【カーリング】ロコ・ソラーレ、韓国を破って優勝、初代王者に輝く!PCCC第7日

カナダにて開催された「パン コンチネンタル カーリング選手権2022(PCCC)」は現地時間11月6日に大会7日目を迎え、男女の決勝を行った。北京2022女子銀メダルのロコ・ソラーレは韓国と対戦し、延長エンドにもつれ込む接戦を8−6で制して、PCCC初代チャンピオンに輝いた。

1 執筆者 オリンピックチャンネル編集部
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(2022 Getty Images)

初開催となる「パン コンチネンタル カーリング選手権2022(Pan Continental Curling Championships 2022/以下:PCCC)」がカナダ・カルガリーにて、現地時間11月6日(日本時間7日)に最終日となる大会7日目を迎え、男女の決勝などが行われた。日本からは、北京2022女子銀メダルのロコ・ソラーレ(藤澤五月、吉田知那美、鈴木夕湖、吉田夕梨花、石崎琴美)が女子決勝に進出し、韓国と対戦した。

■ロコ、接戦を制す

PCCC大会フィナーレとして行われたのが、女子決勝だ。この日の最終セッションとなるアイスシートに登場したのは、北京2022の決勝の舞台でイギリスに敗れ、悔し涙を流したロコ・ソラーレのメンバーだ。

決勝は終始、一進一退の攻防戦が展開された。日本が第2エンドで2点の先制点をあげると、つづく第3エンドで韓国が1点をあげる。さらに、第4エンドとで日本が1点を返し、ふたたび点差を広げるも、前半最後の第5エンドで韓国が2点を奪い返し、3−3の同点に追いつく。

我慢を強いられる場面が続くが、後半の第6から第8エンドまで、日本が1点ずつスコアをあげて、じわじわと相手チームを突き放していく。しかし、新しいメンバーで構成された韓国代表は、粘りのプレーで第9エンドに2点をマークし、1点差にまで詰め寄る。さらに、最終の第10エンドでは、カーリングでは不利といわれる先攻の韓国が、日本のガードストーンの間を潜り抜けて隠れるように、ナンバーワンストーンを置くスーパーショットを決めて、6−6の同点にふたたび並ぶ。こうして、勝負の行方は延長エンドへともつれ込むこととなった。

オリンピック2大会でメダルを獲得しているロコ・ソラーレは、「崖っぷちに強い」と公言している通り、最後の最後に流れを引き寄せ、相手ストーンを確実にテイクアウトし、延長エンドで2点をマーク。この結果、8−6で韓国との接戦を制した日本が優勝を飾り、PCCC初代チャンピオンに輝いた。

■男子は、開催国カナダ

女子決勝のほかに、PCCC最終日は男子の決勝と女子の3位決定戦も行われた。

男子決勝は、PCCCホスト国のカナダと韓国が対戦。カナダが前半で2エンド連続のビッグエンドを決めて相手チームを突き放し、韓国も第8エンド終了時点でコンシード(相手チームの勝利を認める)を選択する。この結果、11−3でカナダがホームの声援を受けながら、PCCC初代タイトルをその手中に収めた。

また、女子の3位決定戦には、開催国のカナダとアメリカ合衆国による北米チーム対決となった。複数得点を確実にあげていくカナダが、7−5でアメリカを下し、ホームのサポーターの前で表彰台に上り、銅メダルを首にかけた。

なお、男子の3位決定戦は、前日(現地時間11月5日)に終了しており、平昌2018代表チームのSC軽井沢クラブ(栁澤李空、山口剛史、山本遵、小泉聡、谷田康真)がアメリカに7−8で敗れている。

PCCC男女の上位成績は、以下の通り。

女子

  1. 日本
  2. 韓国
  3. カナダ
  4. アメリカ

男子

  1. カナダ
  2. 韓国
  3. アメリカ
  4. 日本

■PCCCとは?

これまで「パシフィック・アジア選手権」と「アメリカ大陸チャレンジ」と、別々に実施されていたカーリングの大陸別選手権が、ミラノ・コルティナ2026の新たなオリンピックサイクルが動き出す今年(2022年)よりひとつに統合され、「パン コンチネンタル カーリング選手権」、通称「PCCC」として生まれ変わり、カナダ・カルガリーを舞台にしてこの秋、その第1回大会が開催されることとなった。

PCCCでは、男女ともにAとBのディビジョンに分かれてトーナメントが実施され、女子の場合、Aが9、Bが4の合計13チーム、男子の場合、AとBそれぞれ8の合計16チームがエントリーしている。日本代表は男女どちらも、Aディビジョンに属している。

このPCCCでは、シーズン締めくくりに開催される世界選手権の出場枠を獲得できる大会として位置付けられており、男女ともにAディビジョンの上位5チームに入ると、2023年3月下旬(女子・スウェーデン)と4月上旬(男子・カナダ)に予定されている今シーズン(2022/2023)の世界選手権の出場チケットを手に入れることができる。ただし、PCCC2022ホスト国のカナダは、男女両チームへ世界選手権出場枠を自動的に与えられることが決まっているため、今季については、カナダを除く上位4チームに入らなければならない。今大会の競技フォーマットを見渡したところ、予選となるラウンドロビン(総当たり戦)の試合を勝ち進み、準決勝へ進出する上位4チームへと勝ち上がれば、世界選手権の出場権もほぼ確実に獲得できると言えそうだ。

さらに、気をつけなければいけない点は、PCCCではAとBのディビジョンの入れ替えが行われる点だ。女子の場合、新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大の影響により、Aディビジョンに属する中国チームがPCCC出場を辞退しており、今季に限り、オーストラリアとニュージーランドを含めた9チームによるAディビジョンのトーナメントが実施される。このAディビジョン下位2チームは、来シーズン(2023/2024)はBディビジョンへ降格、またBディビジョンの優勝1チームはAへ昇格となり、本来のAディビジョン規定数である8チームへと戻されることとなっている。

また、男子の場合は、Aの最下位チームとBの優勝チームが、ディビジョンの入れ替えを実施することとなっている。

なお、ヨーロッパ大陸選手権は従来通り実施され、PCCC同様に世界選手権の出場枠を獲得できる仕組みとなっている。

男女ともに、世界選手権行きの切符はもちろんのこと、この初代大陸選手権のタイトルを手中に収めたい大会となるので、PCCC初日の氷上の試合から見逃せそうにない。

■PCCC競技日程

10月31日〜11月4日

  • 男女 予選(ラウンドロビン)

11月5日

  • 男女 準決勝
  • 男子 3位決定戦

11月6日

  • 男子 決勝
  • 女子 3位決定戦
  • 女子 決勝

■PCCC 出場チーム

Aディビジョン

女子

  1. オーストラリア
  2. ブラジル
  3. カナダ
  4. 香港
  5. 日本
  6. カザフスタン
  7. 韓国
  8. ニュージーランド
  9. アメリカ

男子

  1. オーストラリア
  2. ブラジル
  3. カナダ
  4. チャイニーズ・タイペイ
  5. 日本
  6. 韓国
  7. ニュージーランド
  8. アメリカ

Bディビジョン

女子

  1. チャイニーズ・タイペイ
  2. ケニア
  3. メキシコ
  4. ナイジェリア

男子

  1. ガイアナ
  2. 香港
  3. インド
  4. カザフスタン
  5. ケニア
  6. ナイジェリア
  7. カタール
  8. サウジアラビア

※世界カーリング連盟 掲載順

■日本代表

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