冬季オリンピック第1回大会では男子2種目のみが実施された**クロスカントリースキーだが、北京2022**では男女合計12種目が行われる。
前回の平昌2018では2人のみの出場だった日本勢。北京2022では男女最大枠各4名の8選手を日本代表として派遣することができた。次世代が成長してきた日本チームの北京初戦は、2月5日16:45~(現地時間15:45)の女子7.5km+7.5km スキーアスロンとなる。
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石田正子、ひとつひとつの歩みの先に
2001年3月のワールドカップデビューから、これまでに228戦出場。世界選手権では個人とリレーで10回のTOP10入り、バンクーバー2010では30kmフリーで日本人最高位となる5位に入賞するなど、日本クロスカントリースキーの歴史に名を刻んできた**石田正子は、今なお日本女子のトップ選手としてオリンピックシーズンを迎えている。同い年のスーパースター、マリット・ビョルゲン**(ノルウェー)が引退する中、41歳で5大会連続となるオリンピック出場に挑む。
「1年1年やっていたら、ここまで来た」と平昌からの4年を振り返る石田は、地元美幌町の中高生の指導や、遠征先での選手へのメニュー作りなど、次世代の育成にも尽力しながら日本女子を引っ張って来た。「長い距離は昔より今の方が速い。筋トレや体幹はすごくやっていて、前より強くなっている」=産経新聞。と自身の成長を感じながら、北京2022へ意欲を見せる。
今季ワールドカップ初戦は、10kmクラシカルを29位、フリーを23位でスタートし、日本女子チームの柱として第1ピリオドの4戦を日本人最高位でフィニッシュした。1月上旬まで欧州でワールドカップを転戦しながら北京2022に照準を合わせてきたベテランエースは、5度目の夢の舞台で自己記録更新に挑戦する。
背中を追う後輩たち
長年にわたり第一線で戦ってきた石田のポストを狙うのは、同じ大学の後輩であり、ともにオリンピックシーズンをヨーロッパ遠征で戦ってきた**土屋正恵と、児玉美希**だ。
土屋は、2021年1月の全日本選手権10kmフリーで同級生の児玉との接戦を0.5秒差で勝ち抜き、初優勝。2015年のジュニア世界選手権以来5年ぶりとなる世界選手権にシニアで初出場を果たした。北京プレシーズンから国際レースへの出場を決め、いま勢いに乗っている選手だ。短距離を得意とする児玉は、女子リレーのチームメンバーとして貢献してくれる存在になるだろう。
直前のオンライン会見では、「世界のトップの選手が集まるレベルの高いレースなので、自分の力を最大限出せるように特別なことはせずできることを淡々とやりたい」と語った児玉。
2021年3月にオーベルストドルフで開催された世界選手権女子リレー(土屋、石田、児玉、横濵)では10位だったが、北京4x5kmリレーでは目標の8位入賞を目指す。
日本男子の挑戦
クロスカントリー日本男子のオリンピック最高成績は、2002年のソルトレークシティ大会、50kmクラシカルの**今井博幸**の6位入賞だ。それ以来16年ぶりに、平昌大会で13位(15㎞フリー)という結果を残したのが吉田圭伸だった。
26年におよぶ競技生活で、長年日本男子を引っ張てきた吉田は、2021年3月の世界選手権での引退について、自身のブログに「来年の北京オリンピックでは、一緒に世界選手権に出場した宮沢が、宇田が、馬場がきっと最高の滑りを見せてくれます」と綴り、次の世代にバトンを渡した。
期待のホープ、馬場直人
2017年12月からワールドカップに参戦し、2019年のU23世界選手権30kmクラシカルで5位、冬季ユニバーシアード30㎞フリーで金メダルを獲得し、国際大会での経験値を積み重ねてきた**馬場直人**は、吉田が引退レースとしていた世界選手権で日本勢最上位の19位と健闘し、日本男子の北京への挑戦のバトンを受け取った。
今年6月のトレイルランレースで転倒し足首を骨折、捻挫を負うも、11月末のワールドカップ開幕戦前からフィンランドでトレーニングし、FIS公認大会やワールドカップで北京2022へ向けてしっかりと調整をしてきた。
「子どもたちに "スキーが楽しい" と思ってもらえるような姿を見せたい」と語る馬場が、どんな走りを世界にみせてくれるか期待したい。
30歳で、2大会ぶり2回目のオリンピック出場権を獲得した**宮沢大志は、前回と比べて「今は自分を冷静に見極められている」と話す。日本男子勢の馬場、山下陽暉、廣瀬崚**はオリンピック初出場となる中、男子チームを引っ張ってくれる存在になるだろう。