10月29日から30日までの2日間にわたって、「2022年度 講道館杯 全日本柔道体重別選手権大会(以下:講道館杯)」が千葉ポートアリーナ(千葉県千葉市)にて行われ、初日の29日は女子7階級の試合が行われた。
■田代未来、復帰戦V
女子63kg級には、リオ2016から2大会連続でオリンピック代表に選出され、Tokyo2020で初めて実施された混合団体で銀メダルを獲得した田代未来(コマツ)が出場した。
田代は、Tokyo2020の閉幕後、ひざの手術を受けており、今大会が久々の実戦の畳の上となった。田代は準決勝まで一本勝ちで白星をあげ、復帰戦とは思えない強さを発揮して勝ち進む。最後の決勝ではゴールデンスコア(延長戦)にもつれ込む展開となるも、ふたたび一本勝ちで勝利を収め、オリンピックメダリストとして、パリ2024に向けた復活を印象づけた。
女子63kg級の表彰台成績は、以下の通り。
- 田代未来(コマツ)
- 渡邉聖子(警視庁)
- 山口葵良梨(国士館大学)、立川桃(東海大学)
■玉置、芳田司を破る
女子57kg級の決勝には、今年8月のアジア選手権で優勝し、また今月(10月)中旬に閉幕したばかりの世界柔道タシケント2022(ウズベキスタン)の混合団体で金メダルを獲得した玉置桃(三井住友海上火災保険)と、Tokyo2020の同階級で銅メダルに輝く芳田司(コマツ)が勝ち上がった。
両者ともに一歩も引かない攻防戦が続き、ゴールデンスコアにもつれ込む試合展開となるも、最終的にオリンピックメダリストに3つ目の指導が入ったことで反則負けとなり、玉置が芳田を破って、2019年以来2度目の講道館杯優勝を決めた。
女子57kg級の表彰台成績は、以下の通り。
- 玉置桃(三井住友海上火災保険)
- 芳田司(コマツ)
- 大森朱莉(帝京大学)、髙野綺海(日本エースサポート)
このほかの各階級の優勝者は、以下の通り。
- 48kg級 立川莉奈(福岡県警察)
- 52kg級 大森生純(帝京大学)
- 70kg級 桑形萌花(三井住友海上火災保険)
- 78kg級 高山莉加(三井住友海上火災保険)
- 78kg超級 秋場麻優(ALSOK)
講道館杯は、2023年5月にカタール・ドーハで開催が予定されている世界柔道選手権大会の日本代表選手第1次選考会として位置付けられている。また、世界柔道を含む国際大会での成績によって決まるIJF(国際柔道連盟)世界ランキングによって、パリ2024のNOC出場枠が配分されることとなっている。