ノルディック複合団体に、日本は**渡部暁斗、渡部善斗、永井秀昭、山本涼太**が出場。
前半のスキージャンプ4位から、後半のクロスカントリースキー4x5kmリレーで逆転し、リレハンメル1994以来、実に7大会ぶりにオリンピックメダルを獲得した。
スキージャンプラージヒルでは、渡辺善斗が124.5m、山本が121.4mと大飛躍でチームを引っ張り、首位オーストリアに12秒差の4番スタートで後半のクロスカントリースキー4x5kmリレーへ。
ジャンプよりも課題であるクロスカントリーに比重を置いて練習に取り組んできたという日本チームは、このリレーでその力を結集させた。
1走の渡部善斗は集団に追いつき区間3位の好タイムで順位を上げ、ドイツに次いで2位で永井にバトンを渡すと、永井も集団に食らいついて4位で個人ラージヒル/10km銅メダリストの渡部暁斗にバトンをつなぐ。暁斗は終盤にノルウェーの逃げを許すも、順位を上げて2位に巻き返し、アンカーの山本へ。
チームで唯一オリンピック初出場の24歳山本は、3走でトップから約36秒出遅れていたドイツチームに追いつかれるが、戦略的な集団での駆け引きにもよく対応し、スプリント勝負となった最後もビンツェンツ・ガイガーを粘り強く追いかけ、見事3位で両手を上げてゴールを切った。
渡辺善斗は兄・暁斗と共に挑む3回目のオリンピックでのメダル獲得に、「やっととれたなって感じがしますね。長いことメダル目指してずっとやってきて、時間はかかりましたけどやっとここまでこれたなっていう気持ちです」と笑顔を見せた。
気温が低く固い雪質の特徴を持つ今回の会場で4人の力が発揮できたのは、その陰で支えてくれたスタッフの力が大きかったいう。
「今日のMVPはワックスマンだったと思います。スキーが本当によく滑りました」と、万全の状態でレースに挑めたことに感謝した。
今大会が最後の挑戦になると思うと語っていた最年長38歳の永井は、「最後の最後でこんなご褒美が待っているとは思わなかったので、今日一緒に戦ったチームメイトおよび、日本チームのスタッフ、コーチ、すべてのみんなに感謝したいです。本当に最高です。ありがとうございました」と一礼した。
渡辺暁斗は、「今日僕は良いジャンプもできなかったし、最後クロスカントリーの方もオフテブロ(ノルウェー3走)に離される形で涼太にタッチすることになって、良い働きが出来なかった」と振り返るも、「チームのみんなに助けてもらって『最後は涼太行け!』って感じで託して信じて待っていました」と、団体戦のチーム力が結果に結びついたと語った。
「団体戦のメダルはチームみんなで喜べて、個人で取るよりも何倍も嬉しさがある」
長年トップでノルディック複合の日本勢を牽引してきた渡辺暁斗はそう振り返ると、「この瞬間ていうのをみんなで共有できてすごく嬉しい。今後続いていく日本のコンバインドチームの未来に対して、良いメダルだったなと思います」と、今回の銅メダルの獲得について納得した様子で語った。
アンカーの山本は、表には出さないようにしていたが4走に決まったときには、「これはプレッシャーやばいな」と感じたという。
ノルウェー、ドイツ、オーストリアの3強がいる中で、自分が経験してきた中で一番きついレース展開になると想像したという山本は、強化してきたクロスカントリーの力が発揮できるように集中した。
オーストリアが後ろから追い上げてくる中、前にもあと少しのことろで銀メダルのドイツがいるという状況で、最後の直線は「表彰台に先輩方をあげたい」という思いで走り抜けたという。
「まさかあそこの位置で表彰台を争えるとは思っていなかったので、良かったです」とレース全体を振り返った。
2月17日のノルディック複合グンダーセン方式団体ラージヒル/4x5km結果はこちら。