北京オリンピックシーズン、主なスノーボーダーをチェック! スロープスタイル編 

12月30日からスノーボード・スロープスタイルのワールドカップが開幕する。ここ数年で世界レベルにブラシュアップした日本若手選手たちの冬季オリンピックシーズンの活躍に注目しよう。

文: Risa Bellino
写真: 2018 Getty Images

毎年・毎大会ごと技の進化が止まらないスノーボード界。いまや冬季オリンピックを代表する人気競技のひとつに成長し、過去2大会で新種目が追加されてきたスノーボードは、北京2022でも新しくチームスノーボードクロスが加わり、全11種目が行われる。オリンピックで3度目の実施となるスロープスタイルでは、さらにレベルアップした大技が繰り出されることだろう。

世界の大舞台で、どんな選手が観客を魅了してくれるのか?北京大会を目前に控え、世界から注目を集める、若手の台頭が目立つ日本勢を紹介しよう。

スロープスタイルは、レール・ボックス・キッカー(ジャンプ台)などといった障害物を含むコースを滑走する種目だが、コース後半に設置された一番の見どころとなるトリックを披露するジャンプセクションがあることから、似た要素を持つ巨大なキッカーでのエアトリックを披露するビッグエアと合わせて2種目出場する選手が多い。

2021/2022シーズンは、ビッグエアワールドカップ全2戦(スイス10月23日、米国12月4日)が既に終了したため、トップスノーボーダーたちは、北京2022へ向けてスロープスタイルワールドカップ(全6戦中、北京選考対象大会が3戦)に照準を切り替え、オリンピック出場権獲得と技の完成度に磨きをかける。開幕戦はカナダ・カルガリーにて、12月30日から予選が行われ、2022年元旦の決勝で今季初戦のチャンピオンが決まる。

新時代の開拓

新世代が大躍進をみせている2種目で、日本チームをリードする選手のひとりが、村瀬心椛(ここも、17)だ。世界最高峰のアクションスポーツの祭典であるXゲームに、13歳6ヶ月で初出場し、ビッグエア初優勝を飾った村瀬は、クロエ・キム(米国)が樹立したXゲーム最年少優勝記録を更新し、一気に頭角を現した。

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12月15〜18日、米国で開催されたワールドカップ前哨戦となるトッププロの招待大会、デューツアー(Dew Tour)のスロープスタイルでは、日本人最高位3位に入り、良いスタートを切る。

ワールドカップ、Xゲーム(1月21-23日)、北京大会を控え、「目標は、常に完璧なライディング、最大級のトリックを披露して、笑顔で日本に帰ることです」と、意気込みを語った。

得意とするビッグエアに続き、昨シーズンからスロープスタイルでも表彰台にのぼる成績をあげている村瀬は、17歳3ヶ月で北京オリンピックを迎える。前回の平昌2018では年齢制限のため出場できなかったが、もし彼女が今回金メダルを獲得することになれば、平昌大会のハーフパイプを制したキム(17歳9ヶ月)のスノーボード最年少優勝記録を塗り替え、新たな歴史を作ることになる。

世界が注目するもうひとりの女子スノーボーダーが、岩渕麗楽(20)だ。2021年3月のスロープスタイルワールドカップ最終戦(スイス)を優勝で締めくくり、12月4日に開催されたビッグエア第2戦目(米国)で今季初優勝飾った岩渕は、村瀬と共にビッグエアとスロープスタイルの両種目でダブル金メダル有力候補として挙げられている。

16歳で初出場となった平昌2018を「本当に出ているだけで精一杯という感じでした」と振り返る岩渕は、同じ2001年生まれのゾイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)からわずか10点差で、ビッグエア4位。スロープスタイルは藤森由香9位、広野あさみ12位に続き、日本人3番手となる14位だった。

涙を流した悔しいオリンピックをバネに、平昌後はワールドカップで表彰台8回(スロープスタイル1勝、ビッグエア4勝含む)の成績をあげ、いよいよ2度目の大舞台を控えたオリンピックシーズンを迎える。

平昌2018冬季オリンピック:岩渕麗楽
写真: 2018 Getty Images

平昌2018で同じくオリンピック初出場を果たした鬼塚雅(23)は、スロープスタイルで表彰台から2シーズン遠ざかっているものの、北京2022のテストイベントとして同会場で開催されたワールドカップでは、大塚健とともに優勝。翌年同じく北京で開催されたビッグエアワールドカップでも勝利するなど、中国開催大会との相性が良い。

平昌大会の後からトレーニング方法や道具を見直すなど、大きな変化を起こして挑戦者として再びオリンピックを目指してきた鬼塚は、「記憶に残るような技で、記録を残したい」と語り、北京2022で“勝つための”大技に挑む。

鬼塚雅2位:スノーボードスロープスタイルデューツアー・コッパーマウンテン2020
写真: 2020 Getty Images

日本男子エース大塚健、怪我からの復活

Xゲームビッグエア2大会世界王者が、今年1月約2年ぶりにワールドカップの舞台に戻ってきた。北京大会選考に間に合う形でカムバックした大塚の“魅せるトリック”を待ちわびているファンも多いのではないだろうか。

17歳でXゲームに初出場し、大技のキャブトリプルコーク1440を着地して見事優勝。同年2018年ビッグエアとスロープスタイルの両種目で世界ジュニアWタイトルを獲得し、村瀬と共に男女で完全制覇を成し遂げた大塚は、その後も両種目でワールドカップ表彰台に上るなど着実に実力をつけ、2019年にはXゲーム2連覇(ビッグエア)という快挙を達成。スノーボード界でも着実にファンを増やし、安定して力を発揮していたシーズン終わりの4月に、スノーボード作品の撮影中のジャンプに失敗し、選手生命を脅かしかねない程の大怪我を負う。

「復帰するまでに長い時間がかかると思いますが、強くなり笑顔で戻ってきます」

これまで経験したことのない厳しい状況に直面しながらも、自身のインスタグラムでスノーボードにかける想いを報告すると、プロツアーで活躍するオリンピアンやスノーボーダーなどから多くのコメントが寄せられた。

言葉通りリハビリの成果を上げ、2020年1月には雪上トレーニングに復帰すると、2021年1月のスロープスタイルワールドカップで見事4位の復活劇をみせる。今季のビッグエアワールドカップを、4位と9位で終え、復調の兆しを見せた大塚は、3季ぶりのスロープスタイル優勝を目指し、2021/2022シーズンに挑む。

高いポテンシャルを持つ日本男子勢

まだワールドカップや世界選手権での勝利はないものの、平昌大会からの4年間で着実に前進してきた日本男子チーム。

スロープスタイルワールドカップで3度の表彰台と、年間総合優勝の実績を持つ飛田流輝と、2021年3月の世界選手権で2種目ともに5位入賞を果たした濵田海人の22歳ペア。日本選手団最年少15歳で平昌2018代表入りした國武大晃と2020年ユースオリンピックチャンピオン(ビッグエア)の木俣椋真の19歳ペアほか、国際スキー連盟(FIS)が “15歳の天才ライダー”と呼ぶ1800を4方向でメイクした史上初の選手、長谷川帝勝(たいが)、今季ビッグエアワールドカップ2戦で日本勢最高順位(2位、7位)の成績をあげた荻原大翔(ひろと、16)などの次世代ライダーを擁する。

北京開幕まであと40日を切る中、数少ないスロープスタイルワールドカップでそれぞれのスタイルを追求し、熾烈な争いとなるであろう日本男子代表枠をかけて選考ポイントの獲得を目指す姿に注目したい。

スロープスタイル 木俣椋真:USグランプリ・マンモスマウンテン
写真: 2020 Getty Images

北京2022では2月5日に女子予選、6日に女子決勝と男子予選、7日に男子決勝が行われ、スロープスタイルがスノーボード競技の中で大会最初の2つのメダルイベントとなる。

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