2022年8月に東京で行われた前回大会から1年。バドミントンの世界選手権2023が8月21日〜27日の7日間でデンマーク・コペンハーゲンで開催される。
前回大会では山口茜が大会2連覇を達成し、「ワタガシ」の愛称で親しまれる東京2020銅メダリストの東野有紗&渡辺勇大(ゆうた)ペアが準優勝を飾った日本勢。来年に迫るパリ2024オリンピックに向けて、ランキングポイントの高いこの世界選手権で選手たちはどんな戦いを見せてくれるのだろうか。
バドミントン世界選手権2023、注目の日本人選手
女子シングルス
女子シングルスでは3連覇がかかる26歳の山口茜に注目が集まる。今年は1月のマレーシア・オープン(スーパー1000)で優勝し、6月のシンガポール・オープン(スーパー750)で準優勝を果たしているが、2連覇の状態で挑んだ7月のジャパン・オープン(スーパー750)では準々決勝で格下の選手に敗北。試合後には「何度も頑張ることを投げ出したくなった」と自身のソーシャルメディアでつづった。世界女王・山口は、気持ちを立て直して世界選手権に挑む。
8月1日に更新された世界ランキングで山口は2位に後退し、今大会は第2シード。第1シードとなったのは、山口に代わって世界ランク1位に上り詰めた21歳のアン・セヨン(大韓民国)。前回大会では山口が準決勝で勝利したが、直近の対戦(6月のシンガポール・オープン)では決勝の舞台で山口がストレート負け。今大会で互いに順当に勝ち上がれば決勝で対戦することになる。だがそれまでに、山口は第4シードでChinese Taipeiのタイ・ツーイン(戴資穎)を倒さなければならないだろう。
日本からは長年女子バドミントン界を牽引し、世界選手権では2度表彰台(2017年優勝、2019年2位)に立った奥原希望も出場する。
男子シングルス
男子シングルスでは、日本の新エースとして急成長している奈良岡功大が第4シードで戦いに挑む。22歳の奈良岡は2022年の1年間で世界ランクを40位ほど上げ、現在4位。直近のワールドツアー4大会では、初戦敗退となったオーストラリア・オープン(8月/スーパー500)を除いて3大会連続でトップ4に入っている。
奈良岡が今大会で順当に勝ち上がれば、準決勝で第2シードのアンソニーシニスカ・ギンティン(インドネシア)と当たることになるだろう。
このほか日本からは、昨年の世界選手権1回戦で当時世界ランク3位だったアンダース・アントンセン(デンマーク)を破る番狂わせを演じた28歳の西本拳太、7月のジャパン・オープン1回戦で世界ランク2位のギンティンをストレートで破った27歳の常山幹太がデンマークに向かう。
大会第1シードは、世界ランク1位のビクトル・アクセルセン(デンマーク)。ジャパン・オープンでも優勝したアクセルセンは、地元ファンの声援を後押しに世界選手権2連覇を狙う。
女子ダブルス
女子ダブルスには日本から4組がエントリーする。4組ともにシードとなっており、第4シードに永原和可那&松本麻佑の「ナガマツ」ペア、第5シードに福島由紀&廣田彩花の「フクヒロ」ペア、第7シードに志田千陽&松山奈未の「シダマツ」ペア、第14シードに中西貴映(きえ)&岩永鈴の「ナカイワ」ペアが入る。
中でもこれまでの世界選手権で表彰台に4度(優勝2回、3位2回)立っている「ナガマツ」ペアは今年6月、7月のワールドツアー4大会で連続して表彰台に立っており、その勢いを今大会にぶつける。
女子ダブルスの第1シードは東京2020銀メダリストで中華人民共和国のチェン・チンチェン(陳清晨)&ジャ・イーファン(賈一凡)。世界選手権女子ダブルスで3度の優勝を誇る。
男子ダブルス
男子ダブルスでは、2021年大会を制した保木卓朗&小林優吾ペアが前回の東京大会・準々決勝で敗れた悔しさを晴らすべく、戦いに挑む。現在世界ランク5位で、今大会第4シードの「ホキコバ」ペアは、7月のジャパン・オープンで東京2020オリンピック金メダルのリー・ヤン&ワン・チーリン(Chinese Taipei)に敗れて2位。続くオーストラリア・オープンではカン・ミンヒョク&ソ・スンジェ(大韓民国)に敗北を喫して準優勝に留まっている。世界選手権2023では表彰台のもう1歩高いところまで進めるのか? 今大会で順当に勝ち上がれば、準々決勝で第3シードのリャン・ウェイケン(梁偉鏗)&ワン・チャン(王昶)と対戦することになるだろう。
男子ダブルスの第1シードはインドネシアのファジャル・アルフィアン&ムハマド・リアン・アルディアントで、前回大会は3位。その大会を制したマレーシアのアーロン・チア&ソー・ウーイクは第4シード。日本からは古賀輝&齋藤太一ペアもエントリーする。
混合ダブルス
混合ダブルスでは、東京2020銅メダルの東野有紗&渡辺勇大の「ワタガシ」ペアが前回2位からのランクアップを目指す。
7月のジャパン・オープンでは、準決勝で中華人民共和国のファン・ヤーチョン(黄雅瓊)&ジェン・スーウェイ(鄭思維)ペアを破り、決勝では前年の同大会決勝で敗れたデチャポン・プアヴァラヌクロー&サプシリー・タエラッタナチャイ組(タイ)に競り勝ち、日本のファンの前で優勝を果たした。今回の大会には世界ランク2位として第2シードで戦いに挑む。大会第1シードは世界ランク1位のファン&ジェン組。
このほか日本からは、山下恭平&篠谷菜留(しのや・なる)ペア、金子祐樹&松友美佐紀ペア、緑川大輝&齋藤夏ペアが出場する。
バドミントン世界選手権2023、日本代表選手一覧
男子シングルス
- 奈良岡功大
- 西本拳太
- 常山幹太
女子シングルス
- 山口茜
- 奥原希望
男子ダブルス
- 保木卓朗&小林優吾
- 古賀輝&齋藤太一
女子ダブルス
- 志田千陽&松山奈未
- 福島由紀&廣田彩花
- 永原和可那&松本麻佑
- 中西貴映&岩永鈴
混合ダブルス
- 渡辺勇大&東野有紗
- 山下恭平&篠谷菜留
- 金子祐樹&松友美佐紀
- 緑川大輝&齋藤夏
バドミントン世界選手権2023の日程
※以下、現地時間(日本は+7時間)
- 2023年8月21日(月)9:00〜1回戦
- 2023年8月22日(火)9:00〜1回戦・2回戦
- 2023年8月23日(水)9:00〜2回戦
- 2023年8月24日(木)12:00〜3回戦
- 2023年8月25日(金)10:00〜準々決勝
- 2023年8月26日(土)10:00〜準決勝
- 2023年8月27日(日)12:00〜決勝