ノルディック複合男子団体、北京2022で7大会ぶりのメダル獲得へ

かつて日本のお家芸とも呼ばれていたノルディック複合団体。冬季オリンピック2連覇の栄光から28年、2大会銀メダリストの渡部暁斗が牽引してきた日本チームが、再び団体でオリンピックメダルを狙う。

文: Risa Bellino
写真: 2020 Getty Images

スキージャンプとクロスカントリースキーという異なる能力を要求される2種目の総合力を競う、ノルディック複合(ノルディックコンバインド)。この団体種目は、冬季オリンピック第15回大会のカルガリー1988から公式種目として導入され、2月の北京2022で10回目を迎える。

1990年代前半に、スキー板をV字にする飛行フォームで瞬く間に世界のトップに躍り出た荻原健司と、日本男子個人初の銀メダルを獲得した河野孝典を含む3選手で、アジア勢初の金メダルを2度獲得(アルベールビル1992リレハンメル1994)し、日本男子団体は、ノルディック複合を一気にメジャーに押し上げた。

その後、ルールの改定が行われ、長野1998から団体人数の変更(3人から4人)や、クロスカントリーの距離が半分の5㎞になるなど、大きな変化があった団体種目は、トリノ2006から、K90のノーマルヒルで開催されていたジャンプが、HS134(バンクーバー2010以降はHS140 )のラージヒルで開催されるようになる。

平昌2018ノルディック複合団体:渡部善斗のスキージャンプ
写真: 2018 Getty Images

近くて遠いメダル。4位からの脱却へ

さまざまな変革期を経て、欧州勢に再び表彰台独占を許してきた日本は、あと一歩のところで国際大会でのメダルを逃してきた。

2年に1度の世界選手権では、過去5大会で4位(2015年6位除く)、オリンピックでも過去6大会で入賞圏内にいるもののメダルには届かず、平昌2018では4位と苦杯を喫する。

ノルディック複合男子団体LH/4x5km:平昌2018
写真: 2018 Getty Images

進化の4年、若手の台頭

「今年は僕だけでなく若手選手もクロスカントリースキーのパフォーマンスが伸びていて、過去4年間と比べて強くなっています」

団体、個人ともに大黒柱としてチームを牽引し、自身5回目のオリンピック出場を目指す渡部暁斗は、オリンピックシーズン開幕前の国際スキー連盟(FIS)オンライン記者会見でそう話した。

平昌大会以降、成長をみせてきた若手を起用し、団体戦メンバーを入れ替えながら、ワールドカップでは2020年1月に3位(渡部暁斗、山本涼太、永井秀昭、渡部善斗)、2021年12月4日の団体初戦でも、ノルウェー、ドイツに続き日本(谷地宙、山本涼太、善斗、暁斗)が表彰台に立ち、強豪国の一角であるオーストリアを破る好調を維持している。

チームとしての練習メニューを見直すなど試行錯誤して、強豪国に並ぶ練習量もこなせる力をつけてきた選手たちについて、ノルディック複合日本チームヘッドコーチを務める河野も、クロスカントリーの全体のレベルアップを実感している。

河野からアドバイスを受けながら、クロスカントリーにかなり時間を割いて練習してきたという24歳の山本は、2021年1月に自身初のワールドカップ個人で3位に入り、今季はすでに6回入賞。重点強化してきた走りが結果に結びついてきている。直近の団体戦でも銅メダルに貢献しているが、団体スプリント(2人)でも、暁斗とともに3位の実績をあげている。

11月末のFISオンライン記者会見で、河野が注目するべきアスリートとして名前を挙げた、谷地宙(やち そら、21)と木村幸大(20)の成長も楽しみにしたい。

大学生アスリートの2人は、ジュニア世界選手権の団体にともに出場し、6位入賞しているほか、今シーズンのワールドカップ個人では自己最高順位を更新し、実力を伸ばしてきている。谷地は2021年1月からワールドカップにデビューしたばかりだが、12月の団体戦にもメンバーとして起用され、銅メダルに貢献した。2季目となるワールドカップ欧州遠征で先輩たちの姿を近くで見ながら、勝負にこだわるメンタル面の強化の重要性や、体の使い方など、日々勉強を重ねる若手成長株のひとりだ。

過去2大会のオリンピックで兄・暁斗と共に団体に出場した3つ下の弟・善斗は、2021年2月と12月にワールドカップ個人でTOP10入りし、団体の過去2大会では銅メダルを勝ち取ったメンバーのひとりだ。欧州勢のレーススピードに対応できる練習を重ね、クロスカントリーでも力をつけてきた。最年長38歳の永井秀昭は、オフに怪我が重なり思い通り練習ができず開幕を迎えたが、今季初戦からポイントを獲得するなど、復調をみせている。

北京2022でのノルディック複合男子団体は、スキージャンプ・ラージヒル1回の採点と、クロスカントリーリレー4×5kmフリースタイルで競い合う。3強と呼ばれるノルウェー、ドイツ、オーストリアとの力の差はまだあるものの、団体のチーム力を発揮し、ジャンプで首位に立ってから、強化の成果が出てきているクロスカントリーへ持ち込む流れになれば、オリンピックメダルの獲得も今まで以上に近いと言えるだろう。

平昌2018の雪辱は北京2022で。日本男子団体の底力に期待したい。

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