Shigekix「多くの方に見てもらえて幸せ」…3位で表彰台入りは「奇跡に近い」 ┃ブレイキン・フォー・ゴールド・ワールドシリーズ2023北九州

2月24日に開幕したブレイキンの国際大会「WDSF Breaking for Gold World Series in北九州 presented by Create」。25日は8人によるトーナメントが行われ、日本のBボーイ、ShigekixとISSINが登場。Shigekixが3位に入り、ISSINはベスト8だった。

1 執筆者 オリンピックチャンネル編集部
Shigekix:ブレイキン・フォー・ゴールド2023北九州
(公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟)

WDSF(世界ダンススポーツ連盟)による国際大会「Breaking for Gold World Series(BfG WS)」が2月24日、西日本総合展示場新館(福岡県北九州市)で開幕。25日は上位8選手によるトーナメントが行われ、日本からShigekix(半井重幸)、ISSIN(菱川一心)がTOP8に登場した。

なお、今大会は初の日本開催。パリ2024のオリンピック予選シリーズ(OQS)出場権に影響する大会でもある。

■Shigekixが3位

ShigekixはTOP8でGravity(アメリカ合衆国)に勝利。続くTOP4ではAmir(カザフスタン)に敗れ、3位決定戦へ。ここではKuzuya(ウクライナ)を下し、3位に入った。

ISSINは初戦でJeffro(米国)に敗れ、8強で大会を終えた。

優勝はShigekixを下したAmir。準優勝はISSINを下したJeffroだった。

Shigekixコメント

「たくさんの方が応援しに来てくださったり、会場の規模や参加しているメンバーのレベルの高さを含めて、約1週間、2大会で世界トップレベルの戦いをさせていただいて、いい経験をさせてもらったというのが率直に、一番最初に感じていることです。日本人のファン以外に、海外からも僕のファンの方が飛行機のチケットを取って見に来てくれました。全日本に続き、日本のファン、サポーターの方々が実際に会場に足を運んで、応援してくれました。本当にうれしいです。その言葉に尽きると思います」

「昨日のコンディションの良さ、今日のメンタル的なところも含めて、優勝を狙えるコンディションだったと思います。そこを逃してしまったという結果は、悔しさを感じて、今後につなげていくべきところです。ただ、このスケジュールで最後まで踊りきれたこと、自分らしさを最後まで捨てずに戦えたこと、この1週間で全日本は決勝まで、今回は3位決定戦までと、この2大会で最も多く踊った存在としていられることがなによりもうれしいです。日頃自分が向き合ってきたこと、磨き上げてきたものを皆さんに肉眼で見てもらえたことが幸せなことだと感じています」

「この2戦はただただ自分のメンタルやフィジカルを消費したり、削りながら戦ったりした2戦ではなく、一歩一歩自分の成長や伸びしろや課題、改善点を噛み締めながら、成長につなげていけるものにできました。今、この瞬間は歩くのもつらいぐらい、体も気持ちもやりきったというタイミングで、ボロボロではあるのですが、決してそれは身を削って戦ったという感覚ではなくて、今後に生きている経験だったと噛み締めています。来月には国際大会があって、今年は特にその先もずっと大会が続いていくので、いい結果だろうがどんな結果だろうが、立ち止まらずに、しっかり先につなげていきたいと思います」

「今年はこの大会に参加していたメンバーとずっと戦っていくことになると思うのですが、本当にレベルが高いです。過去に世界一のタイトルを取った方が5人、10人と予選の段階で負けてしまっていました。そういうことが当たり前のように起きるレベルの高さなので、3位という表彰台に立てるところまで勝ち進めたのは、自分の実力だということも噛み締めながらも、奇跡に近いくらいのものだったと思います。本当にレベルは高いです。自分も世界のトップレベルに位置しているのかもしれないですが、ここに参加している全員が世界トップレベルに位置しているので。全員、横並びの土俵で戦っているなという感覚がすごくありました。今後の戦いも厳しくなっていきますが、どんな色(のメダル)だったかにかかわらず、毎試合ごとに成長を感じられているので、このままいい歩みを進めていけたらと思います」

■パリ2024への道

パリ2024では男女個人戦、「Bボーイ」と「Bガール」の2種目が行われる。出場枠は各種目「16」。開催国枠としてフランスが「1」を確保しているほか、ユニバーサリティ枠として「2」を割り当てるため、日本人選手は「13」の枠を巡って争うことになる。また日本は男女とも有力選手がそろうため、最終的には各国NOC(国内オリンピック委員会)に与えられる上限「2」(男女合計最大「4」)を巡っても、激しい戦いが繰り広げられる。

「13」のうち最初の「1」が決まる大会、それが9月にベルギーで開催される2023年WDSF(世界ダンススポーツ連盟)世界選手権だ。この大会で優勝すれば、パリ2024出場権を獲得できる。

次に、各大陸(アフリカ・アジア・ヨーロッパ・オセアニア・パンアメリカ)で行われる予選で「5」が決定。日本人ダンサーは、9月から10月に中国で開催されるアジア競技大会で優勝を目指すことになる。そして残りの「7」は、2024年3月から6月に行われるオリンピック予選シリーズ(OQS)で決まる予定だ。

このOQSの出場者は世界ランキングポイントなどによって決定。「BfG WS」は付与ポイントが大きいため、今大会での成績がオリンピック出場を左右することとなる。

■ブレイキンについて

ブレイキンはブレイクダンスともいわれ、音楽に乗せて身体のあらゆるところを使い、回ったり跳ねたりというアクロバティックな動きを取り入れたダンスのこと。ブエノスアイレス2018ユースオリンピックで正式種目として採用され、パリ2024オリンピックでも追加種目として正式に採用された。

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