来年に迫るパリ2024オリンピックで初めてオリンピック競技として実施されるダンススポーツ「ブレイキン」。ブレイクダンスの名でも知られるこの競技のアジアNo1を決めるブレイキン・アジア選手権が、7月1日、2日に中華人民共和国・杭州で開催される。
会場となるのは、9月〜10月に予定されているアジア最大規模の総合競技大会「アジア競技大会」のブレイキン競技会場となる拱墅(ゴンシュウ)運河体育公園体育館。開催国・中華人民共和国をはじめ、日本や大韓民国、マレーシア、インド、ウズベキスタンなどアジアの14ヶ国から、Bガール(女子)・Bボーイ(男子)およそ120人が集結し、世界トップレベルの白熱のダンスバトルを繰り広げる。
今回の大会では、アジア王者が決定するだけはない。オリンピック予選ランキングポイントの獲得や、2024年のオリンピック予選シリーズへの出場権獲得にもつながるなど、パリ2024を目指す選手にとっては、オリンピックに近づくための重要な大会として位置づけられる。
※当初、日本ダンススポーツ連盟は「トップ4に入った選手はアジア競技大会への出場権を獲得する」ことを発表していたが、後日変更された。詳しくは日本ダンススポーツ連盟にて。
ブレイキン・アジア選手権2023の注目選手
Bガール
アジアには世界のトップ争いを繰り広げるふたりのBガールが存在する。中華人民共和国のBガール671(リウ・キンジー)と埼玉出身のBガールAmi(湯浅亜実)である。
Amiは過去1年間で世界ダンススポーツ連盟(WDSF)主催大会に4度出場し、優勝2度、準優勝1度、3位1度という輝かしい成績をおさめ、オリンピック予選ランキングで671に続いて2位に立つ。優勝・準優勝となった3大会の決勝すべてで671と対戦し、戦績は2勝1敗。直近のブレイキン・フォー・ゴールド・ワールドシリーズ・モンペリエ大会(5月)では、Amiが準決勝でBガールNicka(リトアニア)に敗れ、決勝で671がNickaを下して優勝した。
一方、671、Amiに次いで好成績をおさめているアジアのBガールが、京都出身のAyumi(福島あゆみ)。同モンペリエ大会では準々決勝(トップ8)で671に敗れたが、全日本選手権では2年連続でAmiを抑えて2連覇を達成するなど、表彰台に立つための実力と経験を有しており、今回のアジア選手権でもその力を見せつけることだろう。
このほか、昨年秋の世界選手権でトップ4に上り詰め、オリンピック予選ランキング12位に立つ沖縄出身のBガールRiko(津波古梨心=つはこ・りこ)や、同15位で大阪出身のAyane(半井彩弥=なからい・あやね)も表彰台候補として挙げられる。ふたりは6月のブレイキン・フォー・ゴールド・インターナショナル・シリーズ・マドリード大会で、それぞれ1位、3位でメダルを獲得した。
日本からは湯浅、福島、津波古、半井を含むBガール11選手がエントリーする。
Bボーイ
Bボーイのカテゴリーで優勝候補と目されているのが、現在、オリンピック予選ランキングで世界No2の「Shigekix」こと半井重幸(なからい・しげゆき)。BガールAyaneの弟でもあるShigekixは直近の国際大会、ブレイキン・フォー・ゴールド・ワールドシリーズ・モンペリエ大会(5月)、リオ大会(4月)でそれぞれ2位、3位に立つなど表彰台の常連として知られている。
強力なライバルとなるのは、カザフスタン出身のBボーイAmir(アミール・ザキロフ)。Amirは2月に北九州で行われたブレイキン・フォー・ゴールド・ワールドシリーズ北九州大会の準決勝でShigekixを破って決勝に進み、最終的に表彰台の頂点に立った。ランキングでは現在8位だがアジア勢では半井に続く2番手に位置し、今回の大会でトップ争いに加わることが予想される。
同16位でアジア3番手に立つのが大韓民国のBボーイWing(キム・ヒョヌ)で、その後には、21位に岡山出身のIssin(菱川一心)、22位に大韓民国のBボーイKill(パク・インス)、23位に中華人民共和国のBボーイX-Rain(シャオユウ・シャン)が続く。この中で誰が突き抜けて表彰台に辿り着くことができるのかは注目ポイントのひとつと言えるだろう。
日本からは半井、菱川など、15選手が出場を予定している。
ブレイキン・アジア選手権2023のフォーマット
まずはプリセレクション(予選)として出場者が4人ずつのグループに分かれて、それぞれ最大60秒の1ラウンドを行い、その点数に応じてBボーイでは上位32人が次のステージとなるトップ32に進む。Bガールではトップ32が行われず、プリセレクションの上位16人がラウンドロビン(グループ総当たり戦)に進む。
Bボーイのトップ32は、2ラウンド制の1対1バトルが行われ、勝者がラウンドロビンに進む。
ラウンドロビンでは、4人ずつの4グループに分かれ、その中で総当たり戦が行われる(各対戦は2ラウンド制)。各グループの上位2人が準々決勝となるトップ8の戦いに進む。
トップ8(準々決勝)では、最大3ラウンド制の1対1バトルが予定されている。2ラウンド後に評価が発表され、2-0となった場合、3ラウンド目は行われない。
準決勝・決勝・3位決定戦では、3ラウンド制の1対1バトルが行われる。3ラウンドを終えた時点で結果が発表され、勝敗が決まる。
ブレイキン・アジア選手権2023の日程
7月1日
- 14:40〜16:00(日本時間15:40〜17:00)Bボーイ、プリセレクション(予選)
- 16:00〜16:50(日本時間17:00〜17:50)Bガール、プリセレクション(予選)
- 17:10〜18:20(日本時間18:10〜19:20)Bボーイ、トップ32
7月2日
- 13:00〜14:40(日本時間14:00〜15:40)Bガール、ラウンドロビン(グループ総当たり戦)
- 14:40〜16:20(日本時間15:40〜17:20)Bボーイ、ラウンドロビン(グループ総当たり戦)
- 17:30〜17:55(日本時間18:30〜18:55)Bガール、トップ8(準々決勝)
- 17:55〜18:20(日本時間18:55〜19:20)Bボーイ、トップ8(準々決勝)
- 18:20〜18:35(日本時間19:20〜19:35)Bガール準決勝
- 18:35〜18:50(日本時間19:35〜19:50)Bボーイ準決勝
- 18:50〜19:00(日本時間19:50〜20:00)Bガール3位決定戦
- 19:00〜19:10(日本時間20:00〜20:10)Bボーイ3位決定戦
- 19:10〜19:20(日本時間20:10〜20:20)Bガール決勝
- 19:20〜19:30(日本時間20:20〜20:30)Bボーイ決勝
ブレイキン・アジア選手権2023のライブ配信情報
Olympics.comでは、7月2日に予定されているトップ8(準々決勝)、準決勝、3位決定戦、決勝の模様をライブ配信予定。