パリ2024オリンピック競技大会

体操・パリ2024 男子日本代表メンバー5選手を一挙紹介!

執筆者 Risa Bellino
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パリ2024体操男子日本代表:橋本大輝、岡慎之助、萱和磨、杉野正尭、谷川航

写真: 2024 Getty Images

東京2020オリンピックで、個人総合と種目別鉄棒の両方で金メダルを獲得し、日本中を歓喜に沸かせた橋本大輝。初出場の4選手で構成された男子団体も大健闘の末、最後の鉄棒で追い上げをみせ、ROC(ロシアオリンピック委員会)に0.103点の僅差で銀メダルを獲得した "新生体操ニッポン"。パリ2024オリンピックにおいても、複数のメダル獲得に期待がかかる体操競技は、7月27日から8月5日にかけて、団体戦、個人総合のほか、種目別で男子6種目、女子4種目が開催される。

2022年11月にパリ2024予選を兼ねて開催された世界体操競技選手権大会の男子団体で、日本は中華人民共和国に続く銀メダルを獲得し、パリ2024出場枠を獲得しており、代表選手においては、最終選考会を兼ねた今年5月のNHK杯の結果により、すでに内定を決めていた橋本に加え、岡慎之助、萱和磨、杉野正尭、谷川航が代表に選出された

ここでは、2大会ぶりの男子団体金メダル奪還を狙う、日本代表メンバー5選手を一挙に紹介する。

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橋本大輝

  • 所属:セントラルスポーツ
  • 生年月日:2001年8月7日(22歳)※年齢はパリ2024開幕の7月26日時点で表記
  • 出身地:千葉県
  • オリンピック歴:東京2020(男子個人総合および種目別鉄棒金メダル、男子団体銀メダル)
  • ソーシャルメディア:InstagramYoutube

体操日本男子を長年牽引してきた内村航平の後継者としてバトンを託され、東京2020では2冠を達成し、団体も含めて3つのメダルを日本にもたらした橋本大輝。19歳355日で個人総合オリンピック史上最年少金メダルの記録を塗り替えた若き王者は、日本男子エースとしての頼もしさを増している。

人生で一番緊張した試合だったという初出場の東京2020を、「演技が全部ミスなく通しきれたことはかつてない経験だった。自分にとって本当に練習で取り組んできたものが最大限出せた大会だった」と、所属するセントラルスポーツのYoutubeインタビューで振り返る橋本だが、幼少のころから夢に見ていた1番の目標であるオリンピックの金メダルを実際に獲得したことで、身体面や精神面で自分の中で葛藤が生まれ、上手く前に進めない時期もあったことを、オリンピック翌年11月に行われた世界選手権後に語っている。長い迷走と試行錯誤の日々から抜け出し、この世界選手権の金メダル獲得により、"自分の体操" を取り戻した王者は、パリ大会へ向けて新たに心のスイッチを入れることができた。2023年の世界選手権では団体総合、個人総合、種目別鉄棒で優勝し3冠を達成。今年4月の全日本体操個人総合選手権で大会4連覇を飾り、貫禄の演技で日本エースの力を示した。東京2020での成功体験をパリの舞台で再現し、史上最高の演技で個人総合、種目別鉄棒での2連覇、団体の金メダルを目指す。

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岡慎之助

  • 所属:徳洲会体操クラブ
  • 生年月日:2003年10月31日(20歳)
  • 出身地:岡山県
  • オリンピック歴:初出場
  • ソーシャルメディア:InstagramYoutube

4月の全日本選手権の成績を持ち越して行われた5月のオリンピック最終予選、NHK杯で初優勝を飾り、男子代表メンバー最年少の20歳で念願のオリンピック初出場を決めた岡慎之助。2022年に負った大怪我からの見事な復活劇までの厳しい道のりを、「本当にきついトレーニングばっかりだった。怪我しても、パリがあったからすぐ前を向けた」とパリ2024内定決定後に振り返り、「自分の演技で日本の強さを証明して、自分の若い勢いでチームを勢いづけられたらな、と思います」と、TEAM JAPAN TVに意気込みを語った。

早くから体操の才能を開花させていた岡は、厳しい環境に身を置き、ひたむきな努力によって世界で戦える選手に成長した。中学の頃から高校生と共に練習を行い、3年の時に全国中学校体育大会で個人総合と種目別鉄棒を制すると、高校1年の時に地元岡山を離れ、単身で神奈川県にある社会人の強豪チーム・徳洲会体操クラブに異例の加入を決めた。直後の世界ジュニア選手権で団体総合と個人総合の金メダルを獲得、種目別あん馬で2位、平行棒で3位という結果を残し、体操界の逸材として多くの期待を集める。

2年前の全日本選手権個人総合の決勝で、跳馬の大技ロペスに挑み、右膝前十字靱帯を断裂。全治約1年の大けがを負うも、体操一筋で地道な努力を積み重ねてきた岡は、厳しいリハビリに耐え、さらなる進化を遂げた。ここ数大会では得意の吊り輪だけでなく、ゆか、鉄棒などでもしっかりと着地を決め、自信をつけて挑んだパリ最終選考レース。パリの切符を決めたNHK杯では、吊り輪でF難度の伸身ルドルフの着地を止め、完全復活をアピール。掴み取った代表の座で「まずは団体で金メダル。個人総合と個人平行棒で金メダルを目指します」と、抱負を語った。

萱和磨

  • 所属:セントラルスポーツ
  • 生年月日:1996年11月19日(27歳)
  • 出身地:千葉県
  • オリンピック歴:東京2020(男子団体銀メダル、男子種目別あん馬3位)
  • ソーシャルメディア:InstagramXFacbookYoutube

パリ選考予選となった2大会(全日本体操個人総合選手権+NHK杯)で、岡に続く2位の成績をあげた萱和磨が、日本男子主将として初出場した東京2020に続く、2大会連続のオリンピック代表を決めた。幾度となく繰り返してきた練習で培われた自信が裏付ける試合での平常心が、ミスのない演技を生み出し、萱の持ち味である安定感にさらに磨きをかけている。

2016年のリオデジャネイロで補欠として観戦スタンドから男子団体金メダルの快挙を見届けてから、さらに練習に没頭し、人一倍の練習量で自信をつけて挑んだ初のオリンピックでもそうだった。当時を振り返り、「オリンピックは特別な舞台だからいつもと違うのかなと思っていましたが、確かにいつもと多少違ったものの、緊張したり弱気になったりすることは一切ありませんでした」と、平常心で挑めたことをTEAM JAPANのインタビューで語っている。2018年の世界選手権で団体総合銅メダル、2020年全日本選手権個人総合で初優勝。東京2020では団体銀メダルに続く種目別あん馬でも銅メダルを獲得し、2021年の世界選手権では同種目で準優勝を果たした。

パリの前哨戦となる代表選考予選では、トレードマークであるガッツポーズを連発させる手ごたえある演技をみせ、「パリオリンピックでは団体で金メダル。本当にそれしか考えていない」。「この世界一過酷な選考を勝ちぬいた5人は最強だと思います。この5人を信頼しているので、あとは合宿を通してチームワークを深めたい」と、団体金メダルへの想いをTEAM JAPAN TVに語った。萱の理想とする "ミスのない美しい体操" で、悲願の頂点を狙う。

杉野正尭

  • 所属:徳洲会体操クラブ
  • 生年月日:1998年10月18日(25歳)
  • 出身地: 三重県
  • オリンピック歴:初出場
  • ソーシャルメディア:InstagramYoutube

東京2020での代表争いを僅差で逃した杉野正尭が、パリ2024でリベンジに燃える。2017年に日本代表入りし、初年度から得意のあん馬で全日本種目別選手権、FIG種目別チャレンジカップ・パリ大会で優勝。2021年に鹿屋体育大学を卒業後、岡も所属する徳洲会体操クラブに加入し、全日本シニア体操競技選手権大会で個人総合 2位、種目別鉄棒で1位、全日本体操種目別選手権鉄棒で3位に入るなど実績を積むも、東京2020予選選考では、わずかに及ばずに悔し涙をのんだ。

目標をパリへ再設定し、技の難度にこだわり、技を磨き続けて挑んだ2022年の全日本シニア選手権の個人総合では、3連覇中の萱を抑えて初優勝。2024年のパリ代表選考1試合目の全日本体操個人総合選手権では、個人総合4位。2試合目のNHK杯では得意とするあん馬で大技のH難度「コンバイン」を決めて15点を記録、鉄棒でも14.866点の高得点をマークし、総合5位。団体戦での貢献度を見込まれ、自身初のオリンピック日本代表の座を掴んだ。3年前に0.1点差で東京2020日本代表を逃した会場である高崎アリーナで、代表争いの雪辱を果たした杉野は、キャプテンを務める徳洲会体操クラブのYoutubeに岡と共に出演し、「(パリでは)僕ら自身でしか出せない、体現できないような演技をやっていきたい」と、意気込みを語り、「ミスなく最大限の自分の持ち味を出しをながら、目標としている団体金メダル、あん馬・鉄棒金メダルを目指す」と、抱負を口にした。3年越しの夢の舞台で会心の演技を目指す。

谷川航

  • 所属:セントラルスポーツ
  • 生年月日:1996年7月23日(28歳)※年齢はパリ2024開幕の7月26日時点で表記
  • 出身地:千葉県
  • オリンピック歴:東京2020(男子団体銀メダル)
  • ソーシャルメディア:InstagramXYoutube

瞬発力と美しい着地で、跳馬、ゆか、平行棒を得意とする谷川航は、団体戦での活躍に期待できると評価され、貢献度枠で2度目のオリンピック日本代表に選出された。2017年に日本代表として世界選手権初出場後、世界で戦える技の習得、得意種目を伸ばすとともに、6種目の安定した力の向上を図り、2022年世界選手権では個人総合で銅メダル、団体で銀メダル、2023年のアジア競技大会では日本勢45年ぶりとなる種目別跳馬の金メダルを獲得し、日本男子を代表する跳馬のスペシャリストに成長した。

東京2020の団体戦銀メダルに大きく貢献した、跳馬最高難度の大技『リ・セグァン2』をパリ最終選考のNHK杯でも美しく決め、15.433点の高得点を記録し、強化したつり輪でも存在をアピールした谷川は、オリンピックの舞台で戦うチャンスを再び手に入れた。「団体で銀メダルだったことの悔しさはすごいずっと持っていて。パリオリンピックで金メダルをとれるように頑張ろうというふうにこの3年間やってきた。オリンピックに出た選手としての自覚とか、いい演技をしなくては、というプライドとかは良い方向に持っていけるように自分でプレッシャーをかけて、自信をもってできるようにやってきました」と、所属するセントラルスポーツのYoutubeでパリへの想いを語っている。銀メダルを獲得したからこそ募る、「やっぱり金メダルが欲しい」という強い想い。東京大会に続き、代表の座を逃してしまった仲の良い弟・翔の想いも背負って迎える夢の舞台で、谷川の2度目の挑戦に注目したい。

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