オリンピック・アルペンスキーの出場枠を確保するには? ミラノ・コルティナ2026

2026年2月に予定されているミラノオリンピック。アルペンスキーの出場枠獲得の流れや実施種目、出場人数などを紹介する。

2 執筆者 Benedetta Acri
Federica Brignone - Beijing 2022
(2022 Getty Images)

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックでは、スポーツ界最高の栄誉であるオリンピックメダルをかけて世界最高峰のスキーヤー306人が競い合う。

女子種目はコルティナ・ダンペッツォのトファーネ・アルペンスキーセンターで、男子種目はボルミオのステルヴィオ・スキーセンターで競技が行われる。

ミラノオリンピックでは、スラローム(回転)、ジャイアントスラローム(大回転)、スーパーG、ダウンヒル(滑降)、団体コンバインドの5種目が男女それぞれで行われ、合計10組のメダルが授与される。前回の北京2022で行われた混合団体パラレル、男子および女子アルペンコンバインドは、今大会では実施されない。

アルペンスキーはガルミッシュ・パルテンキルヘン1936で初めてオリンピックのプログラムに登場し、当時は男子および女子のアルペンコンバインドのみが実施された。その後、スラロームとダウンヒル(1948年に行われたサンモリッツ大会)、ジャイアントスラローム(1952年のオスロ大会)、スーパーG(1988年のカルガリー大会)が徐々に追加され、大きく成長。その歴史の中で多くの伝説が生まれ、アルペンスキーで最も輝かしい成績を収めたチェーティル・アンドレ・オーモット(ノルウェー)、オリンピック金メダルを3個手にしたイタリアのアルベルト・トンバデボラ・コンパニョーニ、ドイツのカーチャ・ザイツィンガーマリア・ヘフィル・リーシュなどが大会を盛り上げてきた。

近年では、金メダル2つを手にしているミカエラ・シフリン(アメリカ合衆国)、スーパーG金メダルのララ・グート・ベーラミ(スイス)、そしてオーストリアのマティアス・マイヤーヨハネス・シュトロルツが複数の金メダルを手にし、競技をさらなる高みへと押し上げている。

ミラノオリンピックではどんな選手たちが新たな歴史に挑むのか。各種目の出場人数や出場枠がかかる大会の日程など、オリンピック出場枠獲得についての情報をまとめた。

ミラノオリンピック・アルペンスキーの出場枠を得るには?

ミラノ・コルティナ2026におけるアルペンスキーの出場枠は、2026年1月19日に発表される「FISワールドカップ・スターティングリスト(WCSL)」「オリンピック出場枠配分リスト」を中心に決定する。このリストは、オリンピックFISポイントリストの上位500人のうち、オリンピック予選期間中(2024年7月1日~2026年1月18日)にダウンヒル、スーパーG、ジャイアントスラローム、スラロームの大会に出場した男子および女子選手が含まれる。

FISワールドカップ・スターティングリストのトップ30に選手(1人または複数人)がランクインしている国内オリンピック委員会が出場枠を得る(最大2枠)。2人以上がランクインしている場合や、1人の選手が複数の種目でトップ30に入っている場合は、2枠となる。残りの出場枠は、オリンピック出場枠配分リストをもとに決まる。

オリンピックFISポイントリストは、予選期間中に行われた大会のスラロームとジャイアントスラロームのレースのうち好成績5つの平均と、ダウンヒルとスーパーGのレースのうち好成績2つの平均を用いて算出される。スラロームとジャイアントスラロームの大会に関しては、男子は30人以上、女子は20人以上の参加したレースのみが対象となる。

ミラノ・コルティナ2026出場枠の詳しい内容については、公式資料で確認できる

ミラノオリンピック、アルペンスキー予選の主な日程は?

  • 2024年7月1日〜2026年1月18日:予選期間
  • 2026年1月19日:オリンピック出場枠配分リスト発表
  • 2026年1月26日:ミラノ・コルティナ2026 競技エントリー締切

ミラノ・コルティナ2026のアルペンスキーに出場する選手の数は?

ミラノ・コルティナ2026のアルペンスキー競技には、合計306人(男子153人、女子153人)が出場する。

国内オリンピック委員会が獲得できる出場枠は、最大22(男子11、女子11)。各種目には男女それぞれ4人まで、団体戦では4チームまでエントリー可能となる。

ミラノ・コルティナ2026アルペンスキーの実施種目と日程

ミラノオリンピックのアルペンスキー競技では10種目が行われる。

  • 男子スラローム(回転)
  • 女子スラローム(回転)
  • 男子ジャイアントスラローム(大回転)
  • 女子ジャイアントスラローム(大回転)
  • 男子スーパーG(スーパー大回転)
  • 女子スーパーG(スーパー大回転)
  • 男子 ダウンヒル(滑降)
  • 女子ダウンヒル(滑降)
  • 男子団体コンバインド(複合)
  • 女子団体コンバインド(複合)

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックは、2026年2月6日〜22日に行われる。

前回大会のオリンピックメダリスト

男子ダウンヒル

  • 🥇 金:ベアト・フォイツ(スイス)
  • 🥈 銀:ヨアン・クラレイ(フランス)
  • 🥉 銅:マティアス・マイヤー(オーストリア)

女子ダウンヒル

  • 🥇 金:コリーヌ・スッター(スイス)
  • 🥈 銀:ソフィア・ゴッジャ(イタリア)
  • 🥉 銅:ナディア・デラーゴ(イタリア)

男子スーパーG

  • 🥇 金:マティアス・マイヤー(オーストリア)
  • 🥈 銀:ライアン・コクランシーガル(アメリカ合衆国)
  • 🥉 銅:アレクサンデル・オーモット・キルデ(ノルウェー)

女子スーパーG

  • 🥇 金:ララ・グート・ベーラミ(スイス)
  • 🥈 銀:ミリアム・プフナー(オーストリア)
  • 🥉 銅:ミシェル・ギザン(スイス)

男子スラローム

  • 🥇 金:クレマン・ノエル(フランス)
  • 🥈 銀:ヨハネス・シュトロルツ(オーストリア)
  • 🥉 銅:セバスチャン・フォスソレボーグ(ノルウェー)

女子スラローム

  • 🥇 金:ペトラ・ブルホバ(スロベニア)
  • 🥈 銀:カタリナ・リンスベルガー(オーストリア)
  • 🥉 銅:ウェンディ・ホルデナー(スイス)

男子ジャイアントスラローム

  • 🥇 金:マルコ・オーデルマット(スイス)
  • 🥈 銀:ザン・クラニエッツ(スロベニア)
  • 🥉 銅:マチュー・フェーブル(フランス)

女子ジャイアントスラローム

  • 🥇 金:サラ・ヘクトル(スウェーデン)
  • 🥈 銀:フェデリカ・ブリニョネ(イタリア)
  • 🥉 銅:ララ・グート・ベーラミ(スイス)

男子アルペンコンバインド

  • 🥇 金:ヨハネス・シュトロルツ(オーストリア)
  • 🥈 銀:アレクサンデル・オーモット・キルデ(ノルウェー)
  • 🥉 銅:ジェームズ・クロフォード(カナダ)

女子アルペンコンバインド

  • 🥇 金:ミシェル・ギザン(スイス)
  • 🥈 銀:ウェンディ・ホルデナー(スイス)
  • 🥉 銅:フェデリカ・ブリニョネ(イタリア)

混合団体パラレル

  • 🥇 金:オーストリア
  • 🥈 銀:ドイツ
  • 🥉 銅:ノルウェー

注:オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会(NOC)が責任を持っており、ミラノ・コルティナ2026への選手の参加は、選手が属するNOCがミラノ・コルティナ2026代表選手団を選出することにより確定する。

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