北米プロ野球・MLBのロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平は日本時間3月26日早朝、チームの本拠地・ドジャースタジアム(アメリカ合衆国カリフォルニア州)で、自身の通訳を務めていた水原一平氏の違法賭博疑惑に関する声明文を発表した。
大谷が会見で話した内容は以下の通り。質疑応答は行わなかった。
■信頼していた方の過ちにショック
皆さん来ていただき、ありがとうございます。僕も話したかったのでうれしく思っています。チームの関係者の皆さん、僕自身もそうですが、ファンの皆さんもここ1週間ぐらい厳しかったと思います。皆さんも含めて我慢とご理解をしていただいたことは、ありがたいと思っています。
まず僕自身も信頼していた方の過ちを悲しくというかショックだと感じています。 現在進行中の調査もありますので、きょう話せることに限りがあることをご理解いただきたいのと、皆さんに分かりやすくお伝えするため、詳細をまとめたメモがありますので、そちらに従って何があったのか説明したいと思います。
僕自身は何かに賭けたりとか誰かに代わってスポーツイベントに賭けたりとか、それを頼んだりしたことはないですし、僕の口座からブックメーカーに誰かに送金を依頼したことはありません。
数日前まで彼(水原氏)がそういうことをしていたことも全く知りませんでした。彼が僕の口座からお金を盗み、なおかつ僕の周り、みんなにうそをついていたというのが結論になります。
■知ったのは開幕戦の後
先週末(試合のために訪れた)大韓民国で僕の代理人に対してメディアから、違法なブックメーカーに僕が関与しているのではないか、という連絡がありました。(水原)一平さんは僕にこういった取材があることを僕には話していなかったし、僕の方にはそういう連絡は来ていなかった。
(水原氏は)初め、自身ではなく某友人の肩代わりとして支払ったという風に、僕の代理人も含めてみんなに話していました。 その翌日にさらに尋問で一平さんは僕の代理人に対し、借金は一平さん自身が作ったものだと説明しました。それを僕が肩代わりしたと、その時、代理人に話しました。そしてこれらは全てがうそでした。一平さんは取材依頼のことも僕にはもちろん伝えていなかったですし、代理人の方にも彼は僕と話してコミュニケーションを取っていたと、うそをついていました。
僕がこのギャンブルの問題について知ったのは韓国の第1戦が終わった後のチームミーティングの時です。そのミーティングで彼は全部英語で話していたため、僕に通訳はついていなくて、彼は英語で話していたので完全には理解できていませんでしたが、なんとなくこういう内容なんだろうとは理解できていましたが、なんとなく違和感を覚えました。
その時、彼は僕に対して「ホテルに帰った後でより詳しいことを2人で話したいので待ってくれ」と言っていたので、その時はホテルまで待つことにしました。 僕は一平さんがミーティングの時にギャンブル依存症ということは知らなかったですし、彼が借金していることも知りませんでした。僕は彼の借金返済に同意していないですし、もちろんブックメーカーに送金を許可したこともないです。
試合後にホテルに戻って、一平さんと初めて話をして、そこで彼に巨額の借金があることを知りました。彼はその時私に僕の口座に勝手にアクセスしてブックメーカーに送金していたことを伝えました。僕はこれはおかしいと思って代理人たちを呼んで話しました。
話が終わって、僕の代理人も彼にうそをつかれていたと初めて気付き、ドジャースの皆さんと弁護士の人たちに連絡しました。ドジャースの皆さんも代理人の人たちも、その時に初めて彼にうそをつかれていたと知りました。そして弁護士の人たちがこれは窃盗と詐欺なので警察当局に引き渡すという報告をしました。
■僕はスポーツ賭博に関与していない
これがそこまでの経緯です。僕はもちろんスポーツ賭博に関与していないですし、ブックメーカーに送金をしていたという事実も全くありません。正直、ショックという言葉が正しいとは思わないですし、それ以上の言葉を表せないような感覚でこの1週間ぐらいは過ごしてきました。いまそれを言葉にするのは難しいなと思っています。
ただもうシーズンも本格的にスタートするので、ここからは弁護士の方々にお任せしますし、僕自身も警察当局に全面的に協力したいと思っています。気持ちを切り替えることは難しいですけど、シーズンに向けてまたスタートしたいですし、きょうまずお話しできてよかったと思っています。
これが、いまお話しできる全てなので質疑応答はしませんが、これからさらに進んでいくと思います。以上です。ありがとうございました。