5月30日(火)に開幕する国際バレーボール連盟(FIVB)主催、女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)は、今大会で5回目を迎える。世界トップ16カ国女子代表チームが、3週間にわたり世界各地を転戦しながら競い合われる。
予選ラウンドでは、各代表チームは2つのプール(開催地)に分かれ、各週4試合ずつ合計12試合戦うことになる。予選ラウンド上位8チームが、7月12日(水)から始まる決勝ラウンドに進出することができる。決勝ラウンドはノックアウト式トーナメントで戦い、優勝チームが決まる。
2022年の前回大会では、イタリア代表チームが3-0のストレートでブラジル代表チームを下し優勝を果たしている。それまでの3大会(2018年、2019年、2021年、2020年大会は中止)では、アメリカ合衆国代表チームが連覇していた。
予選ラウンド第1週はアンタルヤ(トルコ)と名古屋(日本ガイシホール)、第2週は香港(ホンコン・チャイナ)とブラジリア(ブラジル)、第3週は水原(大韓民国)とバンコク(タイ)で7月2日(日)まで開催される。決勝ラウンドは、7月12日(水)から7月16日(日)まで、アーリントン(アメリカ合衆国テキサス州)で行われる予定だ。
Olympics.comでは、以下、女子バレーボールネーションズリーグ2023の大会概要や注目チーム、見どころなどを紹介しよう。
女子バレーボールネーションズリーグ2023の競技形式
予選ラウンドは、3週間にわたり行われ、各国代表の16チームは2つのプールに分けられるが、これは毎週、再編成される。
3週間の予選ラウンドが終了した時点で、上位8チームが決勝ラウンドに進むことができる。ノックアウト形式で行われるトーナメント組み合わせは、予選ラウンドの戦績に基づき決定される。
女子バレーボールネーションズリーグ2023注目の代表チームと選手
*カッコ内は2023年1月現在のFIVB世界ランキング
・イタリア(2):昨年の女子VNL(アンカラ/トルコ)の決勝を勝ち抜いた14名の選手のうち11名が今回も代表チームに名を連ねる。連覇を目指すイタリアチームでは、スター選手パオラ・エゴヌの去就が注目されていたが、選手名簿にVNL2022の最優秀選手賞(MVP)に選ばれたエゴヌの名を確認することができる。エゴヌは、FIVB女子バレーボール女子世界選手権2022で銅メダルを獲得した後、SNSでファンによる人種差別に合い、イタリア代表チームから離れていた。
・ブラジル(3):3度のVNL銀メダルチームであるブラジルは、36歳のミドルブロッカー、タイーザ・メネセスを迎え入れる。北京2008とロンドン2012の2度のオリンピック金メダリストのメネセスだが、2018年の世界選手権を最後に代表チームから外れていた。ブラジル代表チームにとって、最も優秀な戦歴を持つレジェンド選手のひとりであるメネセス。2007年から2018年の12シーズンにわたり、FIVBワールドグランプリで5度(2008年、2009年、2013年、2014年、2016年)の優勝、世界選手権では銀メダル(2010年)と銅メダル(2014年)を獲得している。
・セルビア(1):昨年のVNLで銅メダルを獲得しているセルビアは、2022年世界選手権でMVP を獲得しているティヤナ・ボシュコビッチを擁する。ボシュコビッチは、昨年のVNLには出場していない。また、2度(リオ2016、東京2020)のメダリスト、38歳のマーヤ・オグニェノビッチがセルビア代表チームに加わる。
・アメリカ合衆国(4):これまで4大会で最も成功を収めているチーム。東京2020での金メダルを含む3大会連続のオリンピックメダリストのジョーダン・ラーソン、同じく東京2020金メダリスト、ジョーダン・トンプソン、アンドレア・ドルーズ、キャサリン・プラマーらと共に王者奪還を目指す。
・トルコ(7):コーチ、ダニエル・サンタレリ率いるトルコ代表チームは、VNLで常にトップ4に入り、これまでに2度のメダルに輝いている。今回、トルコ代表チームは、キューバ出身のオポジットヒッター、メリッサ・バルガスを擁する。また、FIVB世界クラブ女子バレーボール選手権大会2022でベストミドルブロッカーに選ばれたゼフラ・ギュネシュの活躍が期待されている。
・日本(6):2022年の火の鳥NIPPONは、VNL7位、世界選手権5位の成績で終えているが、現在、FIVB世界ランキング世界ランキング6位(2023年1月現在)に位置している。今回の日本代表チームには、2018年以来の代表となる長岡望悠(みゆ)が加わる。また、東京2020代表の古賀(西田)紗理那(さりな)や石川真佑(まゆ)らの活躍も期待される。VNLを戦い、その先のパリ2024予選に向けて弾みをつけたいところだろう。
女子バレーボールネーションズリーグ2023代表チーム
*カッコ内は2023年1月現在のFIVB世界ランキング
- ブラジル(3)
- ブルガリア(16)
- カナダ(14)
- 中華人民共和国(5)
- クロアチア(27)
- ドミニカ共和国(9)
- ドイツ(13)
- イタリア(2)
- 日本(6)
- オランダ(12)
- ポーランド(10)
- セルビア(1)
- 大韓民国(23)
- タイ(15)
- トルコ(7)
- アメリカ合衆国(4)
女子バレーボールネーションズリーグの歴史
バレーボールネーションズリーグは、2017年10月、FIVBにより新しい大会として発表され、2018年に初開催された。本大会は、1993年に女子の世界大会として四半世紀にわたり開催されていたワールドグランプリの後任の大会として実施されている。
女子バレーボールネーションズリーグ過去4大会の成績
2018年(決勝ラウンド:中華人民共和国南京)
- 優勝:アメリカ合衆国
- 準優勝:トルコ
- 3位:中華人民共和国
- 4位:ブラジル
2019年(決勝ラウンド:中華人民共和国南京)
- 優勝:アメリカ合衆国
- 準優勝:ブラジル
- 3位:中華人民共和国
- 4位:トルコ
2021年(決勝ラウンド:イタリアリミニ)
- 優勝:アメリカ合衆国
- 準優勝:ブラジル
- 3位:トルコ
- 4位:日本
2022年(決勝ラウンド:トルコアンカラ)
- 優勝:イタリア
- 準優勝:ブラジル
- 3位:セルビア
- 4位:トルコ
女子バレーボールネーションズリーグ2023の日程
*現地時間
予選ラウンド
第1週:5月30日(火)~6月4日(日)
- 開催地:アンタルヤ(トルコ)~プール1:カナダ、イタリア、ポーランド、大韓民国、セルビア、タイ、トルコ、アメリカ合衆国
- 開催地:名古屋(日本ガイシホール)~プール2:ブラジル、ブルガリア、中華人民共和国、クロアチア、ドミニカ共和国、ドイツ、日本、オランダ
第2週:6月13日(火)~6月18日(日)
- 開催地:香港(ホンコン・チャイナ)~プール3:ブルガリア、中華人民共和国、カナダ、ドミニカ共和国、イタリア、オランダ、ポーランド、トルコ
- 開催地:ブラジリア(ブラジル)~プール4:ブラジル、クロアチア、ドイツ、日本、大韓民国、セルビア、タイ、アメリカ合衆国
第3週:6月27日(火)〜7月2日(日)
- 開催地:水原(大韓民国)~プール5:ブルガリア、中華人民共和国、ドミニカ共和国、ドイツ、ポーランド、セルビア、大韓民国、アメリカ合衆国
- 開催地:バンコク(タイ)~プール6:ブラジル、カナダ、クロアチア、イタリア、日本、オランダ、タイ、トルコ
決勝ラウンド
開催地:アーリントン(アメリカ合衆国テキサス州)
- 7月13日(木)~7月16日(日) 準々決勝・準決勝・決勝