北京オリンピックシーズン、主なスノーボーダーをチェック!ビッグエア編 

若手選手の活躍が目覚ましい日本スノーボード界。冬季オリンピックシーズンとなる今季、どんな選手が観客を魅了してくれるのだろうか。 

文: Risa Bellino
写真: 2018 Getty Images

ハーフパイプ、スノーボードクロス、スロープスタイルなどいろいろな種目がある中、平昌2018からスノーボードの新種目として採用されたビッグエアは、日本勢がメダル候補として挙がる注目種目のひとつだ。

北京2022では、地上約49mの高さにあるスタートデッキからキッカー(ジャンプ台)まで巨大な助走路を滑り降り、大ジャンプから繰り広げられるトリック(技)の難易度と高さ、その完成度と着地などを採点で競う。最大傾斜が40度ある助走路では最高時速が約70kmに達し、ダイナミックなジャンプと高速回転トリックからのスリリングな着地がみどころだ。

北京大会まであと4ヶ月間。オリンピック選考がかかる白熱したシーズンの幕開けとなるワールドカップ初戦が10月23日に迫る中(スイス・クール開催)、今回はオリンピックシーズンを盛り上げてくれるだろうビッグエアで活躍する日本人スノーボーダーを紹介したい。

スノーボード女子3強が旋風を巻き起こす

2020年、世界最高峰のアクションスポーツの祭典であるXゲのビッグエアで、日本女子が表彰台を独占した。鬼塚雅がXゲームデビューで堂々の金メダル、村瀬心椛が銀、岩渕麗楽が銅を獲得し、名だたる強豪ライダーを抑えての日本勢の快挙に世界中が沸いた。彼女たちのエアトリックの内容も高く評価され、スノーボード界のレベルを一段と引き上げる大会となったのは、記憶に新しい。

90年代中旬から世界で開催されるようになったビッグエアは、スノーボード種目としてもオリンピック種目としても歴史は浅いが、驚くほどのスピードで技の進化が進み、毎シーズン新しい技が生まれ、選手も追従して大技を成功させるという、ハイレベルな戦いが続いている。

その急成長中のスポーツの中心で活躍しているのが、日本女子チームだ。

鬼塚雅、タイトルホルダーが目指す、オリンピックでの金

6歳で国内大会に初出場してからすぐにその才能が目に留まり7歳でスポンサー契約を結ぶなど、幼少期からトップライダーとして活躍してきた鬼塚が唯一持っていないものが、オリンピックの金メダルだ。ワールドカップ(スロープスタイル2勝、ビッグエア1勝)、世界選手権(スロープスタイル2015年金、2017年銅、ビッグエア2021年銅)、Xゲーム(ビッグエア金×1、銀×2)のタイトルを持つが、19歳で初出場した平昌大会では強風で着地が決まらず8位となり、悔しさの残るオリンピックデビューとなった。

大学を卒業し、社会人として迎える2度目のオリンピックに向けて、2020年中旬からバックサイドトリプルコーク1440(縦3回転・横4回転)にも取り組み始めたという鬼塚。今年3月にアメリカで開催された世界選手権では、大技のキャブダブルコーク1260(縦2回転、横3回転半)をメイクし、銅メダルを獲得。「着地できたことはオリンピックのための良い準備になったと思うので、あとは完成度をあげていきたいです」と、手ごたえを掴んでいる。難易度の高いトリックの精度を上げ、自身キャリア初のオリンピックタイトルを狙う。

岩渕麗楽、悔しさをバネに積み上げてきた大技の挑戦とその先に

平昌大会の半年ほど前にワールドカップに初参戦し、ビッグエア2戦目にして優勝。新星のごとく現れた岩渕は16歳・高校1年生で初めてのオリンピックに挑み、日本人最高位の4位入賞を果たした。準備してきたバックサイドダブルコーク1080(縦2回転、横3回転)を決勝で決められずに悔し涙を流した本人だったが、149センチと小柄ながら抜群のジャンプのタイミングを活かして大技をメイクする岩渕に、驚き、魅せられた視聴者も多かったのではないだろうか。

大会に出場するごとに成長を見せ、平昌後のワールドカップやXゲームの大舞台でもトリック成功率を上げてきた彼女は、毎シーズン成功体験を積み上げながらメダルを獲得し自信につなげてきた。

「ひとつひとつの大会で自分のパフォーマンスに集中し、それぞれの大会で自分が本当にやりたいと思うトリックを行うことにしています。それができれば、シーズン終盤には満足できる結果が得られると思います。」とFISインタビューに答える彼女の目線の先には、オリンピックで最高のトリックを完成させるイメージができているだろう。

平昌大会のビッグエアで4位に入賞した岩渕麗楽=2018年2月
写真: 2018 Getty Images

村瀬心椛、次世代をリードし未来を拓く

平昌大会は年齢制限により出場できなかったものの、同年ノルウェーで開催されたXゲームで女子世界初となるダブルコーク1260(縦2回転、横3回転半)を決め、平昌オリンピック金メダリストのアンナ・ガサー(オーストリア)やワールドクラスの強豪を破り、史上最年少(13歳)で初優勝を飾った。

衝撃的デビューを果たし、世界のプロスノーボーダー界に名を轟かせた村瀬だったが、同年12月にデューツアー(Dew Tour)出場のため渡米しトレーニングを積んでいた矢先、右膝蓋骨骨折のアクシデントに見舞われる。リハビリ生活で初めて雪上から離れるシーズンを過ごすことになるが、治療のため単身渡米するなど、リハビリだけでなく生活の変化にも順応しながら心身共にさらに強くなり、世界のステージに帰ってきた。

2019年末から参戦しはじめたワールドカップ・ビッグエアでは、3回出場中2回表彰台に上がり、1シーズンのブランクを感じさせることのない復活をみせ、今年3月にアスペンで開催された世界選手権では、ビッグエアで6位、スロープスタイルで5位入賞と2種目ともに世界で戦える結果を出してきている。

今週末(10月23-24日)のワールドカップ初戦直前のトレーニングでは新技も披露し、オリンピック初出場に向けた新シーズンを迎える準備ができていることアピールした。まもなく17歳、大けがを乗り越えて進化した姿に注目したい。

姉の姿を追いながら成長する2歳年下の妹、村瀬由徠(ゆら)も次に続くルーキーとして気になる存在だ。共に幼少期から目を見張るライディングテクニックで注目を集めるプロスノーボーダー姉妹だが、心椛のジュニア世界選手権ビッグエアとスロープルタイル2冠達成に続き、今年3月由徠もスロープスタイルで準優勝、ビッグエアでタイトルを獲得した。2021年からFIS公認大会にも参戦し、これからは国際大会でその名前を聞くことが増えるだろう。

ビッグエアの2021/2022 FISスノーボード・ワールドカップは、10月23日 クール(スイス)と12月2-4日スティームボート(アメリカ)で開催される。多くの選手が大技を挑戦してくるであろうオリンピックシーズン、選手たちからますます目が離せない。

平昌2018のビッグエアをリプレイ!

オリンピック初のビッグエアで頂点に立ったのは、ガサー(オーストリア)。スロープスタイルで金メダルを獲得したジェイミー・アンダーソン(アメリカ)が銀メダル、若手注目株で岩渕と同じ2001年生まれのゾイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)が銅メダルを獲得した。岩渕はわずか10点差で惜しくも4位となったが、決勝で熱戦を繰り広げ、藤森由香7位、鬼塚8位と日本人ライダーが新種目で世界にその存在をアピールした。

動画で女子決勝の戦いを振り返ってみよう!

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