12月3日と4日の2日間、東京体育館(東京都渋谷区)にて国際柔道連盟(IJF)が主催する「東建コーポレーション presents グランドスラム東京2022(以下:グランドスラム東京)」が行われ、男女それぞれ28名、合計56名の日本代表が出場する。
大会2日目の4日には、男子(60kg、66kg、100kg、100kg超)と女子(48kg、52kg、78kg、78kg超)のそれぞれ4階級、合計8階級のトーナメントが実施予定だ。その中から、男子100kg級代表で、Tokyo2020金メダリストのウルフ アロンと、10月にウズベキスタン・タシケントで行われた世界柔道選手権大会で銀メダルに輝く丸山城志郎が記者会見に臨み、開幕まで2年を切ったパリ2024に向けて重要なターニングポイントとなる今大会への意気込みを語った。
ウルフ アロン
「(Tokyo2020以来初出場となった10月の)講道館杯の時に比べて、体重も低調に落ちてきているので、コンディションの部分では問題ないかなと思っている」
「試合に向けての準備の中で、気を抜かずにやっていけたらと思います」
「(久々の試合出場を経て)疲れが溜まっていた。普段以上に、無駄な力が多かったなっていう風に実感することができました。試合の中での緩急の使い分けをもう少し(見極めたい)。1回試合をしたことによって、試合勘が戻ってきていると思うので、 変に力みすぎたりとか、変に力を抜きすぎたりすることがないように、試合を見ながら、うまく臨機応変にやっていければいいかなと思う」
「今大会優勝するか、しないかで、来年の世界選手権の代表に選ばれるかどうか大きく変わってくると思う。今回の大会で、しっかりと僕自身のパフォーマンスを発揮して、結果を残す。そして、来年の世界選手権に出ることで、(パリ2024)オリンピックに繋がってくると思う」
丸山城志郎
「もちろん、(パリ2024)オリンピックに出て優勝するっていうのが1番の目標ですけれども、まずは一戦一戦、目の前の試合を集中してやっていかないといけない立場なので、このグランドスラムをしっかり勝ち切りたいと思っています」
「(10月の世界選手権でライバル・阿部一二三選手に決勝で敗れ、銀メダルに終わったことで)気持ちの切り替えっていうのは、すごく難しい。今日は良くても、昨日はダメで、明日はいいのかなとか、そういう気持ちの波がすごくあった」
「徐々に試合が近づくにつれて、やっぱやらないといけないなっていう気持ちが強くなった。 やらないといけないっていう立場だということを、自分自身に強く言い聞かせてやってきている状態」
「(世界選手権の課題について)わからないです。なんで負けたのかとか。すごく考えましたけど、本当に分かんなくて。ただ単に僕が弱かったからだと思います」
「弱かったから負けたっていうことをしっかり受け止めて。いくら考えても、考えるだけじゃ、前に進まない。やるしかない。今そういう気持ちでやっています」
「4年前、『丸山って誰だ?』みたいな存在だったと思う。そこから這い上がって、(Tokyo2020の)最後の代表決定戦では負けましたけど、そこまで上り詰めたっていうのは財産だと思っています」
「けれど、オリンピックに出ないと、選手としての価値というか、世の中に知られていない分、今回勝って、(パリ2024の)オリンピックへの道を切り拓いていきたい」
「(グランドスラム東京は)若手からベテランまで幅広く、いろんな選手が出場する大会。いろんな選手にチャンスがある大会だと思っています」
「選手によって意気込みが違いますし、目指す目標も違う。いろんな目標の選手が集まった日本で唯一の(柔道の)国際大会なので、皆さんにいろんな選手にフォーカスにしてほしい。より一層、柔道が世の中に知ってもらえたら」
■日程
12月3日(土)
- 予選ラウンド 9:30開始予定
- 決勝ブロック 15:30開始予定
実施階級
- 男子 73kg級、81kg級、90kg級
- 女子 57kg級、63kg級、70kg級
12月4日(日)
- 予選ラウンド 11:00開始予定
- 決勝ブロック 17:30開始予定
実施階級
- 男子 60kg級、66kg級、100kg級、100kg超級
- 女子 48kg級、52kg級、78kg級、78kg超級
■放送予定
12月3日(土)
- 地上波:テレビ東京系列6局ネット(16:00-18:00)
12月4日(日)
- 地上波:テレビ東京系列6局ネット(18:30-21:00)
■グランドスラムとは?
IJFワールド柔道ツアーを構成する「グランドスラム」は、世界選手権、ワールドマスターズに次ぐ、ランクの高い国際大会として位置付けられており、2022年は東京大会を含む合計9のグランドスラムが、以下の通り予定されている。日本でのグランドスラムは、2019年に大阪で開催された以来、3年ぶりの大会となる。
- 2月7−8日 フランス・パリ(終了)
- 2月17−18日 イスラエル・テルアビブ(終了)
- 4月1−3日 トルコ・アンタルヤ(終了)
- 6月3−5日 ジョージア・トビリシ(終了)
- 6月24−26日 モンゴル・ウランバートル(終了)
- 7月8−10日 ハンガリー・ブダペスト(終了)
- 10月21−23日 UAE・アブダビ(終了)
- 11月4−6日 アゼルバイジャン・バクー(終了)
- 12月3−4日 日本・東京
さらに、開幕まで2年を切ったパリ2024柔道の出場権は、グランドスラムを含む国際大会での成績によって決まるIJF世界ランキングに基づき、NOC(国内オリンピック委員会)出場枠が配分されることとなっている。また、同ランキングのポイント集計対象となる「オリンピック予選期間」の大会は、2022年6月24日から2024年6月23日までの2年間と決まっており、このグランドスラム東京も対象となっている。なお、現時点(2022年11月29日)で、IJFオリンピックランキングは準備中となっている。
■日本代表選手
※2022年11月29日時点