バドミントン男子シングルス、世界トップ3の実力者たち

パリ 2024

日本男子シングルスで新エースとして力をつけ、2023年8月15日現在、世界ランキング4位に立つ奈良岡功大。その上位では海外のどんな選手たちが男子シングルスを牽引するのか。ランキングトップ3を紹介する。

1 執筆者 Chiaki Nishimura
Men singles
(Getty Images)

8月21日~27日の日程で開催される世界バドミントン選手権2023。デンマーク・コペンハーゲンを舞台に、男子シングルスでは世界各地から集まった64選手が上位進出を目指して激突する。

来年に迫るパリ2024オリンピック出場に向けてランキングポイントがかかる今回の世界選手権。日本からは、奈良岡功大、西本拳太、常山幹太の3人が男子シングルスにエントリーする。そのなかで世界ランキング日本勢1番手に位置するのが、4位の奈良岡功大である。

2001年生まれ22歳の奈良岡は、2022年の1年間で飛ぶ鳥を落とす勢いで世界ランキングを駆け上がり、今年5月には自己最高の3位に到達。今年のバドミントン・ワールドツアーでは5度表彰台に立っている。

第4シードで今回の大会に臨む奈良岡の上位ではどんな選手たちが男子シングルスを盛り上げているのか。奈良岡がさらに飛躍するためにはどんな選手たちに挑まなければならないのか。世界ランキングトップ3の選手たちと、奈良岡との過去の対戦結果を紹介したい。

ビクトル・アクセルセン、90週間にわたり世界ランキング1位

東京2020オリンピック、2022年の世界選手権で優勝したデンマークのビクトル・アクセルセンは、現在、男子シングルスの全体的王者として君臨する。桃田賢斗と同じ1994年生まれのアクセルセンは、桃田が121週にわたって維持した世界ランキング1位の座に2021年12月1日に返り咲き、以来、90週間にわたりその座を維持している(2023年8月13日付)。

ハムストリングの肉離れにより5月のスディルマンカップを途中棄権したが、翌月のインドネシア・オープン(スーパー1000)で復帰して優勝。今年のワールドツアーでは、7月のジャパン・オープン(スーパー750)を含む4大会で優勝している。

194cmという高身長を生かした強力なスマッシュを武器に持つアクセルセンは、2022年以降、ワールドツアーで奈良岡と5度顔を合わせ、すべてアクセルセンに軍配が上がっている。今回の世界選手権では母国開催となるだけに、奈良岡のみならず多くの選手にとって攻略が難しい相手となるだろう。

アジア王者のアンソニーシニスカ・ギンティング

世界ランキングで2位に立つのが1996年生まれ26歳のアンソニーシニスカ・ギンティング(インドネシア)。スピードと俊敏さを生かした攻撃を武器に、過去7年にわたってトップ10位以内を維持するなど経験値も高く、同じくインドネシアのジョナタン・クリスティとともに同国バドミントン男子シングルスを牽引する。

東京2020オリンピックでは銅メダルを獲得し、今年4月のアジア選手権で優勝したギンティング。奈良岡とは、ワールドツアーの舞台でこれまでに2度対戦しており、いずれもギンティングが勝利。2戦ともにストレートで勝敗がついたが、接戦を繰り広げており、勝利は決して遠くはない。

日本代表の常山幹太はギンティングとの過去7回の対戦で4度勝利を飾っており、7月のジャパン・オープン初戦ではストレートでギンティングを撃破した。今回の世界選手権では、2回戦で第2シードのギンティングとノーシードの常山が対戦する可能性がある。興味深い一戦となることは間違いない。

奈良岡と同年齢、クンラブット・ビチットサーン

世界ランキング3位で今大会の第3シードとなっているのが2001年生まれ22歳のクンラブット・ビチットサーン(タイ)。まざまなスマッシュを打ち分けるスキルで、ジュニア時代には世界選手権で3連覇を達成し、2022年3月のドイツ・オープン(スーパー300)ではワールドツアー初勝利を飾った。また今年1月のインド・オープン(スーパー750)決勝ではこれまで6連敗を喫していたアクセルセンと対戦し、金星をあげた。

ビチットサーンと奈良岡は、ワールドツアーや世界ジュニア選手権など世界バドミントン連盟主催の国際大会でこれまでに6度対戦。興味深いことに、対戦結果は3対3で交互に勝利をおさめており、同じ年に生まれたライバルとして切磋琢磨している様子が伺える。

今回の大会ではそれぞれトーナメントの反対側に位置しており、当たることになれば決勝の舞台となる。そこにたどり着くために、ビチットサーンも奈良岡も、有力選手がひしめく男子シングルスの戦いを勝ち抜かなければならず、平坦な道ではない。

ここでは世界ランク上位3選手を紹介したが、2023年5月に始まった「Road to Paris」ランキングリストでは、1位の奈良岡を筆頭に、インドのH. S. プラノイ、中華人民共和国のリ・シーフェン(李詩灃)が好成績を残し、8月15日現在2位、3位につけており、世界選手権ではこれらの選手も加わって熱い戦いを繰り広げることになるだろう。

バドミントン世界選手権2023の日程

※以下、現地時間(日本は+7時間)

  • 2023年8月21日(月)9:00〜1回戦
  • 2023年8月22日(火)9:00〜1回戦・2回戦
  • 2023年8月23日(水)9:00〜2回戦
  • 2023年8月24日(木)12:00〜3回戦
  • 2023年8月25日(金)10:00〜準々決勝
  • 2023年8月26日(土)10:00〜準決勝
  • 2023年8月27日(日)12:00〜決勝

バドミントン世界選手権2023丨日程・放送予定・日本代表選手一覧

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