日本女子団体はパリ2024出場枠獲得を目指す、世界体操選手権2023の見どころ

パリ 2024

男子は橋本大輝の個人総合2連覇なるか? 女子はパリ2024オリンピック出場枠を掴むことができるか? 見どころ満載の2023年の世界体操選手権が、いよいよベルギー・アントワープで幕を開ける。

1 執筆者 Chiaki Nishimura
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(Getty Images)

2022年秋に英リヴァプールで行われた体操競技世界選手権では、男子団体で中華人民共和国代表チームに世界一の座を譲るも個人総合では橋本大輝が世界の頂点に立った日本男子。一方、世代交代を経て全員が世界選手権初出場という新たなメンバーで挑んだ日本女子は、最後の最後まで表彰台争いを繰り広げる強さとチームワークを示し、補欠からの繰り上がり出場となった渡部葉月が平均台で金メダルを獲得した。

今年はどんなドラマが待っているのか。

パリ2024オリンピック出場枠をかけて開催される2023年の世界体操選手権は、ベルギー・アントワープを舞台に、9月30日~10月8日の日程で「完璧」を追求する美しき戦いが繰り広げられる。2023年大会の見どころを探った。

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世界体操選手権2023、注目ポイント

橋本大輝の2連覇なるか?

男子団体では今年も日本代表チームと中華人民共和国代表チームの覇権争いとなる可能性があるが、中華人民共和国代表チームは現在同国で開催中のアジア競技大会とこの世界選手権でメンバーを2分した。昨年大会の男子個人総合で日本体操界を牽引する橋本と優勝争いを繰り広げたチャン・ボヘン(張博恒)は、アジア競技大会のメンバーに選出されたため、世界選手権には参加しない。

となれば、団体総合そして橋本の個人総合の優勝に期待がかかる。そのほか有力候補として挙げられるのは、2022年アジア選手権では中華人民共和国代表チームの団体優勝に貢献し、個人総合を制覇した中華人民共和国代表のシー・コング。2023年夏に開催されたワールドユニバーシティゲームズで、チャンに続いて2位となった実力を持つ。橋本が負傷により棄権した同大会では、東京2020オリンピックのあん馬で銅メダルを手にした萱和磨が3位に入った。

今大会の日本代表チームの顔ぶれを見てみよう。昨年の世界選手権の個人総合で3位となった谷川航は代表の座を逃し、激戦を制して代表入りしたのは、橋本、萱のほか、世界選手権初出場の千葉健太、南一輝(かずき)。当初は三輪哲平が名を連ねていたが、事前合宿中に負傷し、代わりに杉本海誉斗(かいと)が出場することが9月28日に日本体操協会から発表され、杉本は団体での金メダル獲得に貢献することを誓う一方、「種目別の平行棒の金メダルも狙っていきたい」とコメントした。

日本女子、パリ2024出場枠獲得は?

体操女子では、日本代表チームがパリ2024出場枠を確保できるかに注目が集まる。今回の大会では、男女団体総合の上位9チームがパリ2024出場枠を獲得する(※)。

日本男子団体は、昨年の世界選手権で準優勝となり、パリ2024出場枠をすでに確保。日本女子団体は昨年大会で出場枠を逃しており、今大会での獲得を目指す。

※オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会(NOC)が責任を持っており、パリ2024への選手の参加は、選手が属するNOCがパリ2024代表選手団を選出することにより確定する。

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前回大会の女子団体総合では、アメリカ合衆国、カナダ、英国がトップ3となり、パリ2024出場枠を確保。この3チームを除く上位9チームが来年夏のオリンピック出場枠を獲得することになる。

日本女子団体は昨年大会で最後の最後まで表彰台争いに参戦し、最終的に3.599点差で表彰台を逃す結果となった。

同大会でキャプテンを務めた深沢こころのほか、若きリーダーとしてチームを盛り上げ、個人総合で8位に入った宮田笙子(しょうこ)が今年も代表入り。さらに、今年の全日本個人総合で3位、NHK杯で2位の岸里奈、全日本種目別でゆか2位の畠田千愛(ちあき)、2021年世界選手権の平均台で優勝した芦川うららが名を連ねている。

海外の選手では、アメリカ合衆国を代表する体操界のスター、シモーン・バイルズが世界選手権の舞台に戻ってくることで、そのパフォーマンスに注目が集まる。これまでの世界選手権で25個のメダルを首にかけたバイルズは、東京オリンピックで精神面の不調により途中棄権を発表して以来、初の国際舞台となる。

バイルズは世界選手権の個人総合でこれまでに5つの金メダルを獲得しており、今回の大会で再び手にすることになれば、内村航平さんの持つ金メダル6個の記録に並ぶことになる。

世界体操選手権2023の日程

ベルギー・アントワープで開催される体操の世界選手権は、まず予選が9月30日〜10月2日に実施され、10月3日には男子団体総合決勝で最初のメダルが授与される。大会は8日の種目別決勝2日目で幕を閉じる。

9月30日(土)

男子予選

10月1日(日)

男子予選、女子予選

10月2日(月)

女子予選

10月3日(火)

19:30〜22:45 男子団体総合決勝…予選トップ8チームが出場

10月4日(水)

19:30〜22:05 女子団体総合決勝…予選トップ8チームが出場

10月5日(木)

19:30〜22:40 男子個人総合決勝…予選トップ24選手(各国最大2人)が出場

10月6日(金)

19:30〜22:00 女子個人総合決勝…予選トップ24選手(各国最大2人)が出場

10月7日(土)

14:00〜18:00 種目別決勝1日目…男子ゆか、男子あん馬、男子つり輪、女子跳馬、女子段違い平行棒/予選トップ8選手(各国最大2人)が出場

10月8日(日)

14:00〜18:00 種目別決勝2日目…男子跳馬、男子平行棒、男子鉄棒、女子平均台、女子ゆか/予選トップ8選手(各国最大2人)が出場

世界体操選手権2023の日本代表選手

女子

  • 宮田笙子
  • 岸里奈
  • 深沢こころ
  • 畠田千愛
  • 芦川うらら

男子

  • 橋本大輝
  • 萱和磨
  • 千葉健太
  • 南一輝
  • 杉本海誉斗
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