【テニス】全仏オープン:大坂なおみは今年もレッドクレー克服ならず...ウィンブルドンの出場は不透明

文: 神 仁司
写真: Getty Images

テニス4大メジャー・グランドスラムの第2戦全仏オープン(フランス・パリ、スタッド・ローラン・ギャロス)の女子シングルス1回戦で、大坂なおみ(フリー/WTAランキング38位※大会時、以下同)は、第27シードのアマンダ・アニシモバ(アメリカ合衆国/28位)にセットカウント0-2(5-7,4-6)で敗れ、早々に大会から姿を消した。大坂が、グランドスラムの1回戦で敗れるのは、2017年全仏OP、2019年ウィンブルドンに続き3回目となる。

世界ランキングを落としていた大坂は、ヨーロッパでのクレーシーズンで上昇気流に乗りたいところだった。しかしクレーシーズンでは試合で1勝しか挙げられず、しかも左アキレス腱を痛め不安を抱えたままパリ入り。2018年全豪OP以来のノーシードでのグランドスラムに臨んだ大坂は、1回戦の前に痛み止めを服用し、左足首にテーピングをしてのプレーとなった。

一方、20歳のアニシモバは、2019年全仏OPでベスト4へ進出した実績があり、今季のクレーシーズンではWTA1000・ムチュアマドリードOPとWTA1000・BNLイタリア国際でベスト8、WTA500・チャールストンOPでベスト4に進出し、安定した成績を残してきた。

「考え過ぎないようにしていたが、ストレスを感じたし、ナーバスにもなった。アグレッシブにプレーし、フラットのショットを打ち続けようとした」と語ったアニシモバ。ミスはあるものの、バックハンドでの打ち合いでは常に大坂を上回った。特に、アニシモバのバックハンドのダウンザラインへの決定力が素晴らしく、大坂に反撃の余地を与えない。

大坂は、得意のフォアハンドストロークがレッドクレーでも威力を発揮する場面があったものの、いささか単調になってしまい、クレーで必要な粘り強さは見られなかった。さらに大坂は、ファーストサーブの確率が45%、セカンドサーブでのポイント獲得率は41%、ダブルフォールトは8本。サーブの不出来も敗戦につながった。

今年もレッドクレーの克服とはならなかった大坂だが、引き続き前を向きながら、彼女が苦手としているレッドクレーとグラス(天然芝)に適応していくための挑戦を続けていく姿勢を見せた。

「私はまだ24歳です。レッドクレーやグラスでプレーしながら成長してきたわけではないので、もう少し自分に時間を与えたい。2つのサーフェスでもっと試合を積み重ねていきたい。プレーをし続ければ、もっと学べるはずです」

ローラン・ギャロスでの戦いが終われば、グラスシーズンへと大坂も移っていくのだが、今回は例年と違った状況が彼女を待ち受けている。

グランドスラム第3戦・ウィンブルドンを大会運営するオールイングランドテニスクラブが、ロシアによるウクライナへの軍事的侵攻を支持しない意志表明として、ロシアの選手とベラルーシの選手を大会に出場させないことを発表したのだ。さらにウィンブルドンの独断への対抗措置として、5月20日には男子プロテニスツアー・ATPツアー、女子プロテニスツアーのWTAツアー、車いすテニスやジュニア大会などを統括するITF(国際テニス連盟)が、2022年大会に限り世界ランキングに必要なランキングポイントをウィンブルドンでは付与しないことを発表した。

この一連の流れを受けて、大坂は、ウィンブルドンに出場しない可能性があることを示唆している。

「ポイントなしでウィンブルドンをプレーしたら、まるでエキシビションのように感じるのではないでしょうか。そうじゃないかもしれないけど、私はそう感じます。エキシビションのように感じてしまったら、100%で臨めません。まだ決断を下したわけではありませんが、現在の状況が続くのであれば、おそらくプレーしないでしょう。(チームメンバーと)ミーティングをしていくつもりです」

グラスシーズンで無理をせずに、まずは左アキレス腱を完治させて、夏の北米ハードコートシーズンに賭ける方が大坂にとっては得策のように思える。彼女が得意とする夏の北米ハードコートシーズンなら、世界ランキングのジャンプアップも大いに期待できるからだ。今後大坂がどのような決断を下していくのか、彼女の動向に注目していきたい。

オリンピックに向けて。 これらすべてをゲット。

スポーツイベントを無料でライブ観戦。さまざまなシリーズに無制限アクセス。 他には真似のできないオリンピックニュース&ハイライト