「初日から、もう少しだけでいいので、いいプレーができていたら、まだプレーしていたと思う」
首位に2打差まで迫る猛チャージを見せ、上位選手に先立ってホールアウトした松山英樹(LEXUS)。顔の端に、少しだけ苦笑いを浮かべて語ったこの言葉に、4日間のラウンドが詰まっていた。
今季海外メジャー3戦目、PGAツアーの「全米オープン」の最終ラウンドが現地時間6月19日に行われた。コースはアメリカ合衆国マサチューセッツ州ブルックラインのザ・カントリークラブ(7264ヤード・パー70)。松山は我慢のゴルフが続きながらも、6打差の17位タイにつけてこの日を迎えていた。
初日と2日目はイーブン。安定したショットを重ねてチャンスを作っていたが、パットがなかなか決まらない。3日目はバーディーなしの2ボギーと、もどかしさもあっただろう。それでも大崩れすることなく、上位にとどまっていたのは、紛れもなく松山の実力だ。
そして最終ラウンドでは、4日間、全選手の中でベストスコアとなる「65」をマーク。前日にノーバーディーだったことが嘘のように、パッティングが決まった。ホールアウト時点で首位と2打差まで迫る猛チャージ。結局追いつくことはできず、優勝したマシュー・フィッツパトリック(イングランド)と3打差、通算3アンダーの単独4位で大会を終えた。
パッティングが入ってくれたのはすごく良かったと思います。ショットも大きなミスをすることなく、グリーンを捉えることができました。そこも良かったなと思っています。
4日間を通じてアンダーパーで回った選手は一人もいなかったという事実が、今大会の難しさを示している。初日で首位スタートを決めたアダム・ハドウィン(カナダ)は、それ以降スコアを伸ばせず7位タイ。2日目で首位に立ったコリン・モリカワ(米国)は3日目に「77」と大きく崩れた。
だからこそ、3日目までにパッティングが入っていたら……と思わずにはいられない。それでも、あくまでも松山は「そこが今後の課題」と捉え、すでに前を向いている。
ショットも完璧かと言われるとそうではなかったです。その中でもこうやってスコアを出せたことは自信になります。これから、次の試合でもこういったパフォーマンスを出せるように頑張りたいと思います。
次なるメジャーは7月14日開幕の全英オープン。全米オープンで改めて示した実力からすれば、メジャー2勝目は十分に射程圏内だ。