレーニングに励んできた。長年コーチを務めてきたブライアン・オーサーは、羽生のコーチとして名を連ねているものの、北京のキス・アンド・クライで彼のそばにいることはない。
火曜日のショートプログラムで、羽生は宇野のすぐ前の、最後から2番目のグループで滑る予定だ。
スケートにはこんな言葉がある。「ショートプログラムで優勝はできないが、ショートプログラム抜きでは勝てない」。
今大会の見どころは?
クリーンプログラムだ。すなわち、男子の2分50秒のプログラムには3回転ジャンプ、コンビネーション、アクセルが含まれ、ミスなく最高の演技をすることが要求される。
コンドラチュク、ブラウン、メッシングにも注目
チェンと同じ最終グループには、鍵山と、同じアメリカ代表であり世界トップレベルの芸術的スケーターである**ジェイソン・ブラウン、そしてバンクーバー出発前に新型コロナウイルス検査で陽性反応を示し、団体戦を欠場したカナダのキーガン・メッシング**が出場する。メッシングは月曜に北京入りした。
羽生と宇野のグループには、大韓民国の四大陸選手権チャンピオン、チャ・ジュンファンや、ローザンヌ2020ユースオリンピックのメダリスト、アンドレイ・モザリョフ(ROC)も含まれている。
モザリョフのチームメイトで、まだ18歳の**マルク・コンドラチュクは、団体戦で活躍し、ROCの金メダルに貢献した。10代の彼はこの6週間で飛躍的な成長を遂げている。国内大会に続きヨーロッパ大会でも優勝し、元世界メダリストのミハイル・コリヤダ**が大会前になって欠場が決まったため、3人制チームの事実上の要となった。
また、コリヤダのトレーニングパートナーである**エフゲニー・セメネンコ**も注目選手のひとりだ。
紆余曲折を経て男子はサプライズの予感?
平昌以降、2018年、2019年、2021年と3回の世界選手権でそれぞれ優勝してきたチェンは、今シーズンはスケートアメリカで3位となり、2年以上ぶりの国際大会での敗退からスタートした。
そこでチームメイトの**ヴィンセント・ジョウ**が初のグランプリ金メダルに輝いた。しかし、ジョウは日曜の団体戦男子フリーの出場翌日に新型コロナウィルス陽性が判明し、8日の個人戦を棄権することを発表した。
羽生と同じく6度の国内チャンピオンであるチェンは、短縮されてしまった2019/2020シーズンから見直したふたつのプログラム “ラ・ボエーム(ショート)” と “ロケットマン(フリー)” で質の高いビッグジャンプで魅せようと考えている。彼はフリーで5本の4回転を予定している。
22歳のチェンは、個人のショートでつまづいてしまった4年前の平昌の演技とは変わり、北京2022団体戦ショートプログラムに自信に満ちた表情で臨んだ。チェンは2018年、総合5位に終わったものの、スケートアメリカでの銅メダルまで負けることはなかった。
彼と羽生が最も明るいスポットライトを浴びる一方で、宇野、18歳の鍵山は、日本の団体銅メダル獲得に貢献。
宇野は、新型コロナウィルス陽性反応の影響で出発が遅れていた元オリンピック銀メダリストでありコーチの**ステファン・ランビエール**と合流した。
男子シングルスケジュール:滑走順
ショートプログラムは現地時間2月8日(火)の9:15(日本時間10:15)より開始される。フリーは、2月10日(木)9:30(日本時間10:30)から行われる。全スケートスケジュールの確認はこちら。
2月8日(火)9:15 男子シングル・ショートプログラム
2月10日(木)9:30 男子シングル・フリー
ショートプログラムの滑走順はすでに決まっいる。滑走順はスケーターの現世界ランキングによって決まる。その後、ランダムにグループ分けが行われる。
第1グループ
1 ロマン・サドフスキー(カナダ)
2 ニコライ・マヨロフ(スウェーデン)
3 ルーカス・ブリチュギ(スイス)
4 アレクサンドル・セレフコ(エストニア)
5 ジン・ボーヤン(中華人民共和国)
6 ブラディミル・リトビントセフ(アゼルバイジャン)
第2グループ
7 イ・シヒョン(大韓民国)
8 ドノバン・カリージョ(メキシコ)
9 イワン・シムラトコ(ウクライナ)
10 アレクセイ・ビチェンコ(イスラエル)
11 ミハル・ブレジナ(チェコ)
12 ヴィンセント・ジョウ(アメリカ合衆国)
第3グループ
13 コンスタンティン・ミリュコフ(ベラルーシ)
14 ブレンダン・ケリー(オーストラリア)
15 アダム・シャオイムファ(フランス)
16 マルク・コンドラチュク(ROC)
17 エフゲニー・セメネンコ(ROC)
18 ケビン・エイモズ(フランス)
第4グループ
19 デニス・バシリエフス(ラトビア)
20 アンドレイ・モザリョフ(ROC)
21 羽生結弦(日本)
22 宇野昌磨 (日本)
23 チャ・ジュンファン(大韓民国)
24 マッテオ・リッツォ(イタリア)
第5グループ
25 ダニエル・グラスル(イタリア)
26 キーガン・メッシング(カナダ)
27 鍵山優真(日本)
28 ネイサン・チェン (アメリカ合衆国)
29 モリシ・クビテラシビリ(ジョージア)
30 ジェイソン・ブラウン(アメリカ合衆国)