北京オリンピック観戦ガイド:クロスカントリースキー

2月5日から競技スタート!フリーとクラシカルの2つのスキー走法で、ディスタンス種目とスプリント種目、リレー種目で競い合う、クロスカントリースキー。最も肺活量が必要とされるこの競技の見どころや日程、注目選手を紹介しよう!

1 執筆者 Jo Gunston
Norway women cross-country skiing
(2018 Getty Images)

**北京2022冬季オリンピックでは、男女各148名、計296名のクロスカントリースキー**選手が出場し、張家口クラスターにある国家クロスカントリーセンターで競技が行われる。

ゴール地点での混戦が見どころのひとつでもあるクロスカントリースキーは、女子6種目、男子6種目の全12種目が2月5日から20日にかけて開催される。

選手たちは、レースでの激しい運動量により、フィニッシュラインを通過直後に地面に倒れ込み、荒くなった息を整える姿が良く見られる。

クロスカントリースキーの競技内容やスケジュール、注目選手など、観戦を楽しむための情報をチェックしよう。

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北京2022、クロスカントリースキーの各種目

クロスカントリースキーには、大きく分けてディスタンスとスプリントの2種類があり、フリーとクラシカルの2つの走法でレースが行われる。

フリースタイルは走法に制限がなく、下り坂で滑降する際を除いては、ほとんどの選手がスケートのように左右にスキー板を走らせ、滑走する。クラシカル走法は、スキーを平行にして左右交互にスキーを滑らせて進む。そして、リレーでは両方のスタイルが使われる。

また、スタート方法も、マラソンのようなマススタート(一斉スタート)と、自転車のタイムトライアルのようにひとりひとりが個別にスタートする、インターバルスタートがある。

女子

  • 10kmクラシカル
  • 7.5km+7.5kmスキーアスロン
  • スプリントフリー
  • 団体スプリントクラシカル
  • 4x5kmリレー
  • 30kmマススタートフリー

男子

  • 15kmクラシカル
  • 15km+15km スキーアスロン
  • スプリントフリー
  • 団体スプリントクラシカル
  • 4×10kmリレー
  • 50kmマススタートフリー

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北京2022、注目のクロスカントリースキー選手

クロスカントリースキーはノルウェーが発祥の地で、実際、 “スキー”という言葉はノルウェー語で、古ノルド語の“スキッド”(木を割ったもの)に由来している。クロスカントリースキーの本場であるノルウェーが、今でも強豪選手を輩出し続けていることは、不思議ではない。

冬季オリンピックで121個のメダル(47個の金メダル)を獲得しているノルウェーは、隣国のスウェーデン(80個)を大きく引き離して首位に立っている。

しかし、史上最も成功を収めた冬季オリンピック選手が引退したことで、特に女子種目では変化が起きるかもしれない。オリンピック通算15個のメダル(うち金メダル8個)を獲得した**マリット・ビョルゲン**は、平昌2018で5つのメダルを獲得し、有終の美を飾った。

そして、12月のツール・ド・スキーでは、女子10kmクラシカルでロシア、ノルウェー、フィンランド、スウェーデン、ドイツ、オーストリアの6カ国が上位に入賞している。

平昌2018の団体スプリントフリーで、**キカン・ランドールジェシカ・ディギンズ**は、クロスカントリースキーでオリンピック金メダルを獲得した初の米国人女性となり、ヨーロッパ勢が上位を独占するクロスカントリースキー界を驚かせた。レース終了後、ディギンズがランドールに向かって、「私たち、オリンピックに勝ったの?」と聞いたほど、彼女たち自身もその快挙に驚いていた。

ディギンズは、2020/2021シーズンに獲得したツール・ド・スキー総合タイトルの防衛を逃してしまった(6種目中4種目目でフリーダ・カールソンと衝突したため。これによりカールソンは反則で失格)以外は、今シーズンも好調を維持している。また、この時に接触のあったカールソンは、今シーズンのワールドカップ初戦の10kmクラシカルレースで優勝を飾り、見逃せない存在だ。

ディギンズは、2021/2022シーズンのツール・ド・スキーで総合首位に立った**ナタリア・ネプリアエワ(ROC)と同様に、北京2022のメダル有力選手となる。2位のエバ・アンデルソン(スウェーデン)と3位のノルウェーのスーパースター、ハイジ・ウェン、そして4位と5位に入ったフィンランドのクリスタ・パルマコスキケルットゥ・ニスカネン**にも注目したい。

ジョナ・スンドリング(スウェーデン)は、世界選手権でスプリントとチームのタイトルを獲得しており、トップ争いに絡む存在になる可能性がある。

2021年世界選手権では男子1種目、平昌2018では男子2種目を除く全種目を制したノルウェー男子チームは、大スターの**ヨハネス・ヘスフロット・クレーボ**を擁する強豪チームだ。

祖父の指導を受ける25歳のクレーボは、平昌2018で3個の金メダルを獲得し、2021年世界選手権でも同様に金3個を獲得した。北京2022でもタイトル防衛に臨む。

スプリントのスペシャリストであるクレーボは、12月のツール・ド・スキーで、後続に2分以上の大差をつけて総合優勝を飾っている。同胞の**エミール・イヴェルセン**は、2月の世界選手権の50kmマススタートで優勝しており、エンデュランス種目では絶好調だ。また、ノルウェーはスプリントクラシカルと15kmフリーの個人2種目で優勝しており、才能に溢れた選手層が厚い。

クレーボのライバル、アレクサンドル・ブルシュノフ(ROC)もツール・ド・スキーで健闘し、総合ランキングでクレーボに次ぐ2位となった。イーボ・ニスカネン(フィンランド)は3位に入賞し、北京2022に向けて力をつけてきた。しかし、12月のツール・ド・スキーで妹のケルットゥと同じ日に金メダルを獲得するという偉業をオリンピックで繰り返すことは、おそらく夢でしかないだろう。

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北京2022、クロスカントリースキーの競技日程

**会場:**張家口ゾーン・国家バイアスロンセンター
日程:2月5日(土)~20日(日)

以下すべて現地時間です。日程は変更になる場合もあります。
※日本と北京の時差は1時間。日本の方が1時間進んでいます。

2月5日(土)

15:45 女子7.5km + 7.5km スキーアスロン - メダリスト決定

2月6日(日)

15:00 男子15km + 15km スキーアスロン - メダリスト決定

2月8日(火)

16:00 女子スプリント・フリー 予選
16:50 男子スプリント・フリー 予選
18:30 女子スプリント・フリー 準々決勝
18:55 男子スプリント・フリー 準々決勝
19:25 女子スプリント・フリー 準決勝
19:35 男子スプリント・フリー 準決勝
19:47 女子スプリント・フリー 決勝 - メダリスト決定
20:00 男子スプリント・フリー 決勝 - メダリスト決定

2月10日(木)

15:00 女子10kmクラシカル - メダリスト決定

2月11日(金)

15:00 男子15km クラシカル - メダリスト決定

2月12日(土)

15:30 女子4 x 5km リレー - メダリスト決定

2月13日(日)

15:00 男子4 x 10kmリレー - メダリスト決定

2月16日(水)

17:00 女子団体スプリント・クラシカル 準決勝
17:40 男子団体スプリント・クラシカル 準決勝
19:00 女子団体スプリント・クラシカル 決勝 - メダリスト決定
19:30 男子団体スプリント・クラシカル 決勝 - メダリスト決定

2月19日(土)

14:00 男子50kmマススタート・フリー - メダリスト決定

2月20日(日)

14:30 女子30kmマススタート・フリー - メダリスト決定

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北京2022、クロスカントリースキー観戦の楽しみ方

オリンピックの競技期間中、選手が肉体的にも精神的にもピークに合わせることは、当然のことだ。しかし、開会式の翌日から2月20日の大会最終日まで続くクロスカントリースキーでは、選手たちはスプリント、ディスタンス、リレー種目を競い合い、とても長くタフな戦いに挑まなければならない。

選手が最高のコンディションにあるとして、次に気をつけなければならないのは、道具の準備(コントロール可能)と、天候(コントロール不可能)のふたつだ。

サービスマンは、どんな天候やコースコンディションにも対応できるようにスキーを完璧に準備するために欠かせない存在だ。スキーにワックスをかけすぎると、コースの上り坂で動力を伝える滑りができず、下り坂では滑りすぎて転倒の原因になり得る。スキーのグリップが良すぎると、平坦なコースでスピードが出ない。

また、スキーアスロンでは、途中でF1のピットストップのタイヤ交換のように、選手はクラシックスキーからフリースタイルスキーにいち早く履き替えを行う。

雪が降ればコースコンディションが変わり、気温が高すぎたり、低すぎたり、レース中にコンディションが変わりやすかったり、どんなに腕のいい選手でも外的要因がパフォーマンスに影響を与える可能性がある。

また、全選手が一斉にスタートするマススタートなどでは、ヒューマンエラーによってレースが大混乱に陥ることもある。ひとりの転倒がドミノ効果を起こし、メダル候補選手や、オリンピックに出場するチャンスがたった一度しかない注目度の低い選手が、運命に翻弄されることになりかねない。

これらの要素を最もうまく組み合わせた選手が、当日メダルを獲得できる可能性があるのだ。しかし、選手たちは北京2022で連日同じハイパフォーマンスを発揮し続けることができるだろうか?レースをフォローしてチェックしてみよう。

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