オリンピック・スピードスケートの出場枠を確保するには? ミラノ・コルティナ2026

2026年2月に予定されているミラノオリンピック。スピードスケートの出場枠獲得の流れや実施種目、出場人数、主な日程などを紹介する。

2 執筆者 Sean McAlister
Miho Takagi
(Dean Mouhtaropoulos/Getty Images)

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックスピードスケート競技では、世界最高峰のスピードスケーター164人が集結し、ミラノ・アイスパークでメダルをかけて競い合う。

実施されるのは男子は500m、1000m、1500m、5000m、10000m、チームパシュート、マススタートの7種目、女子は500m、1000m、1500m、3000m、5000m、チームパシュート、マススタートの7種目。

スピードスケートは1924年に行われた第1回冬季オリンピック・シャモニー大会で初めて実施され、当時は男子種目のみが実施された。そして8年後のレークプラシッド1932で女子種目が公開種目として行われ、1960年のスコーバレー大会で正式にオリンピックのプログラムに加わった。

その歴史の中で、オリンピック5大会に出場し、スピードスケード選手として最も輝かしい成績(金メダル6個、銀メダル5個、銅メダル2個)をおさめたイレイン・ブスト(オランダ)をはじめ、同じく5大会連続出場で金メダル4個、銀メダル2個、銅メダル3個を獲得したスベン・クラマーといった伝説の選手が名を残し、さらには、チェコのマルティナ・サブリコバが金メダル3個を含む合計7個、日本の髙木美帆が金メダル2個を含む合計7個のメダルを獲得して大会を盛り上げてきた。

今、世界のトップスピードスケーターたちは、4年に1度のその舞台に挑むべくトレーニングを重ねている。

ミラノオリンピックではどんな選手たちが新たな歴史に挑むのか。各種目の出場人数や主な日程など、オリンピック出場枠獲得についての情報をまとめた。

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ミラノオリンピック・スピードスケートの出場枠を得るには?

オリンピックの出場枠は、オリンピック特別参加資格のクラス分け(SOQCS: Special Olympic Qualification Classifications)をもとに、各地の国内オリンピック委員会がそれぞれの枠を獲得する。

SOQCは、ポイントランキングとタイムランキングのふたつで構成される。SOQCポイントランキングはISU(国際スケート連盟)が2025/2026シーズンに主催する特定のワールドカップの成績をもとに作成され、タイムランキングはそれらの大会で選手が達成したベストタイムがベースとなる。

また、種目ごとに国内オリンピック委員会が獲得できる出場枠の最大数が設けられている(例えば、女子500mでは最大3枠)。

ミラノ・コルティナ2026出場枠の詳しい内容については、公式資料で確認できる

ミラノオリンピック・スピードスケート予選大会の主な日程は?

  • 2025年7月1日:ISU(国際スケート連盟)が参加標準記録を発表
  • 2025年7月1日~2026年1月18日:参加標準記録達成期間
  • 2025年8月1日:ISUがオリンピック特別参加資格のクラス分けを決める大会(ISUワールドカップ・スピードスケート大会)とNOC出場枠を発表
  • 2025年11月1日~12月14日:SOQCを決定するISUワールドカップ・スピードスケート
  • 2025年12月19日:SOQCの発表
  • 2026年1月26日:ミラノ・コルティナ2026 競技エントリー締切

ミラノ・コルティナ2026のスピードスケートに出場する選手の数は?

ミラノ・コルティナ2026のスピードスケート競技には、合計164人のスケーターが出場する。

  • 男子500m:28※
  • 男子1000m:28※
  • 男子1500m:28※
  • 男子5000m:20
  • 男子10000m:12
  • 男子マススタート:24※
  • 男子チームパシュート:8チーム
  • 女子500m:28※
  • 女子1000m:28※
  • 女子1500m:28※
  • 女子3000m:20
  • 女子5000m:12
  • 女子マススタート:24※
  • 女子チームパシュート:8チーム

※ 最大30まで増える可能性もある

ミラノ・コルティナ2026スピードスケートの実施種目と日程

ミラノオリンピックのスピードスケート競技では、以下の14種目が実施される。

  • 男子500m
  • 男子1000m
  • 男子1500m
  • 男子5000m
  • 男子10000m
  • 男子マススタート
  • 男子チームパシュート
  • 女子500m
  • 女子1000m
  • 女子1500m
  • 女子3000m
  • 女子5000m
  • 女子マススタート
  • 女子チームパシュート

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックは、2026年2月6日〜22日に行われる。

前回大会のオリンピックメダリスト

前回の北京2022では以下の選手たちがメダルを獲得した。

男子10000m

  • 🥇 金:ニルス・ファンデルプール(スウェーデン)
  • 🥈 銀:パトリック・ルスト(オランダ)
  • 🥉 銅:ダビデ・ギオット(イタリア)

男子1000m

  • 🥇 金:トマス・クロル(オランダ)
  • 🥈 銀:ローラン・デュブルイユ(カナダ)
  • 🥉 銅:ホーバル・ロレンセン(ノルウェー)

男子1500m

  • 🥇 金:キエルド・ナウシュ(オランダ)
  • 🥈 銀:トマス・クロル(オランダ)
  • 🥉 銅:キム・ミンソク(大韓民国)

男子5000m

  • 🥇 金:ニルス・ファンデルプール(スウェーデン)
  • 🥈 銀:パトリック・ルスト(オランダ)
  • 🥉 銅:ハルゲイル・エンゲブローテン(ノルウェー)

男子500m

  • 🥇 金:ガオ・ティンユ(高亭宇/中華人民共和国)
  • 🥈 銀:チャ・ミンギュ(大韓民国)
  • 🥉 銅:森重航(日本)

男子マススタート

  • 🥇 金:バート・スウィングス(ベルギー)
  • 🥈 銀:チョン・ジェウォン(大韓民国)
  • 🥉 銅:イ・スンフン(大韓民国)

男子チームパシュート

  • 🥇 金:ノルウェー
  • 🥈 銀:ROC
  • 🥉 銅:アメリカ合衆国

女子1000m

  • 🥇 金:髙木美帆(日本)
  • 🥈 銀:ユッタ・リールダム(オランダ)
  • 🥉 銅:ブリタニー・ボウ(アメリカ合衆国)

女子1500m

  • 🥇 金:イレイン・ブスト(オランダ)
  • 🥈 銀:髙木美帆(日本)
  • 🥉 銅:アントワネット・デヨング(オランダ)

女子3000m

  • 🥇 金:イレーネ・スハウテン(オランダ)
  • 🥈 銀:フランチェスカ・ロロブリジーダ(イタリア)
  • 🥉 銅:イザベル・ワイデマン(カナダ)

女子5000m

  • 🥇 金:イレーネ・スハウテン(オランダ)
  • 🥈 銀:イザベル・ワイデマン(カナダ)
  • 🥉 銅:マルティナ・サーブリーコヴァー(チェコ共和国)

女子500m

  • 🥇 金:エリン・ジャクソン(アメリカ合衆国)
  • 🥈 銀:髙木美帆(日本)
  • 🥉 銅:アンゲリナ・ゴリコワ(ROC)

女子マススタート

  • 🥇 金:イレーネ・スハウテン(オランダ)
  • 🥈 銀:イバニー・ブロンディン(カナダ)
  • 🥉 銅:フランチェスカ・ロロブリジーダ(イタリア)

女子パシュート

  • 🥇 金:カナダ
  • 🥈 銀:日本
  • 🥉 銅:オランダ

注:オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会(NOC)が責任を持っており、ミラノ・コルティナ2026への選手の参加は、選手が属するNOCがミラノ・コルティナ2026代表選手団を選出することにより確定する。

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