北京五輪の出場権を懸けた「スピードスケート日本代表選手選考競技会」が2021年12月29日から31日までエムウェーブ(長野県長野市)で開催。選考会終了後、日本スケート連盟(JSF)は、前回の平昌五輪で金メダルを獲得した小平奈緒、髙木菜那・美帆姉妹ら、男女合わせて15人の北京五輪日本代表を発表した。
■フレッシュな顔ぶれとなった男子短距離陣
男子では、中長距離陣が前回大会からの連続出場組が名を連ねたのに対して、短距離陣は全員がオリンピック初出場となるフレッシュな顔ぶれとなった。男子日本代表は以下の通り。
- 新濱立也(500m・1000m)
- 森重航(500m・1000m)
- 村上右磨(500m)
- 小島良太(1000m・1500m)
- 一戸誠太郎(1500m・5000m・マススタート)
- 小田卓朗(1500m)
- 土屋良輔(10000m)
500mでは、すでに代表内定が確実視されていた新濱立也と森重航に続き、村上右磨が3番目の椅子に飛び込んだ。村上は選考会において、得意のスタートダッシュが決まらなかったものの、森重や新濱に続く全体3位となる34秒66を記録。北京五輪派遣標準記録(34秒68)をわずかに0秒02上回り、最後まで代表入りを争った松井大和よりも上位でフィニッシュした。また2010年バンクーバー五輪銅メダルで5大会連続オリンピック出場を目指した加藤条治は、転倒のため最下位に終わり、出場権獲得には至らなかった。
1000mは、全日本距離別選手権を制した小島良太が、国内最高記録となる1分8秒35で優勝。北京五輪派遣標準記録(1分8秒46)を上回ったことで代表入りを果たした。新濱と森重が2位、3位で続き、2種目目の出場権を獲得。1500mでは、一戸誠太郎が派北京五輪派遣標準記録を突破して優勝し、平昌五輪5位入賞の小田卓朗が2位に入った。小田は北京五輪派遣標準記録を突破しなかったものの、ワールドカップの実績が評価され、一戸とともにオリンピック2大会連続出場となる。
長距離では、一戸が5000mで国内最高記録を更新する6分18秒51で優勝し、1500mに続いて代表権を獲得。10000mでは、5000mで代表権を獲得できなかった土屋良輔が、こちらも国内最高記録にあたる13分6秒17で制し、北京五輪派遣標準記録を上回ったことから2大会連続でオリンピック出場を達成した
■髙木美帆は5種目に出場、菜那とは2大会連続の姉妹出場
女子は前回の平昌五輪で金メダルを獲得した小平奈緒、髙木美帆、佐藤綾乃、髙木菜那らが連続出場を達成し、小坂凛と堀川桃香がオリンピック初出場を決めた。女子北京五輪代表の顔ぶれは以下の通り。
- 小平奈緒(500m・1000m)
- 髙木美帆(500m・1000m・1500m・3000m・団体パシュート)
- 郷亜里砂(500m)
- 佐藤綾乃(1500m・3000m・団体パシュート)
- 髙木菜那(1500m・マススタート・団体パシュート)
- 押切美沙紀(5000m・団体パシュート)
- 小坂凛(マススタート)
- 堀川桃香(5000m)
すでに1000mと1500mで代表内定を確実としていた髙木美は、3000mと500mの2種目で優勝し、団体パシュートと合わせて5種目で出場権を確保した。特に3000mでは、持ち前の持久力を生かした安定感あふれるレースを披露。最後まで31秒台のラップを刻むなど、タイムが落ちることなくゴールした。
髙木美の姉である菜那は1500mで2位に入り、美帆とワンツーフィニッシュ。この種目、平昌五輪で6位に入った小平らを抑えて、2大会連続のオリンピック姉妹出場を達成した。1500mで代表を逃した小平は、1000mを優勝。500mに続く出場権を獲得した。
郷亜里砂、佐藤、押切美沙紀も髙木姉妹や小平に続き、オリンピック2大会連続出場とした。初出場組では、堀川桃香が女子5000mで日本ジュニア記録を更新する7分10秒49で2位に入り、この種目では日本人最年少の出場権獲得。小坂凛も集団走で順位を争うマススタートで代表に名を連ねた。