スピードスケートの2024/2025シーズンの主要国際大会が日本初開催となる11月15日〜17日の「ISU四大陸スピードスケート選手権2025」からスタートする。
ヨーロッパを除くアジア、アフリカ、アメリカ、オセアニアのトップスケーターが集結して行われるこの大会は、2020年に始まって以来、2020/2021シーズンを除いて毎シーズン実施され、5回目となる今季は日本で初開催される。
会場となるのは青森県八戸市のYSアリーナ八戸。スピードスケートの強豪国オランダの選手が出場しないとはいえ、アメリカ合衆国、カナダ、中華人民共和国、大韓民国などのトップ選手が集まることから、世界トップレベルの滑りが披露されることは間違いない。
2024年1月に行われた前回のソルトレークシティ大会では、オリンピック金メダリストの髙木美帆が3冠を達成し、男子では北京2022オリンピック銅メダルの森重航らが準優勝を果たすなどして合計12個のメダルを獲得した日本勢。母国開催の強みを活かしたさらなる活躍が期待される。海外からは近年スピードスケート界をわかせているジョーダン・ストルツ(アメリカ合衆国)、オリンピック金メダリストのエリン・ジャクソン(アメリカ合衆国)、イバニー・ブロンディン(カナダ)、イザベル・ワイデマン(カナダ)らが参戦予定。
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックを来シーズンに控える今季のスピードスケート観戦を楽しむ上でも見逃せない今大会の見どころを探ってみよう。
四大陸スピードスケート選手権2024/2025シーズンの注目選手
女子7種目(500m、1000m、1500m、3000m、マススタート、チームスプリント、チームパシュート)、男子7種目(500m、1000m、1500m、5000m、マススタート、チームスプリント、チームパシュート)の合計14種目が実施される今大会。
女子スケーターで最も注目を集めるのは、オリンピック3大会に出場し、金メダル2つを含む合計7個のメダルを獲得している30歳の髙木美帆だろう。昨季の四大陸選手権では1000m、1500m、チースプリントで優勝した髙木は、10月末に行われた全日本距離別選手権でも3冠(1000m、1500m、3000m)を達成。自身が日本記録を持つ1000mでは、大会新記録を出して優勝するなどシーズン序盤ながら好調ぶりを見せつけた。
その髙木と北京2022の1000mで共に表彰台に立った、ブリタニー・ボウがアメリカ合衆国代表チームのメンバーに名を連ねている。36歳のボウは同種目で世界記録を誇る実力者として、八戸で貫禄の滑りを見せてくれることだろう。
前回大会で髙木に次ぐ2冠を果たした、カナダのイバニー・ブロンディン(チームパシュート、マススタート)と、バレリー・マルテ(3000m、チームパシュート)も代表入り。北京オリンピックのマススタートで銀、チームパシュートで金メダルを獲得している30歳のブロンディンは、10月に行われた国内選手権で1000m、1500m、3000mの3冠を達成し、彼女も好調の様子。その勢いを持って日本に降り立つ。北京オリンピックの女子チームパシュートでは、ブロンディン、マルテ、そして北京オリンピックで3つのメダルを手にしたイザベル・ワイデマンのカナダ代表チームが決勝で日本代表を破って優勝しており、今回も見応えのあるレースが期待できるだろう。
女子500mでは、オリンピック金メダリストで32歳のエリン・ジャクソン(アメリカ合衆国)と、同国の国内選手権でジャクソンを破って優勝した、30歳のキミ・ゲッツらの出場が予想される。また四大陸選手権の500mで3大会連続で表彰台に立っている25歳のキム・ミンソン(大韓民国)、全日本距離別選手権を制した21歳の吉田雪乃にも注目だ。
男子スケーターでは、昨季の世界オールラウンドスピードスケート選手権で総合優勝を果たしたジョーダン・ストルツ(アメリカ合衆国)が大会を盛り上げることになるだろう。20歳のシュトルツは昨年のワールドカップ・ソルトレークシティ大会で男子1000mの世界新記録を樹立。世界距離別選手権では、2大会連続で3冠(500m、1000m、1500m)を達成した。昨季の四大陸選手権では1000mを制しており、2連覇に期待がかかる。
またオリンピック1000mで銀メダルに輝いたローラン・デュブルイユ(カナダ)も出場予定。32歳のデュブルイユは四大陸選手権の500mで3連覇なるかが注目される。500mで彼に挑戦するのが、昨季のワールドカップの500mで年間総合優勝を飾った24歳の森重航、そして500mの日本記録保持者の28歳・新濱立也。日本男子は第1回大会以来、全種目において優勝から遠ざかっており、久々の金メダルが期待される。
また、1000m、1500mには、昨季のワールドカップで年間優勝を果たした25歳のニン・チョンイェン(中華人民共和国)などが加わって上位争いを繰り広げることになるだろう。日本からは1000mの日本記録保持者の23歳・野々村太陽、1500m、5000mの日本記録を持つ28歳の一戸誠太郎らが出場し、上位を狙う。
四大陸スピードスケート選手権、大会日程
日本開催となる四大陸スピードスケート選手権は11月15日〜17日の3日間の日程で行われる。会場は青森県八戸市のYSアリーナ八戸。詳しい情報はこちら。
11月15日(金)
- 14:00〜 女子チームスプリント
- 14:14〜 男子チームスプリント
- 14:43〜 女子1500m
- 15:34〜 男子1500m
11月16日(土)
- 14:00〜 女子500m
- 14:28〜 男子500m
- 15:11〜 女子3000m
- 16:11〜 男子5000m
11月17日(日)
- 14:00〜 女子チームパシュート
- 14:20〜 男子チームパシュート
- 14:55〜 女子1000m
- 15:35〜 男子1000m
- 16:26〜 女子マススタート
- 16:47〜 男子マススタート
四大陸スピードスケート選手権2024/2025シーズン、日本代表選手
以下、日本スケート連盟が発表した日本代表選手。
男子日本代表派遣選手
- 新濱立也(しんはま・たつや/高崎健大)
- 野々村太陽(ののむら・たいよう/博慈会)
- 一戸誠太郎(いちのへ・せいたろう/ANA)
- 笠原光太朗(かさはら・こうたろう/専修大学)
- 土屋陸(つちや・りく/白銅)
- 佐々木翔夢(ささき・しょうむ/明治大学)
- 森重航(もりしげ・わたる/オカモトグループ)
- 山田和哉(やまだ・かずや/ウェルネット株式会社)
- 松井大和(まつい・やまと/(株)シリウス)
- 山田将矢(やまだ・まさや/ウェルネット株式会社)
女子日本代表派遣選手
- 吉田雪乃(よしだ・ゆきの/株式会社寿広)
- 髙木美帆(たかぎ・みほ/TOKIOインカラミ)
- 堀川桃香(ほりかわ・ももか/富士急行)
- 野明花菜(のあけ・はな/立教大学)
- 高橋侑花(たかはし・ゆか/大東文化大学)
- 小坂凛(こさか・りん/KHネオケム株式会社)
- 稲川くるみ(いながわ・くるみ/光文堂インターナショナル)
- 佐藤綾乃(さとう・あやの/ANA)
- 山根佳子(やまね・かこ/登寿ホールディングス)
- 新田恭子(にった・きょうこ/博慈会)