【フィギュアスケート】北京五輪日本代表が内定|羽生結弦はオリンピック3連覇に挑む

宇野昌磨、坂本花織は2大会連続出場

1 執筆者 オリンピックチャンネル編集部
全日本フィギュア/北京五輪代表に決まった羽生ら
(時事通信)

日本スケート連盟(JSF)は12月26日、北京五輪フィギュアスケート日本代表の内定者を発表した。第90回全日本選手権を制した男子シングルの羽生結弦(ANA)、女子シングルの坂本花織(シスメックス)、アイスダンスの小松原美里/小松原尊(倉敷FSC)らが選出されている。ペアはすでに三浦璃来/木原龍一(木下グループ)が内定していた。

■日本代表内定選手

男子

  • 羽生結弦(ANA)
  • 宇野昌磨(トヨタ自動車)
  • 鍵山優真(オリエンタルバイオ/星槎)
  • 三浦佳生(目黒日本大学高等学校)※補欠
  • 友野一希(セントラルスポーツ)※補欠
  • 三宅星南(関西大学)※補欠

女子

  • 坂本花織(シスメックス)
  • 樋口新葉(明治大学/ノエビア)
  • 河辺愛菜(木下アカデミー)
  • 三原舞依(シスメックス)※補欠
  • 宮原知子(木下グループ)※補欠
  • 松生理乃(中京大中京高校)※補欠

ペア

  • 三浦璃来/木原龍一(木下グループ)

アイスダンス

  • 小松原美里/小松原尊(倉敷FSC)
  • 村本哉中/髙橋大輔(関西大学KFSC)※補欠

■フィギュアスケート日本代表

羽生結弦

連覇を果たしたソチ五輪、平昌五輪に続いて3大会連続出場となった羽生。2009年のジュニアグランプリファイナル、2010年の世界ジュニア選手権での優勝を皮切りに、世界選手権で2度、四大陸選手権1度、GPファイナル4度、五輪2度の優勝を果たすなど、フィギュア界をリードしてきた。

2021-2022年シーズンは、右足関節靭帯損傷によりGPシリーズ欠場などの逆境に見舞われたが、12月に行われた全日本選手権では2年連続6度目の優勝を果たし、北京五輪代表に内定した。28歳で迎える北京五輪では、前人未到の4回転アクセルを達成し五輪三連覇に挑む。

宇野昌磨

平昌五輪で銀メダルに輝いた宇野が、2大会連続での五輪出場を決めた。2012年インスブルックユース五輪で銀メダルを獲得した宇野は、2014年ジュニアグランプリファイナル、全日本ジュニア選手権、2015年世界ジュニア選手権で優勝。2016年からは全日本選手権4連覇、2019年四大陸選手権優勝、世界選手権、グランプリファイナルでも上位入賞を果たすなど、羽生とともに日本フィギュア界を牽引してきた。

2021-2022年シーズンはGPシリーズのスケートアメリカで2位、NHK杯で優勝。全日本選手権では右足首の故障を抱えながらも自己ベストとなる295.82点をマーク。羽生に次ぐ2位に入り、北京五輪日本代表に内定した。

鍵山優真

男子シングルでは唯一の五輪初出場となる鍵山。昨シーズンのシニアデビュー以前は、2019年全日本ジュニア選手権で優勝、2020年ローザンヌユース五輪で金メダルに輝いた。2020年の全日本選手権、四大陸選手権でともに3位入賞を果たすと、今シーズンはGPシリーズのイタリアグランプリ、フランス国際で1位。全日本選手権では3位に入り、初の五輪出場を決めた。

勢いに乗る19歳の新星が、1992年アルベールビル、1994年リレハンメル五輪代表で、コーチでもある父正和氏とともに北京五輪に挑む。

坂本花織

初出場となった平昌五輪では6位入賞を果たした坂本が、2大会連続の五輪に挑む。ジュニア時代には2016年リレハンメルユース五輪で6位入賞。続くジュニアGPファイナルでは銅メダル、全日本ジュニア選手権では初優勝を手にする。シニアデビューも2017年全日本選手権2位、2018年四大陸選手権では初優勝を飾る。直後の平昌五輪では女子シングル6位入賞。

その後、一時期不調に陥ったものの、昨シーズンはNHK杯優勝、全日本選手権2位と復調。今シーズンのGPシリーズではスケートアメリカで4位、NHK杯で2連覇を達成すると、全日本選手権では2018年以来2度目の優勝を果たし、北京五輪内定を決めた。

樋口新葉

平昌五輪は惜しくも出場を逃した樋口が、初の五輪代表に内定。ジュニア時代には2014年ジュニアGPファイナル3位、2014年・2015年全日本ジュニア選手権を連覇、2015年・2016年の世界ジュニア選手権では3位入賞を果たした。

シニアデビュー後には、3度の全日本選手権2位に入るも、有力候補だった平昌五輪は無念の代表落選を経験。しかし直後の2018年世界選手権では2位に入るなど、実力を証明してみせた。今シーズンはGPシリーズで初めてトリプルアクセルを決めるなど持ち味のジャンプを磨き、全日本選手権2位で初の五輪切符を手にした。

河辺愛菜

坂本、樋口に続いて女子シングルの3枠目に選ばれたのは、17歳の新鋭だった。坂本、樋口の評価が抜けていたなか、宮原知子、三原舞依、松生理乃、河辺が並び、「これから先、五輪に向けて、若い世代に頑張っていただくことも必要」「ショート、フリーとトリプルアクセルを跳び、競技力も申し分ない」ことが決め手となり、河辺が選出された。

2019年全日本ジュニア選手権を制した河辺は、2020年ローザンヌユース五輪で4位入賞。昨シーズンはGPシリーズNHK杯、全日本選手権で6位に入ると、今シーズンはNHK杯で2位、全日本選手権で3位と表彰台に上がり、北京五輪出場権を手にした。

三浦璃来/木原龍一

もともとはシングルの選手だった三浦は、2015年からペアに転向。市橋翔哉とのペアで世界ジュニア選手権、四大陸選手権などに出場。同じくシングルの選手だった木原は、全日本ジュニア選手権で上位に入賞。2010年からは3年連続で全日本選手権では12位に入った。2013年にペアに転向すると、高橋成美とのペアでソチ五輪に出場し18位、須崎海羽とのペアで平昌五輪21位だった。

2019年8月に三浦/木原ペアを結成すると、2019年GPシリーズのNHK杯で5位、全日本選手権では優勝を達成。2020年は四大陸選手権8位、世界選手権10位と着実にステップアップし、今シーズンは日本人同士のペアとしては初のGPファイナルに進出、北京五輪の内定第1号となった。「りくりゅう」愛称で知られ、団体戦のメダル獲得、個人戦では5位入賞を目指す。

小松原美里/小松原尊

2016年にトライアウトを経てカップルを結成すると、翌年には結婚し、公私ともにパートナーとなる。2018年には全日本選手権で初優勝するも、2019年夏に美里が転倒して頭を強打。脳震盪などの症状に苦しみながらもリハビリを続け、全日本選手権では連覇を達成した。

2020年にはティムが日本国籍を取得し、小松原尊となる。尊の名前の由来は「日本武尊(やまとたけるのみこと)」で日本への尊敬の念を込めているという。今シーズンはGPシリーズのスケートアメリカで6位、NHK杯で7位入賞を果たすと、全日本選手権4連覇を達成し、初の五輪出場を決めた。

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