年末年始恒例のスキージャンプ週間(フォーヒルトーナメント)が、今年もドイツ、オーストリアの4都市で開催される。
第73回を迎える今大会は12月28日にドイツ・オーベルストドルフで幕を開け、1月6日にオーストリア・ビショフスホーフェンで幕を閉じる。
昨年は北京2022オリンピック金メダリストの小林陵侑(りょうゆう)が総合優勝を果たし、2連覇が期待される。一方で、開催地となるドイツ、オーストリアのスキージャンパーらが今シーズンのW杯で存在感を発揮しており、地元ファンの期待を背負って大会に挑む。
ここではスキージャンプ週間がどんなフォーマットで行われるのか、さらには今大会の注目選手・日程・ライブ配信情報をまとめた。
スキージャンプ週間とは? 会場・フォーマット
スキージャンプ男子W杯を兼ねて実施されるスキージャンプ週間は、W杯よりも長い歴史を誇る年末年始恒例のスキージャンプ大会。日本語で「週間」と名付けられている通り、開催期間はおよそ1週間にわたる。英語では「フォーヒルトーナメント(Four Hills Tournament)」と呼ばれ、ドイツのオーベルストドルフとガルミッシュパルテンキルヘン、オーストリアのインスブルックとビショフスホーフェンの4会場で行われる。
- オーベルストドルフ(ドイツ)
- ガルミッシュパルテンキルヘン(ドイツ)
- インスブルック(オーストリア)
- ビショフスホーフェン(オーストリア)
8日間にかけて全4戦が行われ、それぞれで優勝および順位が決まり、W杯ポイントとしてランキングに反映されるほか、4戦の合計得点で総合優勝が決まる。
1953年に始まった長い歴史の中で、日本勢の総合優勝は1997/1998シーズンの船木和喜が初めて。2018/2019シーズンには小林陵侑が日本勢2人目の総合優勝者となった。小林はこの年の大会で史上3人目の全勝優勝を達成。現在までに合計3度優勝しており、歴代3位タイの総合優勝回数を誇る。
大会フォーマットも通常のW杯とは異なる。予選を通過した50人が1対1で本戦1本目に挑み(予選通過1位と50位、2位と49位…が対戦する)、勝者25人と、敗者のうち上位5人の合計30人が本戦2本目を飛ぶ機会を得る。
スキージャンプ週間 2024/2025の注目選手
前回(2023/2024)大会では小林が4戦すべてで2位につけ、各大会で優勝することはなかったもののその安定した成績で総合優勝を達成した。小林の2連覇が期待されるが、11月下旬に始まったW杯シーズンで体調不良が響き、10戦を終えた現在、最高は12位。だが直近の4大会で上り調子となっているだけに、スキージャンプ週間でさらに調子を上げられるかが注目される。
一方、W杯ランキングで日本勢では小林よりも上位に入るのが二階堂蓮で、ポーランド・ビスワで行われ個人第6戦では自己最高の6位。大会後に自身のソーシャルメディアで「惜しくもポディウム獲得とはならなかった2日間でしたが、確実に手が届くとこまで来てます!」と手応えを実感。ジャンプ週間の舞台で初の表彰台に立つことができるのだろうか。
海外選手では、シーズン序盤から好調な滑り出しを見せたピウス・パシュケ(ドイツ)が、今大会の優勝候補に挙げられている。
34歳のパシュケは、開幕から10戦中5勝を挙げ、ワールドカップ・ランキングで首位を独走中。ドイツ勢は2002年に優勝したスヴェン・ハンナバルトを最後に総合優勝から遠ざかっており、パシュケの活躍に期待がかかる。
同じくドイツのアンドレアス・ウェリンガーは、平昌2018オリンピックのノーマルヒルで金、ラージヒル銀メダルを獲得した実力者。だが、まだジャンプ週間の総合優勝には届いていない。昨年の大会では小林に及ばず自身2度目の総合2位となっており、3度目の正直を狙う。
またW杯ランキングでは現在2位から4位をオーストリア勢が占めており、12月22日のエンゲルベルク(スイス)大会ではダニエル・チューフェニッヒ、ヤン・ホール、シュテファン・クラフトが表彰台を独占。なかでも22歳のチューフェニッヒは今季すでに6度表彰台に立っており、ジャンプ週間でも上位に入ることが予想される。また昨年W杯の年間優勝を果たしたクラフトは、2015年以来10年ぶり2度目の総合優勝を狙う。
スキージャンプ週間 2024/2025の日程・ライブ配信情報
以下、現地時間。日本時間は8時間進んでいる。
オーベルストドルフ(ドイツ)
- 2024年12月28日 16:30 予選
- 2024年12月29日 16:30 本戦
ガルミッシュパルテンキルヘン(ドイツ)
- 2024年12月31 日 13:30 予選
- 2025年1月1日 14:00 本戦
インスブルック(オーストリア)
- 2025年1月3日 13:30 予選
- 2025年1月4日 13:30 本戦
ビショフスホーフェン(オーストリア)
- 2025年1月5日 16.30 予選
- 2025年1月6日 16:30 本戦
スキージャンプ週間の模様は、J SPORTSでオンデマンド配信が予定されている。