ラトビア、デンマーク、スロバキアの3チームは、国際アイスホッケー連盟(IIHF)が定めるオリンピック予選の各グループで上位となり、来年2月に開幕する**北京2022冬季オリンピック男子アイスホッケー**の出場枠を手中に収めた。
この3チームの確定により、オリンピック出場の12チームが全て出揃ったことになる。他チームは、IIHF世界ランキング上位8チームに、開催国の中国が加わった9チームで、既に決定している。
北京オリンピックへの最終チケットをかけた激戦の結果は、8月29日のトーナメント最終日までもつれ込むこととなった。
グループE : ラトビアがフランスを破る
ラトビアは、首都・リガにあるホームのアイスリンクで、イタリアに6−0、ハンガリーに9−0と快勝し、15得点も獲得していたので、フランスとの最終戦は100パーセントの自信をもって臨んでいた。
とはいえ、”レ・ブルー” のニックネームで親しまれているフランスチームに、ラトビアはこれまで一度も白星をあげたことがなかった。フランスもまた、初出場かつ14位で終わったソルトレークシティ2002を最後に、オリンピックの舞台から遠ざかっている。
第1ピリオド開始から10分経過して、リハルド・ブカルツが先制ゴールを決め、ラトビアの強さを見せつける。
両チーム共に守備が固く、なかなかゴールネットが揺れない中、最終の第3ピリオドで**ミクス・インドラシスが、ラトビアの2点目(本トーナメントで3ゴール目)を獲得。しかしながら、この後フランスのステファン・ダ・コスタ**がロングショットを決めて、この試合の初得点をフランスへもたらし、ハラハラする展開で巻き返しを図る。
試合終了までの2分間、ペナルティによるキルプレーだったにもかかわらず、ラトビアはこれ以上の得点を許さず、2−1のまま逃げ切ってフランスを破った。そして、北京オリンピックの出場権を獲得したのだ。
グループF : デンマークがノルウェーに勝星
首都・オスロでのホームゲームだったノルウェーを唖然とさせるように、デンマークは2−0で勝利し、グループFで最上位となって、同国初となるオリンピック出場権を手中に収めた。
両チームともに、同じグループのスロベニアと韓国に勝星をあげていたので、無敗のまま、この最終戦に臨んでいた。そして、フレデリック・ストームとニコライ・エレルスのゴールにより、デンマークは2得点をあげ、最大のライバルだったノルウェーに一切の得点を許さずに、オリンピック初出場のチケットまで実現させた。
NHLウィニペグ・ジェッツのフォワードで活躍するエレルスが、試合終了のわずか3分前に2点目を決めたことで、デンマークの勝利は確実となった。それでも、ゴールキーパーがエキストラ・アタッカーとして交戦し、ノルウェーは最後の最後まで粘ったが、相手のゴールを奪うことはできなかった。
グループD : スロバキアがベラルーシに勝利
スロバキアにとって、首都・ブラチスラバにあるオンドレ・ネペラ・アリーナでの対ベラルーシのホーム戦は、北京2022の男子アイスホッケーの最後の出場枠がかかっており、負けるわけにはいかない重要なゲームとなった。
ピーター・セラリク(スロバキア)とイゴー・シャランゴビック(ベラルーシ)がそれぞれゴールを決めて、最終の第3ピリオドを1−1の同点で迎える。延長タイムを終えても引き分けのままであれば、すでに他の対戦で7得点をあげているスロベニアがグループ優勝となり、オリンピックのチケットを手にすることは、ベラルーシもわかっていた。
しかし、最終ピリオド終了のわずか3分前に、リボー・フダセクが決定打となるゴールを決めて、2−1でホイッスルが鳴り、勝利の女神はスロバキアに微笑んだ。
北京2022グループ組合せとスケジュール
オリンピック最終予選トーナメントを終えて、北京2022男子アイスホッケーの出場12チーム全てが出揃った。
注目のグループAは、錚々たるチームが名を連ねる。世界チャンピオンであり、9度のオリンピック金メダルを獲得しているカナダを筆頭に、平昌オリンピック銀メダルのドイツ、アメリカ、そして開催国の中国が予選グループを争う。
最終出場枠を勝ち取ったデンマークは、前回オリンピック王者のOAR、チェコ、スイスが属するグループB、スロバキアとラトビアは、フィンランドとスウェーデンが属するグループCと組合せが決まった。
グループA : カナダ・アメリカ・ドイツ・中国
グループB : ROC・チェコ・スイス・デンマーク
グループC : フィンランド・スウェーデン・スロバキア・ラトビア
北京2022男子アイスホッケーは、来年2月9日より予選ラウンドが始まる。