パリ2024アーティスティックスイミング観戦ガイド! 注目ポイント・競技形式・試合日程

執筆者 Olympics.com
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写真: DNP PHOTO IMAGING EUROPE

日本は、オリンピック史上最多の14個(銀4個、銅10個)のメダルを獲得しており、アーティスティックスイミング競技で成功している国のひとつでありながら、まだ金メダルを手にしたことがない。また、自国開催の東京2020では、デュエットで乾友紀子&吉田萌が4位、チームでも、日本(乾、吉田、木島、京極、塚本、福村、安永、柳沢)は4位にとどまり、2大会連続のメダルを逃す結果で、選手たちは大きな挫折を味わった。

この悔しさをパリ2024オリンピックの舞台で晴らすことができるかに大きな期待が寄せられる、アーティスティックスイミングTEAM JAPAN。

競技は2024年8月5日(月)〜8月10日(土)の日程で予定され、8月5日のチーム・テクニカルルーティンから始まり、7日にチーム種目のメダリストが決まる。その後、9日、10日にデュエット種目が行われる。

ここでは、パリ2024での注目ポイント、競技形式や試合日程のほか、日本代表選手を紹介する。

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パリ2024アーティスティックスイミングの競技形式

音楽に合わせて演技を行い、技の完遂度や同時性、演技構成、芸術性、表現力、難易度を競うアーティスティックスイミング競技。パリ2024では96選手が参加し、デュエット(2人)種目とチーム(8人)種目が8月5日〜10日に実施される。

2023年に大幅なルール改正が行われ、一つ一つの技ごとに難易度が設定され、その技の出来栄えで採点する方式となったことで、各国でルール変更に対応しながら早急な強化と対策が進められてきた。また、女子デュエットはこれまでと変わらないが、チーム種目に男子選手(必須ではないが最大2名まで)が出場可能となり、アクロバティックルーティンが追加された。チーム種目でこれまで実施されてきたテクニカルルーティンとフリールーティンに加え、アクロバティックルーティンを含む、3つのルーティンの合計得点で順位が決まる。

パリ2024では、この2つの新たな要素がチーム種目に導入されることで、よりダイナミックで一糸乱れぬ演技が観客を惹きつけることになるだろう。

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パリ2024アーティスティックスイミングの日本代表選手

日本水泳連盟は、2024年5月10日、パリ2024日本代表選手団を8名発表。世界のトップで戦えるスケールと技術を備えた選手、デュエット2名を含む8名+APアルタネイトアスリート1名を選出した。

  • 安永真白(やすなが・ましろ/25)…デュエット・チーム
  • 比嘉もえ(ひが・もえ/16)…デュエット・チーム
  • 佐藤友花(さとう・ともか/22)…デュエット・チーム
  • 吉田萌(よしだ・めぐむ/29)…チーム
  • 木島萌香(きじま・もえか/24)…チーム
  • 島田綾乃(しまだ・あやの/18)…チーム
  • 和田彩未(わだ・あみ/21)…チーム
  • 小林唄(こばやし・うた/21)…チーム
  • 藤井萌夏(ふじい・もか/19)…チーム・AP

※年齢は2024年7月26日開会式現在

日本は、デュエットの安永真白&比嘉もえが、2023年福岡市で開催された世界選手権で、テクニカルルーティンで金メダル、フリールーティンで銅メダルを獲得。世界水泳2024ドーハ大会でチーム・アクロバティックルーティン7位チーム・テクニカルルーティン3位チーム・フリールーティン2位の成績をおさめ(合計得点は全体の4番目)、パリ2024チーム出場枠を獲得。

2大会連続のオリンピック出場となるキャプテンの吉田萌がチームをまとめ、パリ2024のテストイベントを兼ねた今年5月のワールドカップ・パリ大会では、チームフリールーティンで、日本(安永、比嘉、佐藤、吉田、木島、島田、小林、藤井)が323,3207点で優勝し、オリンピックに向けて調子を上げている。パリ大会では、チーム・デュエットで2大会ぶりのメダル獲得を狙う。

パリ2024でのTEAM JAPAN演技テーマ

  • デュエット・テクニカルルーティン「Cool Japan」
  • デュエット・フリールーティン「ペガサス」
  • チーム・テクニカルルーティン「雷」
  • チーム・フリールーティン「チェス」
  • チーム・アクロバティックルーティン「アリゲーター」

パリ2024アーティスティックスイミングの観戦ポイント

1984年からオリンピック競技として採用されているアーティスティックスイミング(旧称:シンクロナイズドスイミング)が、パリ2024でその歴史を塗り替える。オリンピックにおける男女平等を実現するという国際オリンピック委員会(IOC)の使命に向けた新たな一歩として、チーム種目にオリンピック史上で初めて男子選手の出場が承認され、1チーム8人で構成されるチーム種目に、男子選手を最大2名まで起用できるようになった。ヨーロッパ競技大会2023では、イタリアのジョルジョ・ミニシーニがシニアの主要大会に出場した史上初の男子選手となり、メダル獲得に貢献。歴史にその名を刻んだ。パリでは男女混合チームが繰り出す、よりダイナミックで高さのある演技にも注目したい。

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パリではチーム・デュエット共に、長年表彰台の常連である中華人民共和国が金メダル有力候補に挙げられる。チームでは、国際大会で日本と上位争いを続けてきたイタリアやスペインなどが注目となり、デュエットでは、東京2020で日本を抑え銅メダルに輝いたウクライナや近年世界選手権でも成績をあげているギリシャなどが日本と共にパリ2024で激しいメダル争いを繰り広げることになるだろう。新ルールになり、ミスが許されない緊張感の中、選手たちがいかに難度の高い技を正確に表現できるかがメダルへの鍵となる。

出場国:チーム(10)

  • エジプト
  • メキシコ
  • 中華人民共和国
  • フランス
  • オーストラリア
  • アメリカ合衆国
  • スペイン
  • 日本
  • イタリア
  • カナダ

出場国:デュエット(18)

  • エジプト
  • メキシコ
  • 中華人民共和国
  • フランス
  • オーストラリア
  • アメリカ合衆国
  • スペイン
  • 日本
  • イタリア
  • カナダ
  • オーストリア
  • ニュージーランド
  • 英国
  • オランダ
  • ギリシャ
  • イスラエル
  • ウクライナ
  • 大韓民国

パリ2024オリンピック、アーティスティックスイミング競技の競技日程

以下すべて現地時間(日本はパリより7時間進んでいる)。※日程は変更になる可能性もある

8月5日(月)

  • 19:30〜21:00 チーム・テクニカルルーティーン

8月6日(火)

  • 19:30〜21:00 チーム・フリールーティーン

8月7日(水)

  • 19:30〜21:15 チーム・アクロバティック・ルーティーン(メダル決定)

8月9日(金)

  • 19:30〜21:30 デュエット・テクニカルルーティーン

8月10日(土)

  • 19:30〜21:20 デュエット・フリールーティーン(メダル決定)

パリ2024アーティスティックスイミングの会場

アクアティクス・センター

セーヌ・サン・ドニ県サン・ドニ市に位置するアクアティクス・センターは、ポルト・ド・ラ・シャペル・アリーナと同様、パリ2024オリンピック・パラリンピックのために建設された恒久的スポーツ施設のひとつで、2024年4月4日(木)正式に落成された。

モジュール式の斬新な構造となっており、2,700立方メートルを超える木材が使用され、長さ90メートルに及ぶ世界最大の凹型の木造フレームに支えられた屋根を持つ。4,600平方メートル以上の太陽光発電パネルで覆われた屋根は、光をろ過し、雨水を集め、太陽からのエネルギーを蓄えることができる。オリンピック開催中は5,000席の会場となるが、その後は2,500席の会場として地域イベントが開催される予定だ。

この会場ではアーティスティックスイミングのほか、飛込、水球が実施される。

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