水際でも燃えたぎる熱気が止まらない世界水泳2023福岡から、開幕まで1年と迫るパリ2024日本代表内定者が誕生した!
大会6日目を迎えた7月19日、飛込競技では女子10m高飛込の決勝が行われ、Tokyo2020で同種目代表を務めた荒井祭里(あらい・まつり)が11位となり、最終成績で上位12位までの選手が属するNOC(国内オリンピック委員会)に付与されるオリンピック出場枠獲得に貢献した。
日本水泳連盟が定める代表選手選考方法(2023年7月1日付)によると、今大会の個人種目決勝で12位以内となった選手を来夏にフランスで行われるオリンピック代表に内定すると決まっていることから、荒井は2大会連続のオリンピック出場を確実にした。
18日午前に行われた予選で、荒井は出場36人中7位となって上位18名による準決勝に進出。同日の午後に行われた準決勝では、高難度のパフォーマンスを成功させ、スコア313.95を叩き出し、7位となって上位12名による決勝進出を決めた。
そしてこの日の決勝に出場した荒井は、「自分が思っていた演技はできなくて、悔しい」と振り返る通り、スコアが思うように伸びず、最終的に288.85で11位に終わった。優勝は、Tokyo2020同種目で銀メダルを獲得している陳芋汐(中華人民共和国)で、スコアは457.85だった。
「レベルの高い争いをしたい」
決勝を終えた荒井は、報道陣のインタビューに応じ、ホームで行われた世界水泳を振り返った。
「(怪我の影響で)足が重たかったなっていうのはあった。その中でも、ちゃんとうまく修正できたらよかった」
前日の準決勝で、事実上パリ2024行きを確実にしていた荒井だが、オリンピック出場枠を獲得するためには、この日の決勝に出場することが必須要件だったため、モチベーション維持の難しさについても問われた。
「決勝はやりきるしかないと思っていたので、とにかく自分の演技を見せようと思って飛びました」
荒井は、この個人種目の前に板橋美波とペアを組んで出場した10mシンクロ高飛込の決勝(16日)で5位となり、3位以上に付与されるオリンピック出場枠とメダルを逃し、悔し涙を流したばかりだった。しかし、気持ちを切り替えた荒井は、水泳界でパリ2024日本代表内定の第1号となった。
「シンクロは本当に悔しくて。悲しいとか、イライラとか、色んな感情から切り替えるのが大変だった。この個人(種目)で(成績が)ちょっと上がることができた。(福岡2023を通じて)いろんな経験をできた」
福岡での世界水泳期間中となる7月26日には、パリ2024までちょうど1年となる。
「毎日コツコツやることが大事だと思っていて、プラス1日1日を集中して練習することでもっと上手くなれるかなと思っています」
「(パリ2024に向けて)演技のキレだったり、演技自体の美しさ、細かい部分をもっと修正して、完璧な演技にしたいなって思います」
「レベルの高い争いをしたいので、個人もシンクロもメダルを狙って頑張りたいです」
このほか飛込種目では、この日の午前中に68名がエントリーした男子3m飛板飛込の予選が行われ、日本代表の須山晴貴は28位となり、上位18名による準決勝への進出とはならなかった。
明日の20日には、女子3m飛板飛込の予選および準決勝が行われる予定で、日本からは三上紗也可と榎本遼香の2名が出場する。
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