オリンピック・フリースタイルスキーの出場枠を確保するには? ミラノ・コルティナ2026

2026年2月に予定されているミラノオリンピック。フリースタイルスキーの出場枠獲得の流れや実施種目、出場人数、主な日程などを紹介する。

2 執筆者 Marta Martin
Eileen Gu at Beijing 2022
(Richard Heathcote/Getty Images)

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックでは、フリースタイルスキーの選手たちのダイナミックかつエキサイティングなパフォーマンスが再び大会を盛り上げることになるだろう。

合計284人のフリースタイルスキーヤーが、オリンピックメダルという最大の目標を掲げ、大会にすべてをぶつける。

フリースタイルスキーは、1988年のカルガリー大会で公開競技として初めて実施され、1992年のアルベールビル大会では、モーグル種目がプログラムに採用された。以来、種目数は増え、2026年のミラノ・コルティナ大会では、男子および女子のデュアルモーグルが初めて行われる。

この追加種目により、フリースタイルスキー競技は合計15種目となり、そのすべてがヴァルテッリーナ・リヴィーニョで実施される。

アイリーン・グー(中華人民共和国)が2022年の北京大会でハーフパイプとビッグエアで金メダル、スロープスタイルで銀メダルを獲得し、一躍脚光を浴びたのを覚えている人も多いだろう。その栄光を追いかけ、アレクサンダー・ホール(アメリカ合衆国)やテス・ルドゥー(フランス)など、他の若いスター選手たちも王座を狙っている。

ミラノオリンピックではどんな選手たちが新たな歴史に挑むのか。各種目の出場人数や主な日程など、オリンピック出場枠獲得についての情報をまとめた。

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ミラノオリンピック・フリースタイルスキーの出場枠を得るには?

フリースタイルスキー個人種目

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックでのフリースタイルスキー競技の出場枠は、2026年1月19日に発表される「オリンピック出場枠配分リスト(オリンピック・クォータ・アロケーション・リスト)」をもとに決定する。

オリンピック出場枠配分リストとは、男女別の種目ごとのランキングリストで、以下のものを加算して算出される。

  • 各選手が予選期間中(2024年7月1日〜2026年1月18日)に獲得したFISワールドカップポイント
  • 2025年FISフリースタイルスキー・フリースキー世界選手権における各選手のランキングポイント

ビッグエアおよびスロープスタイルの場合、2025年世界選手権のポイントに加え、ワールドカップ(W杯)におけるビッグエアの好成績4つとスロープスタイルの好成績6つの結果のみが採用される。

リストの上から順に、種目ごとおよび国内オリンピック委員会が獲得できる出場枠の上限に達するまで、選手1人につき1枠がそれぞれが属する国内オリンピック委員会に配分される。

スロープスタイルとビッグエア、モーグルとデュアルモーグルは、出場枠獲得プロセスにおいては1種目とみなされ、出場枠を獲得した場合は両方の種目に出場することができる。

また開催国は、各種目で出場枠を1枠ずつ獲得する。

フリースタイルスキー混合団体エアリアル

AETオリンピック出場枠配分リストをもとに、8チームが出場枠を得る。このリストは、それぞれの国内オリンピック委員会の女子エアリアル選手上位2人と男子エアリアル選手の上位2人のオリンピック出場枠配分ポイントを加算して算出される。

ミラノ・コルティナ2026出場枠の詳しい内容については、公式資料で確認できる

ミラノオリンピック・フリースタイルスキー予選期間の主な日程は?

  • 2024年7月1日~2026年1月18日:予選期間
  • 2025年3月17日~30日:2025年FISスノーボード、フリースタイル、フリースキー世界選手権(サンモリッツ・エンガディン)
  • 2026年1月19日:オリンピック出場枠配分リストの発表
  • 2026年1月26日:ミラノ・コルティナ2026 競技エントリー締切

ミラノ・コルティナ2026のフリースタイルスキーに出場する選手の数は?

ミラノ・コルティナ2026のフリースタイルスキー競技には、合計284人(男子142、女子142)が参加する。

国内オリンピック委員会1団体あたりの出場枠は最大30枠だが、エアリアルで3枠以上を獲得し、混合団体エアリアルに出場できる団体は、最大32人(男子16、女子16)を得ることができる。また、各個人種目には男女それぞれ最大4人まで、混合団体エアリアルには最大1チームまでが出場できる。

それぞれの種目の出場枠は以下の通り。

  • エアリアル:男子25人、女子25人
  • モーグル、デュアルモーグル:男子30人、女子30人
  • スキークロス:男子32人、女子32人
  • フリースキー・ハーフパイプ:男子25人、女子25人
  • フリースキー・スロープスタイル、ビッグエア:男子30人、女子30人

ミラノ・コルティナ2026フリースタイルスキーの実施種目と日程

ミラノオリンピックのフリースタイルスキー競技では、以下の15種目が実施される。

  • エアリアル(男子および女子)
  • モーグル(男子および女子)
  • デュアルモーグル(男子および女子)
  • スキークロス(男子および女子)
  • フリースキー・ハーフパイプ(男子および女子)
  • フリースキー・スロープスタイル(男子および女子)
  • フリースキー・ビッグエア(男子および女子)
  • 男女混合エアリアル

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックは、2026年2月6日〜22日に行われる。

前回大会の冬季オリンピックメダリスト(北京2022)

女子モーグル

  • 🥇 金:ジャカラ・アンソニー(オーストラリア)
  • 🥈 銀:ジェーリン・カウフ(アメリカ合衆国)
  • 🥉 銅:アナスタシア・スミルノワ(ROC)

男子モーグル

  • 🥇 金:バルター・バルベリ(スウェーデン)
  • 🥈 銀:ミカエル・キングズベリー(カナダ)
  • 🥉 銅:堀島行真(日本)

女子フリースキー・ビッグエア

  • 🥇 金:アイリーン・グー(中華人民共和国)
  • 🥈 銀:テス・ルドゥー(フランス)
  • 🥉 銅:マチルド・グレモー(スイス)

男子フリースキー・ビッグエア

  • 🥇 金:ビルク・ルー(ノルウェー)
  • 🥈 銀:コルビー・スティーブンソン(アメリカ合衆国)
  • 🥉 銅:ヘンリク・ハルロウ(スウェーデン)

女子エアリアル

  • 🥇 金:シュ・メンタオ(中華人民共和国)
  • 🥈 銀:ハンナ・フスコワ(ベラルーシ)
  • 🥉 銅:メーガン・ニック(アメリカ合衆国)

男子エアリアル

  • 🥇 金:キ・グアンプ(中華人民共和国)
  • 🥈 銀:オレクサンドル・アブラメンコ(ウクライナ)
  • 🥉 銅:イリア・ブロフ(ROC)

女子フリースキー・スロープスタイル

  • 🥇 金:マチルド・グレモー(スイス)
  • 🥈 銀:アイリーン・グー(中華人民共和国)
  • 🥉 銅:ケリー・シルダル(エストニア)

男子フリースキー・スロープスタイル

  • 🥇 金:アレクサンダー・ホール(アメリカ合衆国)
  • 🥈 銀:ニコラス・ゲーパー(アメリカ合衆国)
  • 🥉 銅:イエスペル・チャデル(スウェーデン)

女子スキークロス

  • 🥇 金:サンドラ・ネスルント(スウェーデン)
  • 🥈 銀:マリエル・トンプソン(カナダ)
  • 🥉 銅:ダニエラ・マイヤー(ドイツ)/ ファニー・スミス(スイス)

男子スキークロス

  • 🥇 金:ライアン・レゲツ(スイス)
  • 🥈 銀:アレックス・フィバ(スイス)
  • 🥉 銅:セルゲイ・リジク(ROC)

女子フリースキー・ハーフパイプ

  • 🥇 金:アイリーン・グー(中華人民共和国)
  • 🥈 銀:キャシー・シャープ(カナダ)
  • 🥉 銅:レーチェル・カーカー(カナダ)

男子フリースキー・ハーフパイプ

  • 🥇 金:ニコ・ポーティアス(ニュージーランド)
  • 🥈 銀:デービッド・ワイズ(アメリカ合衆国)
  • 🥉 銅:アレックス・フェレイラ(アメリカ合衆国)

混合団体エアリアル

  • 🥇 金:アメリカ合衆国
  • 🥈 銀:中華人民共和国
  • 🥉 銅:カナダ

注:オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会(NOC)が責任を持っており、ミラノ・コルティナ2026への選手の参加は、選手が属するNOCがミラノ・コルティナ2026代表選手団を選出することにより確定する。

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