9月30日〜10月8日の日程でベルギー・アントワープで行われている体操競技の世界選手権。2日に行われた女子予選でパリ2024オリンピック出場枠獲得した日本女子チームが4日、今度は団体総合決勝に登場し、4種目合計を157.496点として8位となった。
優勝はアメリカ合衆国代表(167.729点)、2位はブラジル代表(165.530点)、3位はフランス代表(164.064点)。
予選に続き、宮田笙子(しょうこ)、岸里奈、深沢こころ、畠田千愛(ちあき)、芦川うららのメンバーで決勝に挑んだ日本女子。最初の種目となったゆかで着地が乱れるなどミスによって思うように得点が伸ばせない中、続く跳馬、段違い平行棒でも予選を下回る得点。最後の種目となった平均台では予選を上回る得点を叩き出したが、目標としていた表彰台には6.568点届かなかった。
だが、選手たちの戦いはまだ終わらない。6日の女子個人総合決勝には岸と畠田、7日の種目別跳馬決勝には宮田、8日の種目別平均台決勝には芦川が出場を予定している。
「会場がどこであれ、やることは一緒。それを肌で感じられたのは収穫」
選手たちは決日本体操協会を通じてコメントを発表。エース宮田は、「試合冒頭(ゆか)では自分のミスがあったんですけど、仲間がすごく励ましてくれて、他3種目はなんとか乗り切れました。去年は何も考えずに挑んだ初出場の世界選手権ですが、今年はパリ出場の権利やエースという立場などを感じながらの難しい試合でした。種目別の跳馬で(決勝に)残っているので、あとは思い切りやるだけです。いつも大事にしている着地を意識して止めたいです」と決勝に向けて気持ちを引き締めた。
個人総合決勝が控えている岸は、「いろんな人に支えられて出れた舞台だったので、みんなに感謝してる。(演出の多い海外の試合に出てみて)緊張や圧倒はあったが、会場がどこであれ、自分のやることは一緒。それを肌で感じられたのは大きな収穫だった」。
同じく個人総合決勝に進んだ畠田は、「跳馬でしたことのないようなミスがあった。(出場全種目で)トップバッターを任されたプレッシャーもあったが、予選に比べて少し気持ちがついてきていなかった。それでもその後の段違い平行棒を切り替えてできたことは、自分でも成長した部分だと思う。(初めての世界選手権で)海外の選手を見ていて、大事なときに完璧にこなす姿(勝負強さ)を目の当たりにした。そういう場面で完璧にこなせるような選手になりたい」と海外の選手たちから刺激を受けたことを話した。
笑顔のシモーネ・バイルズと、歴史が生まれた女子団体決勝
今大会では、女子体操界を牽引するアメリカ合衆国代表のシモーネ・バイルズが東京2020オリンピック以来の国際舞台に復帰し、そのパフォーマンスが大きな注目を集めた。
同国代表チームの最後の種目となったゆかでは、優勝がかかる状況の中、笑顔で15.166点をマークする演技を披露し、同国代表チームを優勝へと導いた。
また、レベッカ・アンドラーデ率いる2位のブラジル女子代表チームは団体で初のメダル獲得という同国の歴史を刻み、銅メダルのフランス代表にとっては、1950年以来初の表彰台となった。