ISU(国際スケート連盟)世界フィギュアスケート選手権2022(フランス・モンペリエ)は現地時間3月24日、男子シングルの前半ショートプログラム(SP)を実施。首位に立った宇野昌磨(トヨタ自動車)、2位の鍵山優真(オリエンタルバイオ/星槎)、3位の友野一希(セントラルスポーツ)がそろって記者会見に臨んだ。
宇野はSPを振り返り「練習してきたものをそのまま試合で出せてうれしい」と納得の表情。「自分をいつもより良く見せようとせず、いつも通りを見せようと意識した」ことが要因だったと語った。また、成長著しい鍵山の存在に影響を受けたといい、「昔の、上だけを見て練習していた日々を思い出した」と心境の変化も明かした。
その鍵山はSPの演技について「冒頭の4回転2本は現地での練習よりもいいものが跳べた。そこに驚いてしまい、トリプルアクセルが慎重になってしまった」と成果と課題の両面を挙げた。26日の後半フリースケーティング(FS)に向けては「今大会は結果やメダルよりもシーズン最後の試合として、悔いの残らないようにしたい」と意気込みを語っている。
友野は「しっかり調整できたのが点数につながった。今季一番の目標だった100点超えを世界選手権で達成できてうれしく思う」と手応えを語った。クープドプランタン(3月18-20日/ルクセンブルク)でシーズンを終える予定だったが、急遽今大会への出場が決定。それでも「過去に4度、今回のような代替出場の経験があり、意外とすぐに覚悟が決まった」と問題にはならなかったと明かしている。
宇野昌磨
今日の演技の感想としてはとてもうれしい。練習で成功して試合で失敗することは何度もあった。練習してきたものをそのまま試合で出せてうれしい。
自分をいつもより良く見せようとせず、いつも通りを見せようと意識した結果、余裕のある演技ができた。SPはジャンプの難度が低く、それ以外の部分にもっと力を入れられる。今年は自分のフィギュアスケートが再発進した年だと思っている。もっと成長を見せたい。
優真くんの成長を間近で見て、昔の、上だけを見て練習していた日々を思い出した。お手本となる先輩になりたいという気持ちが出てきた。現状維持をしていたらすぐに追いつかれてしまう。いまでも優真くんの方がうまいところばかり。なんとか食らいついていけている理由として、優真くんの影響が大きいと思う。
鍵山優真
冒頭の4回転2本は現地での練習よりもいいものが跳べた。そこに驚いてしまい、トリプルアクセルが慎重になってしまった。滑りと体の軌道が外れて「転ぶかな」と思ったが、耐えられてよかった。
(試合後にコーチと)アクセルの反省会と、FSにループいれるかどうかを話した。もちろん、入れるつもりでいる。今大会は結果やメダルよりもシーズン最後の試合として、悔いの残らないようにしたいと思っている。逃げずに、しっかりとループを決めたい。
友野一希
(代替としての世界選手権は)急な知らせだったが、しっかり調整できたのが点数につながった。今季一番の目標だった100点超えを世界選手権で達成できてうれしく思う。
クープドプランタンでシーズンを終える予定で、その移動中に(世界選手権への)出場が決まった。過去に4度、今回のような代替出場の経験があり、意外とすぐに覚悟が決まった。世界選手権に照準を合わせて、プランタンでの試合中も世界選手権のことを考えて過ごしていた。