ISU(国際スケート連盟)フィギュアスケートグランプリシリーズのフィナーレとなる、グランプリファイナルが現地時間12月8日にイタリア・トリノで幕を開ける。シリーズの成績上位6名/6カップルのみが出場できる特別な一戦。ここでは個人種目の注目選手を紹介していく。
■男子シングル
男子シングルの注目は現世界チャンピオンの宇野昌磨(トヨタ自動車)と、史上初となる4回転アクセル成功者のイリア・マリニン(アメリカ合衆国)の2人だ。
宇野はGPシリーズ第2戦のスケートカナダと第5戦のNHK杯で優勝。マリニンは第1戦のスケートアメリカと第6戦のエスポー杯を制した。2大会を制覇してグランプリファイナル出場をつかんだのはこの2人のみ。今シーズンをリードしている2人がようやく、グランプリファイナルで初の直接対決を迎える。
それぞれのシーズンベストは宇野がNHK杯でマークした279.76点、マリニンがスケートアメリカの280.37点。非常に拮抗しており、優勝争いの行方を予想することは難しい。ただし、宇野の自己ベストは昨シーズンの世界選手権で記録した312.48点。NHK杯ではミスもあったため、グランプリファイナルでシーズンベストを大きく上回るスコアを叩き出すことも十分可能だ。対するマリニンは技術的に難度の高いジャンプを多く組み込むことができる。成功数や出来栄えでどれほど伸ばすことができるかに注目したい。
また、男子シングルには宇野のほかに三浦佳生(オリエンタルバイオ/目黒日本大学高校)、山本草太(中京大学)、佐藤駿(明治大学)も出場。出場6人のうち、4人が日本人選手となっている。日本人による表彰台独占の可能性にも期待がふくらむ。
■女子シングル
男子以上に実力伯仲なのが女子シングル。出場選手のシーズンベストを見れば、ひと目でその理由がわかるはずだ。
- 坂本花織 217.61点
- 三原舞依 217.43点
- ルナ・ヘンドリックス 216.34点
- イザボー・レビト 215.74点
- キム・イェリム 213.97点
- 渡辺倫果 213.14点
実に5点にも満たない中に、今大会への出場権を得た6人がひしめく。ともにシスメックス所属の三原舞依と坂本花織は217点台を出しており、有力選手と目される。中でも三原は出場者で唯一、GPシリーズ2勝で今大会へのきっぷをつかんだ。勝ち癖という意味でも、今大会で最も注目の選手と言えるだろう。
北京2022銅メダリスト、現世界選手権女王の坂本も、大舞台での強さはすでに証明済。まだ昨シーズンほどの完成度を見せられていないものの、236.09点の自己ベストは今大会出場者の中でも断トツでトップだ。自国開催のNHK杯では思うように得点を伸ばせず、2位に甘んじた坂本。グランプリファイナルの舞台でどれほどの演技を見せてくれるか楽しみにしたい。
■ジュニア
次世代を担うジュニアのグランプリファイナルにも、楽しみな日本人選手が多くエントリーしている。
女子シングルでは島田麻央、吉田陽菜(ともに木下アカデミー)の2人のみがJGPシリーズで2連勝。優勝候補筆頭に挙げられる。中でも島田の自己ベストかつシーズンベストでもある217.68点は群を抜く数字。208.31点の吉田、205.90 点の中井亜美(MFアカデミー)がそこに挑戦していく形となりそうだ。
男子シングルも日本から中村俊介(木下アカデミー)、片伊勢武アミン(関西大学)、吉岡希(法政大学)の3人が出場。それぞれ1度ずつJGPシリーズを制覇しているが、中村はさらに準優勝1回と安定した成績を残した。シーズンベストでは片伊勢が234.24点をマークしており、219点台の2人を引き離している。ライバルはJGPシリーズ2勝のルーカス・ブルサード(アメリカ合衆国)、自己ベスト231.47点のニコライ・メモラ(イタリア)。混戦の男子は誰が制するだろうか。
■日程・放送予定
【日程】
※2022年12月5日時点の情報
※日本時間で紹介(現地との時差は -7時間)
※シニアのみ紹介
第1日 12月8日 27:20〜
- ペアSP
- 男子SP
第2日 12月9日 25:35〜
- ペアFS
- アイスダンスRD
- 女子SP
第3日 12月10日 21:30〜
- 男子FS
- アイスダンスFD(27:40〜)
- 女子FS(29:00〜)
第4日 12月11日 22:00〜
- エキシビジョン
SP…ショートプログラム
RD…リズムダンス
FS...フリースケーティング
FD…フリーダンス
【放送予定】
■日本代表
※2022年12月5日時点の情報
※カッコ内は最終順位