ホーム代表である日本勢のメダルラッシュに沸く世界水泳2023福岡で、新たな歴史が刻まれた!
大会6日目を迎えた7月19日には、アーティスティックスイミング(AS)のソロ・フリールーティン(FR)決勝が行われ、日本代表の乾友紀子が圧巻の演技を披露し、スコア254.6062をマークして、テクニカルルーティン(TR)に続いて2個目の金メダルを獲得し、大会2冠に輝いた。
17日に行われたソロ・FR予選には、乾を含む29名が出場。TRと同様、乾は予選をトップで通過して上位12名による決勝に臨み、水中からのダイナミックなパフォーマンスで観客を魅了した。「緊張感にくわえて、怖いという気持ちもあった」と表彰式後のインタビューで決勝前の気持ちを明かした乾だが、最終的に予選を上回るスコアを記録し、2位とは25点以上の大差をつけての優勝となった。
これにより、乾は前回エディションの世界水泳ブダペスト2022から、2年連続でソロ種目2冠という快挙を成し遂げた。
「報われてよかった」
2年連続2冠という偉業を称える表彰式で、中央に掲げられる日の丸を見つめながら乾の目には光るものがあった。
「すごくグッときました」
「色んな意味でのプレッシャーというか、不安があったので、ホッとしたという気持ち」
ロンドン2012から東京2020まで3大会連続してオリンピックに出場し、リオ2016ではチームとデュエットの2種目で銅メダルを獲得している乾がソロへ転向したのは、自国開催のオリンピックが終わった後だ。そして、2回の延期を経て開催された福岡での世界水泳も、彼女にとっては大きな目標であった。
「すごく待ち望んでいましたし、本当は2021年の開催予定で、だいぶ待ちました(笑)。 けれど、そこまで粘ってこの大会に出た意味はあったと思いますし、こうやって実際にたくさんの方に見ていただくことができて、とても幸せです」
待ち望んだはずの自国開催の世界水泳は、乾にとって途轍もない重圧でもあった。
「去年金メダルを獲得して、多分『今年も(2冠)』って皆さんが思われていた。心の中では、『そんな簡単なことじゃないよ』って思っていたところもあった。それを叶えるために1年間必死にやってきたので、報われてよかったなと思います」
また、自身をオリンピックメダリストとしてだけでなく、2年連続で世界一へと導いてくれた井村雅代コーチも、乾にとっては大きな存在のようだ。
「私が金メダルを取れたのは世界一のコーチのおかげだと思っているので、とても感謝しています」
次回エディションの世界水泳は、2024年2月にカタール・ドーハで開催されることが決まっているが、乾は今後の活動に関しては未定と答えた。
「福岡の世界水泳のことまでしか考えていなかったので、(最終日のエキシビジョンを)泳ぎ終えてから考えようかなと思っています」
このほかASでは、男子ソロ・フリールーティンの決勝が行われ、日本代表の佐藤陽太郎は、スコア167.9709で4位となり、惜しくも表彰台を逃した。
明日20日には、チーム・FR予選と、安永真白/比嘉もえが出場するデュエット・FR決勝が行われる。
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