【カーリング】SC軽井沢が逆転で準決勝進出、世界選手権出場枠も確保…ロコ・ソラーレはカナダに黒星|PCCC第5日

カナダ開催の「パン コンチネンタル カーリング選手権2022(PCCC)」は現地時間11月4日に大会5日目を迎えた。SC軽井沢は4連敗からの3連勝で準決勝に進出。世界選手権出場枠も確保した。北京2022で女子銀メダルのロコ・ソラーレはカナダ代表に敗れた。

1 執筆者 オリンピックチャンネル編集部
Tsuyoshi Yamaguchi
(2018 Getty Images)

カナダ・カルガリーで開催中の「パン コンチネンタル カーリング選手権2022(Pan Continental Curling Championships 2022/以下:PCCC)」は現地時間11月4日に大会5日目を迎えた。日本からは、北京2022女子銀メダルのロコ・ソラーレ(藤澤五月、吉田知那美、鈴木夕湖、吉田夕梨花、石崎琴美)と、平昌2018代表チームのSC軽井沢クラブ(栁澤李空、山口剛史、山本遵、小泉聡、谷田康真)が出場している。

■SC軽井沢クラブ、逆転で準決勝へ

PCCCの男子日本代表を務めるSC軽井沢クラブはラウンドロビン最終戦でニュージーランド代表と対戦した。順位は2勝4敗で5位タイの日本に対し、ニュージーランドが3勝3敗で4位。準決勝進出が決まる4位以内に入るためには、絶対に勝たなくてはいけない試合となった。

試合は第1エンドでSC軽井沢クラブが2点を先制。その後も試合を優位に進め、第5エンドを6-1と大きくリードして折り返す。第8エンド終了時点では7-5まで追い上げられたが、第9エンドでSC軽井沢クラブが2点を奪って勝負あり。9-5となったところでニュージーランドがコンシードを選んだ。勝敗で並んだものの直接対戦の成績で上回り、SC軽井沢クラブの準決勝進出が決定。準決勝では1位通過のカナダ代表と対戦する。

今大会のSC軽井沢クラブは初戦から4連敗と苦しいスタート。一時は最下位まで沈んだものの、5戦目のブラジル代表戦から3連勝で一気に順位を上げた。さらにカナダを除く上位5チームにも入ったため、来年の世界選手権出場枠を確定させている。

■ロコ・ソラーレはカナダに黒星

すでに準決勝進出、世界選手権出場枠獲得を決めているロコ・ソラーレは、同じく4位以上を確定させたカナダ代表と対戦した。第7エンドまでは拮抗した展開となったが、第8エンドにカナダが4点を奪うビッグエンド。第9エンドでも1点を奪われ、3-9となったところでロコ・ソラーレがコンシードを選択した。

ラウンドロビンを終え、ロコ・ソラーレは6勝2敗。韓国代表と勝敗数で並んだが、直接対戦の成績でロコ・ソラーレが3位、韓国が4位となった。準決勝では7勝1敗のカナダと再び対戦する。

■PCCCとは?

これまで「パシフィック・アジア選手権」と「アメリカ大陸チャレンジ」と、別々に実施されていたカーリングの大陸別選手権が、ミラノ・コルティナ2026の新たなオリンピックサイクルが動き出す今年(2022年)よりひとつに統合され、「パン コンチネンタル カーリング選手権」、通称「PCCC」として生まれ変わり、カナダ・カルガリーを舞台にしてこの秋、その第1回大会が開催されることとなった。

PCCCでは、男女ともにAとBのディビジョンに分かれてトーナメントが実施され、女子の場合、Aが9、Bが4の合計13チーム、男子の場合、AとBそれぞれ8の合計16チームがエントリーしている。日本代表は男女どちらも、Aディビジョンに属している。

このPCCCでは、シーズン締めくくりに開催される世界選手権の出場枠を獲得できる大会として位置付けられており、男女ともにAディビジョンの上位5チームに入ると、2023年3月下旬(女子・スウェーデン)と4月上旬(男子・カナダ)に予定されている今シーズン(2022/2023)の世界選手権の出場チケットを手に入れることができる。ただし、PCCC2022ホスト国のカナダは、男女両チームへ世界選手権出場枠を自動的に与えられることが決まっているため、今季については、カナダを除く上位4チームに入らなければならない。今大会の競技フォーマットを見渡したところ、予選となるラウンドロビン(総当たり戦)の試合を勝ち進み、準決勝へ進出する上位4チームへと勝ち上がれば、世界選手権の出場権もほぼ確実に獲得できると言えそうだ。

さらに、気をつけなければいけない点は、PCCCではAとBのディビジョンの入れ替えが行われる点だ。女子の場合、新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大の影響により、Aディビジョンに属する中国チームがPCCC出場を辞退しており、今季に限り、オーストラリアとニュージーランドを含めた9チームによるAディビジョンのトーナメントが実施される。このAディビジョン下位2チームは、来シーズン(2023/2024)はBディビジョンへ降格、またBディビジョンの優勝1チームはAへ昇格となり、本来のAディビジョン規定数である8チームへと戻されることとなっている。

また、男子の場合は、Aの最下位チームとBの優勝チームが、ディビジョンの入れ替えを実施することとなっている。

なお、ヨーロッパ大陸選手権は従来通り実施され、PCCC同様に世界選手権の出場枠を獲得できる仕組みとなっている。

男女ともに、世界選手権行きの切符はもちろんのこと、この初代大陸選手権のタイトルを手中に収めたい大会となるので、PCCC初日の氷上の試合から見逃せそうにない。

■PCCC競技日程

10月31日〜11月4日

  • 男女 予選(ラウンドロビン)

11月5日

  • 男女 準決勝
  • 男子 3位決定戦

11月6日

  • 男子 決勝
  • 女子 3位決定戦
  • 女子 決勝

■PCCC 出場チーム

Aディビジョン

女子

  1. オーストラリア
  2. ブラジル
  3. カナダ
  4. 香港
  5. 日本
  6. カザフスタン
  7. 韓国
  8. ニュージーランド
  9. アメリカ

男子

  1. オーストラリア
  2. ブラジル
  3. カナダ
  4. チャイニーズ・タイペイ
  5. 日本
  6. 韓国
  7. ニュージーランド
  8. アメリカ

Bディビジョン

女子

  1. チャイニーズ・タイペイ
  2. ケニア
  3. メキシコ
  4. ナイジェリア

男子

  1. ガイアナ
  2. 香港
  3. インド
  4. カザフスタン
  5. ケニア
  6. ナイジェリア
  7. カタール
  8. サウジアラビア

※世界カーリング連盟 掲載順

■日本代表

もっと見る