スノボ界を沸かせる若きアスリート、村瀬心椛とは? 

当時13歳だった村瀬心椛が最初にスノーボード界を興奮させたのは、2018年5月にノルウェーで開催されたXゲームのときである。あれから3年半、北京オリンピックシーズンのビッグエアのワールドカップ開幕戦で、村瀬は初勝利を上げた。 

文: Chiaki Nishimura
写真: 2021 Getty Images

現在、高校2年生で17歳の村瀬心椛(ここも)はすでにスノーボード界にその名を轟かせている。平昌2018オリンピックには年齢制限のため出場できなかったが、3ヶ月後に行われたXゲームのビッグエアで、これまで女子選手が主要大会で成功させていなかった大技を、13歳にして見事に成功させたからである。2022年2月4日に開幕する北京2022冬季オリンピックでの活躍が期待される村瀬心椛とは何者なのか、色々な角度から探ってみたい。

ワールドカップ初優勝

2021年10月にスイス・クールで開催されたワールドカップ・ビッグエアの開幕戦。村瀬は1本目に87.75点、2本目も86.00点と高得点を記録し、平昌オリンピック覇者で女子ビッグエアのオリンピック初代チャンピオンのアンナ・ガサー(オーストリア)に23.75点、ジャスミン・ベアード(カナダ)に25点の大差をつけて優勝した。

「13歳のXゲーム以来大きな大会で優勝出来てなかったので本当に本当に嬉しいです!」。優勝後、村瀬は自身のインスタグラムでこのように喜びを表現。「優勝出来てなかった」とはいえ、好成績を残していなかったわけではない。ワールドカップや世界選手権、Xゲームのビッグエアおよびスロープスタイル種目で表彰台にのぼり、国際舞台で存在感を発揮し続けてきた。

バックサイドダブルコーク1260

物怖じする様子など感じられないリラックスした滑り出しから、空中を舞うようなトリック。10代とは思えない堂々とした滑りを見せる村瀬が得意とする技は、バックサイドダブルコーク1260(縦2回転、横3回転半)。村瀬はこの技で、初めて参加したXゲーム・ノルウェーで観客そして解説陣を唸らせた。

村瀬は4歳でスノーボードを始め、小学5年生のときに初めての国際大会(18歳以下のナンバーワンを決めるWorld Rookie Finals)に出場し、見事優勝。小学6年になると、すでにバックサイドダブルコーク1260の練習を始めていたという。

スノーボード界は年々トリックのレベルが上がっており、ガサーや鬼塚雅はさらに難易度の高い大技、キャブダブルコーク1260を成功させている。村瀬も自分の技に磨きをかける。

スノボファミリー

村瀬はスノボ好きの両親の影響を受け、この競技を始めた。2つ下の妹・由徠(ゆら)もスノーボードに夢中で、2021年のジュニア世界選手権ではビッグエアで優勝、スロープスタイルで準優勝するなど、将来が有望な良きライバル。姉妹仲も良く、手をつないで滑る映像なども公開されている。

また、スノーボードといえば独自の文化を形成しており、それを共有するスノーボーダーらの横のつながりは強い。村瀬が新しいトリックをインスタグラムで公開すれば、小野光希大塚健(たける)といった国内選手のほか、ガサーやジェイミー・アンダーソン(米国)、ヘイリー・ラングランド(米国)らも大興奮のコメントを寄せる。さらにスノボと共通点の多いスケートボードの西村碧莉らとも交流を深める。スノボ&スケボーファミリーの存在が村瀬の成長を後押ししていると言えそうだ。

歴史を塗り替える存在

13歳6ヶ月でXゲームを制した際、村瀬は女子初のトリックを成功させて歴史を築いただけではなく、クロエ・キム(米国)が樹立したXゲーム最年少優勝記録(14歳9ヶ月)も更新している。

キムは17歳9ヶ月で迎えた前回の冬季オリンピックでハーフパイプを制し、スノボ界のレジェンド、ケリー・クラークが保持していた18歳という記録を更新し、女子スノーボード最年少金メダリストとなった。村瀬が17歳3ヶ月で北京オリンピックに出場して金メダルを獲得することになれば、この記録を塗り替えることになる。

北京オリンピック・スノーボードの日本代表は、昨シーズンと今シーズンの世界選手権、ワールドカップの成績をもとに2022年1月中旬に選出される予定。村瀬は北京オリンピックのビッグエア、スロープスタイルの2種目での金メダルを目標に掲げる。

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