イタリアのバル・ディ・フィエンメで行われるミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックのスキージャンプ競技では、世界トップレベルの選手100人が6種目でオリンピックメダルを目指して戦いに挑む。今大会では、スキージャンプ史上初めて男女同じ人数のアスリートが出場することになる。
スキージャンプは、1924年にフランスのシャモニーで開催された第1回冬季オリンピック以来、オリンピックプログラムの一部となってきた。当時は男子ノーマルヒル個人種目のみが実施され、1964年のインスブルック大会で男子ラージヒル個人が、1988年のカルガリー大会では男子団体がプログラムに追加された。
待望の女子ノーマルヒル種目が採用されたのは2014年のソチ大会。その8年後の2022年北京大会では混合団体が加わり、スキージャンプの新たな面白さでファンを魅了した。
2026年のミラノ・コルティナ大会では、女子ラージヒル個人が新たに追加され、4人制で行われていた男子団体に代わって、2人1組の男子スーパーチームが新たに実施される。
スキージャンプ界のレジェンドとして知られているのは、シモン・アマン(スイス)とマッチ・ニッカネン(フィンランド)。それぞれ4つのオリンピック金メダルを獲得した。また、「エディ・ジ・イーグル」の愛称で親しまれているマイケル・エドワーズ(英国)もオリンピック・スキージャンプの歴史を彩った人物の1人。1988年のカルガリー大会に出場し、成績は振るわなかったものの一躍有名になり、タロン・エガートン主演の伝記映画「イーグル・ジャンプ」も作成された。女子ではカリーナ・フォークト(ドイツ)が初代金メダリストとなり、後に続く多くの女性アスリートへの道を切り拓いた。
近年のオリンピック・スキージャンプでは、小林陵侑(日本)、マリウス・リンビク(ノルウェー)、カタリナ・シュミット(ドイツ)らが大会を盛り上げている。
ミラノオリンピックではどんな選手たちが新たな歴史に挑むのか。各種目の出場人数や主な日程など、オリンピック出場枠獲得についての情報をまとめた。
ミラノオリンピック・スキージャンプの出場枠を得るには?
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックにおけるスキージャンプの出場枠は、2026年1月19日に発表されるオリンピック出場枠配分リストと(インター)コンチネンタルカップ・オリンピックリストをもとに、選手たちが所属する国内オリンピック委員会(NOC)が獲得する。
まずオリンピック出場枠配分リストをもとに出場枠が決まり、ランクインしている選手がいなくなった場合、(インター)コンチネンタルカップ・オリンピックリストが使用される。
オリンピック出場枠配分リストは、2024年7月1日から2026年1月18日までのFIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップおよびサマーグランプリのランキングを用いて算出される。男子のコンチネンタルカップ・オリンピックリストと女子のインターコンチネンタルカップ・オリンピックリストは、2024年7月1日から2026年1月18日までの(インター)インターコンチネンタルカップの順位に基づいて算出される。
開催国は男女各1枠の出場枠を獲得する。
ミラノ・コルティナ2026出場枠の詳しい内容については、公式資料で確認できる。
ミラノオリンピック・スキージャンプ予選期間の主な日程は?
- 2024年7月1日~2026年1月18日:予選期間
- 2026年1月19日:オリンピック出場枠配分リストおよび(インター)コンチネンタルカップ・オリンピックリストの発表
- 2026年1月26日:ミラノ・コルティナ2026 競技エントリー締切
ミラノ・コルティナ2026のスキージャンプに出場する選手の数は?
ミラノ・コルティナ2026では、合計100人がスキージャンプ競技に出場する。その内訳は女子50、男子50で、オリンピック・スキージャンプ競技において初めて男女同数の参加となる。
それぞれの国内オリンピック委員会が獲得できる出場枠は最大8枠(男子4、女子4)で、個人種目に最大8人(男子4、女子4)、団体種目に最大1チームをエントリーできる。
ミラノ・コルティナ2026スキージャンプの実施種目と日程
ミラノオリンピックのスキージャンプ競技では、以下の6種目が実施される。
- 男子ノーマルヒル個人
- 男子ラージヒル個人
- 男子スーパーチーム
- 女子ノーマルヒル個人
- 女子ラージヒル個人
- 混合団体
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックは、2026年2月6日〜22日に行われる。
前回大会の冬季オリンピックメダリスト(北京2022)
男子ノーマルヒル個人
- 🥇 金:小林陵侑(日本)
- 🥈 銀:マヌエル・フェットナー(オーストリア)
- 🥉 銅:ダビド・クバツキ(ポーランド)
男子ラージヒル個人
- 🥇 金:マリウス・リンビク(ノルウェー)
- 🥈 銀:小林陵侑(日本)
- 🥉 銅:カール・ガイガー(ドイツ)
女子ノーマルヒル個人
- 🥇 金:ウルシャ・ボガタイ(スロベニア)
- 🥈 銀:カタリナ・アルトハウス(ドイツ)
- 🥉 銅:ニカ・ボーダン(スロベニア)
男子団体
- 🥇 金:オーストリア
- 🥈 銀:スロベニア
- 🥉 銅:ドイツ
混合団体
- 🥇 金:スロベニア
- 🥈 銀:ROC
- 🥉 銅:カナダ
注:オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会(NOC)が責任を持っており、ミラノ・コルティナ2026への選手の参加は、選手が属するNOCがミラノ・コルティナ2026代表選手団を選出することにより確定する。