パリ2024 体操競技 観戦ガイド! 注目ポイント・競技形式・試合日程
男女それぞれ12チームに出場枠が与えられる、パリ2024オリンピックの体操競技。日本は、男子が2022年10月〜11月に英リバプールで行われた世界選手権で、中華人民共和国、英国と共に出場枠を獲得し、女子は、2023年10月1日〜8日にベルギー・アントワープで開催された世界選手権で団体予選を8位で通過し、パリ2024出場枠を確保した。
世界選手権3冠を達成し、一足先にオリンピック代表に内定していた橋本大輝に続き、2024年5月16日から19日に開催された最終選考会となるNHK杯で、男女各5名ずつの日本代表が出そろった、体操TEAM JAPAN。
ここでは、パリ2024で金メダルを含む複数のメダル獲得を狙う体操ニッポンの注目ポイント・競技形式・試合日程を紹介する。
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パリ2024体操競技の日本内定選手
体操界のレジェンド・内村航平が引退後、東京2020の個人総合と種目別で2冠を達成した橋本大輝を中心に、技を磨き続けている日本男子。パリ内定第1号の橋本に加え、晴れて男子代表4枠を掴んだのは、岡慎之助、萱和磨、杉野正尭、谷川航だ。
4月の全日本選手権と5月のNHK杯の合算得点、成績上位2名がパリへの出場内定を決める中、右膝前十字靭帯断裂の大けがから見事に復帰し、NHK杯初優勝を飾った岡慎之助と、東京2020団体総合の銀メダルメンバーで、全日本選手権3位、NHK杯2位の成績を残した萱和磨がその2枠を掴んだ。チーム貢献枠には、あん馬で難易度の高い演技構成を成功させ、鉄棒でもハイスコアを叩き出した杉野正尭と、得意の跳馬と平行棒でアピールした谷川航が、団体戦で高得点が期待できる選手だと評価され、選出された。また、前哨戦としてNHK杯に出場を予定していた全日本選手権1位の橋本は、平行棒の公式練習中に右手中指を負傷したため、大事をとって棄権している。
東京2020オリンピックの男子団体決勝で0.103点差でROCに敗れ、リオ2016からの2連覇を逃した日本男子は、パリ2024で金メダル奪還を狙う。
一方女子は、東京2020女子種目別ゆかの銅メダリスト村上茉愛、寺本明日香、畠田瞳らが引退し、エネルギーあふれる新メンバーが女子体操を盛り上げている。
最終選考会となったNHK杯と全日本選手権の合計得点上位から4人と、チーム貢献枠1人の、合計5人の女子選手が内定した。日本の女子エースに成長した19歳の宮田笙子は、負傷した左内転筋の痛みに不安を抱えながらNHK杯に出場するも、全日本選手権に続き優勝を果たし、3連覇達成。16歳の岸里奈は跳馬とゆかで宮田と同点首位のハイスコアを出し、2位。18歳の岡村真は、得意の平均台で唯一14点台を叩き出し3位につけ、2023年世界ジュニア選手権を制覇した16歳の中村遥香が4位で代表内定を決めた。また、NHK杯の跳馬で、宮田、岸に次ぐ活躍をみせた牛奥小羽が団体戦におけるチーム貢献度の高い選手としてオリンピックに内定した。
女子5選手は、いずれもオリンピック初出場で、フレッシュな顔ぶれでパリへ挑む。
パリ2024体操競技の競技形式
パリ2024では、男子は6種目(ゆか・あん馬・つり輪・跳馬・平行棒・鉄棒)、女子は4種目(跳馬・段違い平行棒・平均台・ゆか)から構成されており、これらの「種目別」に加え、個人総合と団体総合が行われる。また、東京2020からの変更点として、東京2020の団体戦は1チーム4人で構成されていたが、パリ2024では1チーム5人構成で競われる。
審判団は、競技者による演技を、技の難しさを得点化したDスコア(演技内容や難易度などの演技価値点)と、演技の完成度を得点化したEスコア(演技の美しさなどを演技実施点)の合計で採点する。
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パリ2024体操競技の観戦ポイント
多くの技を組み合わせて演技し、技の完成度や着地の姿勢で得点を競う体操競技。年々技の難易度が上がり、技術が絶えず進化しているスポーツであり、白井健三が2016年のリオデジャネイロ大会で跳馬の新技を披露し「シライ2」と命名したように、パリオリンピックでも新技が登場する可能性が十分にあり得る。体操界の歴史的瞬間や新記録の樹立などを目の当たりにできるところも、オリンピック観戦ポイントのひとつで、種目別に特化したスペシャリストが繰り出す高難易度の演技も必見だ。
東京2020では、橋本大輝が個人総合と種目別で2冠、男子団体で銀メダル、種目別あん馬で萱和磨が銅、種目別ゆかで村上茉愛が銅を獲得した。パリ2024では、2大会ぶりの男子団体金メダルの奪還、橋本の2連覇、女子団体のメダル獲得に加え、種目別あん馬の萱ほか、日本勢のメダルラッシュに期待したい。
20歳の岡、平均年齢17.6歳の女子代表5選手など、オリンピック初出場で新たに注目を浴びるであろう若手選手の活躍、スター選手の誕生にも注目だ。
パリ2024体操競技の競技日程
以下すべて現地時間(日本はパリより7時間進んでいる)日程は変更になる可能性もある
7月27日(土)
- 11:00〜13:30 男子予選・1班
- 15:30〜18:00 男子予選・2班
- 20:00〜22:30 男子予選・3班
7月28日(日)
- 9:30〜13:20 女子予選・1班
- 11:40~14:10 女子予選・2班
- 14:50〜16:30 女子予選・3班
- 18:00〜19:40 女子予選・4班
- 21:10〜22:50 女子予選・5班
7月29日(月)
- 17:30〜20:30 男子団体決勝
7月30日(火)
- 18:15〜20:30 女子団体決勝
7月31日(水)
- 17:30〜20:15 男子個人総合決勝
8月1日(木)
- 18:15〜20:25 女子個人総合決勝
8月3日(土)
- 15:30〜 男子種目別ゆか決勝
- 16:20〜 女子種目別跳馬決勝
- 17:10〜 男子種目別あん馬決勝
8月4日(日)
- 15:00〜男子種目別つり輪決勝
- 15:40〜 女子種目別段違い平行棒決勝
- 16:25〜 男子種目別跳馬決勝
8月5日(月)
-
11:45〜 男子種目別平行棒決勝
-
12:36〜 女子種目別平均台決勝
-
13:31〜 男子種目別鉄棒決勝
-
14:20〜 女子種目別ゆか決勝
パリ2024体操競技の会場
ベルシー・アリーナ
フランスのパリ12区にあるフランス最大の屋内競技場、ベルシー・アリーナは、これまでに何百ものイベントで、3,000万人以上の観客を受け入れてきた。1984年に建設されたピラミッドのデザインが特徴的なベルシー・アリーナは、文化とスポーツを象徴する会場のひとつとして、ロレックス・パリ・マスターズ(男子テニスATPツアー)や2018年欧州女子ハンドボール選手権決勝ラウンドのような国際大会だけでなく、ダフト・パンク、マドンナ、ポール・マッカートニーなど世界的に著名なアーティストのコンサートなども開催してきた。
この会場では、体操競技のほか、トランポリン、バスケットボール、車椅子バスケットボールが開催される。
パリ2024体操競技の実施種目
男子
- 団体総合
- 個人総合
- 種目別ゆか
- 種目別あん馬
- 種目別つり輪
- 種目別跳馬
- 種目別平行棒
- 種目別鉄棒
女子
- 団体総合
- 個人総合
- 種目別跳馬
- 種目別段違い平行棒
- 種目別平均台
- 種目別ゆか