【女子アイスホッケー世界選手権2021】カナダが優勝、日本は過去最高の6位

延長の末の逆転劇。決勝戦でカナダは米国を制し、2012年以来の優勝となった。この勝利は北京2022冬季オリンピックの前兆となるだろうか。

文: Virgílio Franceschi Neto
写真: 2013 DEREK LEUNG

ついにカナダが女子アイスホッケーの世界王者に!

2021年8月最終日、第20回女子アイスホッケー世界選手権でも最終日を迎え、最後の瞬間まで手に汗握る展開となった。

カナダが優勝を飾るのは2012年以来の11回目。およそ10年間の空白に終止符を打つにふさわしく、延長戦にもつれ込んでの逆転劇で米国との激闘を制し、大会は幕を閉じた。6月に行われた男子アイスホッケー世界選手権決勝で、男子カナダチームがフィンランドを下したのと同様、3-2で女子カナダチームは勝利を手にした。

2021年女子アイスホッケー世界選手権

女子アイスホッケー世界選手権は本来4月にカナダのハリファックスとトルーローで予定されていたが、新型コロナ感染拡大の影響を受けて延期となり、開催地をカナダのカルガリーに変更して行われた。カルガリーは1988年冬季オリンピックの開催地でもある。

女子アイスホッケー世界選手権の歴史は1990年に始まり、これまでに大会を制したのはカナダと米国のみで、カナダが10回、米国が9回という戦績で本大会を迎えた。優勝だけにとどまらず、決勝進出自体もカナダと米国が独占している。例外として、2019年にカナダはフィンランドに敗れて決勝進出を逃した。

オリンピックのアイスホッケーでも同様にこの2チームが他国を圧倒し、すべての金メダルはカナダあるいは米国チームに渡っている。

2021年女子アイスホッケー世界選手権には、10チームが出場し、世界ランキングをもとに以下のグループに分かれて、グループステージが行われた。

  • グループA: 米国、カナダ、フィンランド、スイス、ROC
  • グループB: チェコ、デンマーク、日本、ドイツ、ハンガリー

グループステージで米国とカナダが他国を圧倒したことは、想像通りの展開と言えるだろう。ただ、グループステージで両チームが対戦した際には、5対1でカナダが米国を下している。

一方、衝撃を与えたのは準々決勝でのスイスだ。グループステージの4試合では1勝も挙げることができず、ゴール数もROC戦での1ゴールのみ(3対1でROCが勝利)。しかし、準々決勝で再びROCと対戦し、延長の末、3対2でROCを下した。

この結果を受けてスイス対カナダの準決勝が決まり、カナダは4-0でスイスを圧倒した。もう一方の準決勝では、米国がフィンランドに3-0で勝利。カナダ、米国ともに無失点で決勝へと駒を進めた。

ヘイリー・スカムラ(米国 #16)を抜いてパックを運ぶアシュトン・ベル(カナダ #21)=IIHF女子アイスホッケー世界選手権、決勝
写真: 2021 Getty Images

カナダ対米国の決勝

米国とカナダは隣国同士であることに加え、アイスホッケーにおいては、男女を問わず最大のライバル関係にある。

現在のオリンピック王者で、世界選手権を5大会連続で制しているものの(通算9回)、優勝回数ではカナダ(10回)に劣っている米国女子チーム。一方のカナダ女子チームは、開催国としての誇りを胸に、10年近く遠ざかっていた世界選手権での勝利を自国にもたらすことを渇望した。

第1ピリオドでは、アレックス・カーペンター(米国)が2点を決めて米国が先制。両チームともに反則やペナルティの多い試合展開となった。米国が2点をリードしていたとはいえ、何が起こってもおかしくない状況で第2ピリオドを迎え、ブライアン・ジェンナー(カナダ)が3分足らずで1ゴールを返し、その2分後にはジェイミー・リー・ラトレイ(カナダ)がゴールを決め、同点となった。

第3ピリオドは緊迫した空気の中で行われ、両チームともリスクを冒すことなく試合が進み、2対2のままで延長戦に突入した。

カナダ対米国で行われた平昌2018オリンピックの決勝では、延長で決着がつかず、シュートアウト戦で米国に金メダルを奪われたカナダ。本大会で同じことが繰り返されないよう、カナダは米国に攻撃を仕掛け、延長戦終了まで3分を切ったところで、経験豊富なマリー・フィリップ・プーリン(カナダ)が決勝ゴールを決め、3対2でカナダが勝利を飾った。

これにより、カナダは2012年以来の勝利を手にし、米国の連勝記録が5勝でストップした。

「言葉にするのは難しいです。チームは今夜、力を発揮しました。粘り強さや自分たちのやり方を貫くことができました。素晴らしかった。チーム全体の努力の賜物です」

- カナダ代表キャプテン、マリー・フィリップ・プーリン。試合後のコメント。

手に汗握る展開となった世界選手権の決勝。カナダの勝利は、北京2022オリンピックの前兆となるのだろうか。

3位はフィンランド

2019年の世界選手権で、ヨーロッパのチームとして初めて決勝に進出したフィンランドは、本大会の3位決定戦でスイスに勝利し、3位となった。両チームの対戦は2度目で、グループステージで対戦した際には、第1ピリオドでペトラ・ニエミネン(フィンランド)が6分弱で3ゴールを決め、フィンランドの6対0の勝利に貢献した。

2度目の対戦となった3位決定戦では、一定のバランスを保ったまま、まったく異なる試合が展開された。第1ピリオドと第2ピリオドの序盤にフィンランドが2点を先制し、試合展開を主導。第2ピリオドで、ララ・スタルダー(スイス)が1ゴールを返したものの、ペトラ・ニエミネン(フィンランド)が追加点となる3ゴール目を決め、最終的に3対1で試合を終えた。

現在のオリンピックの銅メダリストでもあるフィンランドが世界選手権で獲得した銅メダルの数は、13となった。

「とても誇りに思います。(ゴールキーパーのアンニ)ケイサラが活躍してくれました。私たちがいい戦いをしたのは間違いありません。タンジャやエラが今日、ゴールを決めたのも良かったと思います」

- フィンランド代表キャプテンのイェンニ・ヒーリコスキ。スイス戦勝利後、IIHFのウェブサイトにて

一方、スマイルジャパンこと日本チームは、準々決勝で米国と対戦し、2対10で敗れた。順位決定戦では、8月29日に3対2でチェコを下し、31日に行われた5、6位決定戦では、ROCに0対2で敗れて6位が確定。日本にとって過去最高の成績となった。

MVPはメロディー・ダウ

カナダ代表フォワード、メロディー・ダウ(29)が、本大会のMVPに選ばれた。ソチ2014オリンピックで金メダル、平昌2018で銀メダルを獲得したダウだが、これまでに何度も怪我に悩まされ、いくつかの大会への欠場を余儀なくされた。そのため、世界選手権デビューは2019年のことで、同大会では3位に輝いた。

ダウは今回のカナダチームの主役と呼べる存在で、世界選手権の最優秀フォワードにも選ばれており、ペトラ・ニエミネン(フィンランド)と並んで6ゴールを挙げて得点王になった。

北京2022の女子アイスホッケー

北京2022冬季オリンピックの女子アイスホッケーは、2022年2月11〜17日の日程で予定されている。大会には10チームが出場する予定で、7チームは既に確定。国際アイスホッケー連盟のランキングにより、カナダ、米国、フィンランド、ROC、スイス、日本の6チーム、そして開催国の中国が名を連ねている。

残る3枠は、11月に行われるプレ・オリンピック・トーナメントで決定する。